自己資金なしでも飲食店って開業できるの?融資・調達のコツや費用を抑える方法まで!

自己資金なしでも飲食店って開業できるの?融資・調達のコツや費用を抑える方法まで!
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目次

第1章. 自己資金なしで本当に飲食店開業できるの?

「自己資金なしで飲食店を開業!」――その言葉の裏にある厳しい現実と、それでも成功を掴むために本当に必要な条件を理解している人は、実は多くありません。この章では、まず理想と現実のギャップを埋め、あなたがこれから立つべきリアルなスタートラインを明らかにします。

1-1. 自己資金なしは可能?開業で失敗する人の共通点

結論から言えば、あなたのポケットに現金がなくても飲食店のオーナーになる可能性はあります。しかし、それは「財布の中身がゼロでも、明日から店がオープンする」という意味ではありません。

飲食店の開業で語られる「自己資金なし」とは、多くの場合「開業資金(物件取得費や内装費)を融資などの資金調達で100%賄う」ことを指します。しかし、事業を継続するには、オープン直後の売上が安定するまでの「運転資金」や、オーナー自身の「当面の生活費」が別途必要になります。この2つを考慮せず、本当に手元資金がまったくない状態で始めると、ほぼ確実に失敗します。

失敗談:居酒屋店主Aさんの声

 「自己資金がほとんどゼロでしたが、開業資金は日本政策金融公庫の融資でなんとかなりました。でも、オープン後2ヶ月で運転資金がショート。売上入金サイクルを甘く見ていました。」

成功談:カフェオーナーBさんの声

「開業資金ではないですが、親族から生活費として100万円を借りました。事業用の資金は公庫融資で賄いました。公私混同しなかったのが、厳しい初期の経営を乗り切れた勝因です。」

本当の意味での「自己資金なし」で飲食店を始めるのは幻想です。まずはこの現実を受け入れ、飲食店開業の費用だけでなく、運転資金と生活費を含めたトータルな資金計画を立てることが、成功への第一歩となります。

1-2. 飲食店開業に必要な3つの要素

では、自己資金なしや少ない人はどうすれば良いのでしょうか。答えは、お金以外の「無形の資産」で勝負することです。金融機関が融資を判断する際に見るのは、通帳の残高だけではありません。「この人になら貸しても大丈夫だ」と思わせる、信頼性の高い武器が必要です。

  • 人を惹きつける事業コンセプト
    なぜあなたの店でなければならないのか?「オーガニック野菜専門のデリ」「昭和レトロなクリームソーダ専門店」など、コンセプトが明確であればあるほど、広告費をかけずに集客できます。
  • 数字で語る緻密な事業計画
    情熱だけではお金を借りることはできません。「1日の客数×客単価×営業日数」といった具体的な売上予測や、家賃・人件費・原価を計算した損益分岐点など、数字に基づいた計画書が不可欠です。
  • 飲食店での実務経験や専門スキル
    「飲食店で5年間店長として働き、店舗マネジメントを経験した」といった経験やスキルは、計画の実現可能性を裏付ける強力な証拠になります。

【第1章のまとめ】
自己資金なしでの開業は可能ですが、「運転資金」と「生活費」は別途必要です。資金不足を補うためには、「魅力的なコンセプト」「緻密な事業計画」「現場での経験」という3つの武器を磨き上げることが成功の鍵となります。


第2章. 飲食店開業に必要な資金の内訳

「飲食店の開業に、一体いくら必要なんだろう?」――そう考えたとき、多くの人が一つの大きな金額を想像しがちです。しかし、実際には複数の項目があり、それぞれ支払うタイミングや性質が異なります。飲食店開業時に資金計画を立てる上で絶対に押さえておくべき費用の内訳と、そのリアルな相場感を解説します。

2-1. 物件取得費:飲食店開業資金で最初に必要となる大きな費用

開業資金の中で、最初にまとまった現金が必要になるのが物件の契約時です。これは店舗という事業の土台を確保するための費用であり、ここをクリアできないと何も始まりません。

  • 保証金(または敷金): 家賃の6ヶ月~10ヶ月分が相場。
  • 礼金: 家賃の1~2ヶ月分が相場。返還されない。
  • 仲介手数料: 不動産会社に支払う手数料。家賃の1ヶ月分が相場。
  • 前家賃: 契約月の家賃を前払い。

初期費用シミュレーション

 例えば、家賃20万円の15坪の店舗(居抜き物件)を都内で借りる場合…

  • 保証金(6ヶ月分):120万円
  • 礼金(1ヶ月分):20万円
  • 仲介手数料(1ヶ月分):20万円
  • 前家賃(1ヶ月分):20万円

合計:180万円

このように、契約するだけで200万円近い現金が一気に必要になるケースも珍しくありません。自己資金なしや少ない場合、この初期費用をどう資金調達するかが最初の大きなハードルとなります。

2-2. 内装・設備費:開業費用を抑える工夫のしどころ

物件を契約したら、次はお店を形作るための投資です。このパートは、あなたの工夫次第で費用を大きく抑えることができる「コスト削減の主戦場」と言えます。

  • 内装工事費: 「居抜き物件」なら数十万円で済むこともありますが、「スケルトン物件」だと500万円以上かかることも。
  • 厨房設備費: 全て新品で揃えると200万~300万円はかかりますが、中古品やリースを賢く活用することでコストを圧縮できます。

開業費用を抑えるなら、経費削減の考え方も重要です。詳細は『飲食店の経費削減完全マニュアル!すぐに効果が出るコスト最適化のアイデアをすべて大公開!』の記事で確認できます。

2-3. 運転資金と生活費:自己資金なし開業で見落としがちな費用

意外と見落とされがちですが、開業後の経営を支える上で最も重要なのがこの2つの資金です。お店はオープンがゴールではありません。

  • 運転資金: オープン後の売上が安定するまでの数ヶ月間、家賃、光熱費、人件費、そして日々の食材仕入れ費を支払うための「つなぎ資金」です。
  • 当面の生活費: オープンから数ヶ月は、店の利益から自分の給料を十分に取れないことがほとんどです。その間のあなたの家賃や食費などを賄うための資金を、事業用の資金とは別に確保しておく必要があります。

専門家の視点:中小企業診断士・田辺氏

 「多くの創業者が陥る失敗が、運転資金の見積もりの甘さです。事業計画を立てる際は、最低でも月間固定費の3ヶ月分、理想を言えば6ヶ月分を運転資金として融資希望額に含めるべきです。また、個人の生活費と店舗の経費が混ざると経営状況が不透明になります。必ず個人の口座と事業用の口座は分けて管理してください。」


【第2章のまとめ】
飲食店開業の資金は「物件取得費」「店舗投資」「運転資金・生活費」の3つに大別されます。特に、最初に大きな壁となる物件取得費と、見落としがちな運転資金の確保が、安定したスタートを切るために極めて重要です。


第3章. 自己資金なしからの資金調達方法とは

自己資金なしやゼロに近い状態で飲食店を開業するには、何らかの方法で資金調達することが絶対条件です。この章では、まず簡単なフローチャートであなたに合った資金調達の方向性を示し、その後で代表的な方法をプロの視点から詳しく解説します。

3-1. 最適な資金調達方法がわかるフローチャート

いくつかの簡単な質問に答えて、あなたがどの資金調達方法を優先的に検討すべきか見てみましょう。

資金調達フローチャート 

  • Q1. 飲食店での実務経験や詳細な事業計画があるか?
    • YES → Q2へ
    • NO → 「クラウドファンディング」や「親族からの支援」の検討へ。
  • Q2. 保証人や担保を用意できるか?
    • YES → 「日本政策金融公庫」や「信用金庫・制度融資」が最有力。
    • NO → 「日本政策金融公庫(新創業融資制度)」が第一候補。
  • Q3. 開業を急いでいるか?(3ヶ月以内)
    • YES → 公的融資と並行して「クラウドファンディング」や緊急用の「カードローン」も視野に。
    • NO → 低金利な「日本政策金融公oco」や「制度融資」に絞り、事業計画を練るのが得策。

3-2. 日本政策金融公庫・制度融資は低金利で飲食店開業に最適な融資

創業時の資金調達において、最も頼りになり、多くの起業家が最初に検討するのが「日本政策金融公庫」です。国が100%出資する政府系の金融機関であり、民間銀行に比べて創業者に非常に協力的です。

  • メリット: 金利が低い、無担保・無保証人制度がある、返済期間が長い。
  • デメリット: 審査に時間がかかる、事業計画書の質が厳しく問われる。

地方自治体や商工会議所が金融機関と連携して行う「制度融資」も、利子補給などの優遇が受けられるため有力な選択肢です。

公庫の面談で本当に聞かれたこと

「私も自己資金がほぼない状態で公庫の融資を申し込みました。面談で一番深く聞かれたのは『なぜ、この場所で、このコンセプトのカフェなんですか?』という質問でした。私は事前に3ヶ月かけて、出店希望エリアの通行量調査、競合店の調査などをまとめた資料を持参しました。『自己資金を貯める時間を、事業計画の精度を上げるための調査期間に充てていました』と説明し、情熱と行動力で資金の不足を補う姿勢が評価されたのだと思います。」

3-3. クラウドファンディングでファンと資金を同時に集める方法

近年、飲食店の開業で急速に広がっているのが、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める「クラウドファンディング」です。

  • メリット: 返済義務がない、開業前から店のファンを作れる、強力な宣伝ツールになる。
  • デメリット: 目標金額に達しないと1円も受け取れない方式がある、PR活動に手間がかかる。

3-4. カードローン・親族からの支援

「物件の契約金が、あと少しだけ足りない!」といった緊急時には、カードローンや親族・知人からの借入も選択肢になります。しかし、これらの方法には大きなリスクが伴います。

  • カードローン: 金利が年15%前後と非常に高いため、あくまで短期的な「つなぎ資金」と割り切りましょう。
  • 親族・知人からの支援: 口約束は絶対に避け、必ず借用書を作成しましょう。

開業時の負担を抑えつつ決済環境を整えるには、最適な端末選びがカギになります。比較記事は『【2025年最新版】オールインワン決済端末を徹底比較!コスパ最強のおすすめ端末8選もご紹介!』。

専門家の視点:中小企業診断士・田辺氏

「親しい間柄だからこそ、お金のことは書面に残すべきです。『誰が、誰に、いつ、いくらを、いつまでに、どのような方法で返済するか』を明記し、双方が署名・捺印した借用書を1通ずつ保管してください。これが、あなたとあなたの大切な人との関係を守るための最低限のルールです。」


【第3章のまとめ】
資金調達には公的融資からクラウドファンディングまで多様な方法があります。フローチャートで自分に合った方法の当たりをつけ、第一候補として低金利な「日本政策金融公oco」を検討しましょう。各方法のメリット・デメリットを正しく理解し、計画的に活用することが重要です。


第4章. 飲食店開業の費用を抑える4つのコスト削減術

自己資金なしやゼロに近い方が飲食店の開業費用を抑えるには、単に中古品を買うといった小手先の節約だけでは限界があります。発想を転換し、「店舗の持ち方」そのもの、つまり開業形態を見直すことで、費用を劇的に圧縮できる可能性があります。この章では、自己資金なしからでも現実的に狙える、コスト削減効果の高い4つの方法を解説します。

4-1. 居抜き物件の活用とDIYで内装・設備費用を削減

飲食店開業の費用を抑える最も王道な方法が、「居抜き物件」の活用です。前のテナントが使っていた内装や厨房設備をそのまま引き継げるため、ゼロから店舗を作るスケルトン物件に比べて、数百万円単位で費用を削減できます。

ただし、注意点もあります。設備の老朽化による故障リスクや、前の店のイメージが強すぎてコンセプトに合わないケースです。内見時には必ず設備の動作確認を行い、契約書で修繕義務の所在を明確にしておきましょう。

さらにコストを抑えるなら、壁の塗装や棚の設置といった簡単な作業を自分で行う「DIY」が有効です。

4-2. 間借り・シェアキッチン

「いきなり自分の店舗を持つのは怖い…」という方には、既存の飲食店の空き時間を借りて営業する「間借り」や「シェアキッチン」が最適です。

この方法の最大のメリットは、物件取得費や内装工事費といった高額な初期投資がほぼゼロであること。月々の家賃(または売上に対する手数料)だけで、すぐにでも自分の店を始められます。事業が軌道に乗るかどうかのテストマーケティングの場として、また自己資金を貯めながら実績を作る場として、非常に有効な活用法です。

間借り営業で認知を高めるには、インスタの活用がカギです。『【完全版】飲食店のインスタグラムの活用術を大公開!集客に効果的な運用方法を解説!』の記事を参考にしてください。

成功談:カレー店主Dさんの声

「最初はバーの間借り営業で、週末限定のカレー屋からスタートしました。SNSで口コミが広がり、半年後には行列ができるように。その売上実績と貯めた自己資金を元に金融機関に融資を申し込んだところ、スムーズに審査が通りました。間借りでの成功体験が、経営者としての大きな自信と信用に繋がったと感じています。」

4-3. キッチンカーで勝負する移動店舗という選択肢

特定の場所に縛られず、人が集まる場所へ自ら出向いていけるのが「キッチンカー」の強みです。ランチタイムのオフィス街、週末のイベント会場など、需要がある場所を狙って効率的に経営できるのが魅力です。

店舗型の飲食店に比べて物件取得費や高額な家賃はかかりませんが、車両の購入・改造費として150万~400万円程度の初期費用が必要になります。また、出店場所の確保や、天候によって売上が大きく左右されるリスクも考慮しなければなりません。

キッチンカーの費用感

  • 車両購入費(中古軽トラックベース): 50~100万円
  • 車両改造費(調理設備、塗装など): 100~300万円
  • 許認可取得・その他備品: 20~50万円

合計で200万円前後の資金調達が一つの目安となりますが、これはスケルトンから店舗を開業する費用に比べれば格段に安く抑えられます。

キッチンカー開業の詳細については、『キッチンカー(移動販売)を始めるには?開業に必要な資格・費用など準備の方法を徹底解説!』の記事でコスト感や成功のポイントを詳しく解説しています。

4-4. M&A・事業承継で黒字店舗をそのまま引き継ぐ

少し視点を変えた方法として、後継者を探している個人経営の飲食店などを、レシピや常連客ごと引き継ぐ「M&A(事業承継)」があります。

この方法のメリットは、開業初日から安定した売上が見込める点です。既に地域に根付いている店舗であれば、集客に苦労することも少ないでしょう。ただし、前のオーナーが築き上げたブランドイメージや味を守る責任が伴います。また、帳簿には見えない債務(簿外債務)がないかなど、引き継ぐ前に専門家を交えた入念な調査(デューデリジェンス)が不可欠です。

専門家の視点:M&Aコンサルタント

 「小規模飲食店のM&Aは、自己資金が少ない創業者にとって非常に魅力的な選択肢です。日本政策金融公庫にも『事業承継・集約・活性化支援資金』という専門の融資制度があり、資金調達の面でも追い風です。ただし、経営権だけでなく、従業員や取引先との関係も引き継ぐことになります。数字のチェックはもちろん、前のオーナーの人柄や店の評判といった『見えない資産』もしっかり見極めることが成功の鍵です。」


【第4章のまとめ】
開業費用は、居抜き物件やDIYで削減するだけでなく、「間借り」「キッチンカー」「M&A」といった開業形態そのものを見直すことで大幅に圧縮できます。自分のリスク許容度やコンセプトに合わせて、最適なスタート方法を選択しましょう。


第5章. 自己資金なしでも融資される事業計画書の作り方

自己資金なしやゼロに近いあなたにとって、事業計画書は単なる書類ではありません。それは、あなたの情熱とビジョンを「お金を貸す価値のある事業」へと翻訳する、最強のプレゼン資料です。この章では、融資担当者を納得させ、開業後の経営の羅針盤ともなる、実践的な事業計画書の作り方を解説します。

5-1. コンセプト設計:「誰に、何を、どうやって?」を1枚の紙にまとめる

良い事業計画は、必ず明確なコンセプトから始まります。あなたの店の「強み」は何か、「誰に(ターゲット顧客)」「何を(提供価値)」「どのように(店の雰囲気やサービス)」提供するのかを、簡潔に説明できるようにしましょう。

  • 悪い例: 「美味しいコーヒーを出すおしゃれなカフェ」
  • 良い例: 「近隣のオフィスで働く30代女性に、1杯ずつハンドドリップで淹れるスペシャルティコーヒーと、PC作業がしやすい電源付きの静かな空間を提供するカフェ」

コンセプトが明確であれば、メニュー開発、内装デザイン、価格設定といった全ての判断に一貫性が生まれ、金融機関の担当者にも「この人は本気で事業を考えているな」という印象を与えます。

店舗の魅力を高めるには、外観と入口の工夫も重要です。入口改善のヒントは『集客が増える店舗の入口とは?入りたくなる飲食店の外観の特徴や共通点を徹底解説!』。

5-2.売上・経費・利益計画の具体的な立て方

情熱を具体的な「数字」に落とし込む作業が、収支計画の作成です。「儲かりそう」という希望的観測ではなく、「これだけの売上が見込める」という根拠を示さなければ、誰もお金を貸してはくれません。

①売上計画:

 売上は「客数 × 客単価」で計算します。客数はさらに「席数 × 回転数 × 満席率」に分解して、現実的な数字を積み上げましょう。

②経費計画: 

経費は、売上に関わらず発生する「固定費(家賃、人件費など)」と、売上に比例して変動する「変動費(原材料費など)」に分けて計算します。

③利益計画と損益分岐点: 

「売上 − 経費」で利益を計算し、利益がゼロになる売上高、つまり「損益分岐点」を把握します。「最低でも月にいくら売れば赤字にならないか」を知ることは、経営の生命線です。

利益を安定させるには、日々の運営の効率化がポイントになります。取り組み方は『飲食店のオペレーションを劇的に効率化!マニュアルの作成方法まで徹底解説!』の記事でご紹介しています。

収支計画サンプル:10坪カフェの場合

スクロールできます
項目計算根拠金額(月間)
売上高(15席×1.5回転×客単価800円×稼働率70%)×25日¥315,000
変動費(原価)売上の30%¥94,500
固定費
家賃¥120,000
人件費(オーナー分)¥0 (初期)
水道光熱費¥30,000
その他経費¥20,000
固定費合計¥170,000
営業利益売上 – 変動費 – 固定費¥50,500

※これはあくまで簡易的なサンプルです。実際には減価償却費なども考慮します。

5-3. 融資面談で必ず聞かれる「自己資金がない理由」への模範解答

融資面談で自己資金なしの場合、ほぼ100%「なぜ自己資金を貯めなかったのですか?」と聞かれます。ここで言い訳をしたり、しどろもどろになったりしてはいけません。これは、あなたの計画性や覚悟を試すための「圧力テスト」です。

NGな回答例:

  • 「給料が安くて貯金できませんでした」
  • 「すぐにでも開業したかったので…」

OKな回答例: 

  • 「はい、現金での自己資金は十分ではありません。その理由は、給料の多くを、開業に必要なスキルアップ(調理学校の学費や有名店での食べ歩きなど)と、今回の事業計画の精度を上げるための市場調査に投資してきたためです。こちらの資料がその調査結果ですが…」

このように、自己資金がないことを単なるネガティブ要素ではなく、「より重要なものに投資してきた結果」としてポジティブに転換し、その証拠を具体的に示すことができれば、担当者の見る目は大きく変わります。


【第5章のまとめ】
優れた事業計画書は、明確なコンセプトと、根拠のある数値計画から成り立ちます。特に自己資金が少ない場合は、計画の緻密さがあなたの信用を担保します。「なぜ資金がないのか」という問いにも、前向きなストーリーで答えられるよう準備しておきましょう。


第6章. 保健所・消防・税務の必須手続き完全ガイド

どんなに素晴らしいコンセプトと完璧な資金調達計画があっても、法的に必要な手続きをクリアしなければ、あなたの飲食店はオープンできません。手続きの漏れは、開業日の遅延に直結し、無駄な家賃だけが発生する悪夢のような事態を招きます。この章では、最低限押さえておくべき必須手続きを網羅的に解説します。

6-1. 「食品衛生責任者」と「防火管理者」

飲食店開業において、まず最初に取得すべき2つの重要資格があります。これらの資格者が店舗にいないと、保健所の営業許可申請すら受理されません。

  • 食品衛生責任者:
    各店舗に1名以上の配置が法律で義務付けられています。各都道府県の食品衛生協会が実施する講習会(1日程度)を受講すれば取得できます。調理師や栄養士の免許があれば、講習は免除されます。講習会は定員があり、すぐに埋まってしまうことも多いため、開業を決めたら真っ先に申し込むべき手続きです。
  • 防火管理者:
    店舗の収容人数が30人以上の場合(従業員含む)、選任が義務付けられています。建物の規模に応じて甲種または乙種の講習(1~2日)を受講します。火を扱う飲食店にとって防火対策は最重要課題の一つ。管轄の消防署に相談すれば、自分の店舗に必要な資格の種類を教えてくれます。

失敗談:手続きの遅れで家賃を無駄に…

 「近所の先輩オーナーの話ですが、内装工事が終わる直前に食品衛生責任者の資格が必要なことを知ったそうです。急いで申し込もうとしたら、一番近い日程の講習会は1ヶ月先まで満席。結局、開業が1ヶ月遅れ、その間の家賃20万円が丸々無駄になってしまったと嘆いていました。」

6-2. 保健所・警察・消防署・税務署|届け出先と提出書類一覧

資格を取得したら、いよいよ各役所への届け出です。提出先が多くて混乱しがちですが、一つずつ着実にクリアしていきましょう。

保健所関連

  • 営業許可申請: 店舗完成の10日~2週間前には、図面などを持って事前相談に行くとスムーズ。施設の基準を満たしているか実地検査を受けた後、許可証が交付されます。

消防署関連

  • 防火管理者選任届出書: 防火管理者を選任したら遅滞なく提出。
  • 防火対象物使用開始届出書: 工事開始の7日前までに提出。
  • 火を使用する設備等の設置届: 厨房設備などを設置する際に必要。

警察署関連

  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書: 深夜0時以降にお酒を提供する場合に必要。風俗営業ではないので「許可」ではなく「届出」です。

税務署・その他

  • 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届): 事業開始から1ヶ月以内に税務署へ提出。青色申告承認申請書も同時に出すのがおすすめです。
  • 労働保険・社会保険の手続き: 従業員を1人でも雇用する場合は必須です。

これらの手続きは、内装工事の計画と並行して進めるのが効率的です。何から手をつければいいか分からなければ、まずは管轄の保健所や消防署に電話で相談してみましょう。


【第6章のまとめ】
飲食店の開業には、保健所、消防署、警察署、税務署など、多くの行政手続きが必要です。「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格取得を最優先で行い、工事のスケジュールと並行して各種届出を進めることで、スムーズなオープンを目指しましょう。

第7章. 自己資金なしの開業でよくある落とし穴と対策Q&A

ここまで読み進めていただいたあなたは、自己資金なしやゼロに近い方の飲食店開業が、決して夢物語ではないことを理解されたはずです。しかし、道中には数多くの落とし穴が潜んでいます。この章では、多くの創業者が抱く疑問や不安に、Q&A形式で具体的にお答えします。先人たちの失敗から学び、賢くリスクを回避しましょう。

7-1. Q. フランチャイズでよくある「開業費ゼロ」は本当?

A. 完全なゼロはほぼありません。加盟金がなくても、保証金や高額なロイヤリティが必要な場合がほとんどです。初期費用だけでなく、毎月の支払いを含めた総額で判断することが重要です。

フランチャイズ開業の仕組みや費用感を知っておくと、ゼロ開業の現実がより明確に理解できます。詳しくは『飲食店のフランチャイズ開業のすべて!儲かる仕組みから成功の秘訣まで大公開!』の記事で解説しています。

7-2. Q. 融資審査に一度落ちたら、もう受けられませんか?

A. 終わりではありません。不採択の理由を分析し、事業計画を改善すれば再申請は可能です。間借り営業などで実績を作ったり、専門家のアドバイスを受けたりして、弱点を克服してから再挑戦しましょう。

7-3. Q. 居抜き物件は安泰って聞いたことあるけど本当?

A. 安泰ではありません。引き継いだ設備がすぐに故障し、高額な修繕費用がかかるリスクがあります。内見時に設備の動作確認を徹底し、修繕義務の所在を契約書で必ず確認してください。

7-4. Q. カードローンで設備資金を賄うのはアリ?

A. 緊急時のつなぎ資金としてはアリですが、主力にするのは危険です。年利15%前後と高金利なため、長期利用は経営を圧迫します。可能な限り、低金利な公的融資を優先すべきです。

7-5. Q. 親族や友人からの支援はトラブルになりやすい?

A. 口約束はトラブルの元です。どんなに親しい間柄でも、必ず借用書を作成しましょう。借入額、返済計画、利息の有無を明文化することが、後の人間関係を守るために不可欠です。

7-6. Q. 自己資金なしで失敗する一番の原因は?

A. ほぼ全てのケースで「運転資金の枯渇」が原因です。開業後の売上が安定するまでの赤字期間を耐える資金がないと、仕入れや家賃が払えなくなり、黒字倒産に至ってしまいます。

第8章. 自己資金なしでもできる!あなたの夢を叶えるための「次の一歩」

ここまで、自己資金なしでの飲食店開業をするための具体的な方法と現実的なリスクについて解説してきました。一筋縄ではいかない厳しい道のりであることは事実です。しかし、正しい知識と緻密な戦略、そして何よりも「絶対に成功させる」という強い情熱があれば、あなたの夢は決して手の届かないものではありません。

自己資金がゼロに近いということは、裏を返せば「失うものが少ない」ということでもあります。大きな借金を背負って大規模な店舗を構えるのではなく、まずは間借りやキッチンカーで「小さく始める」。そこで得た経験と実績、そして資金を元手に、少しずつ事業を拡大していく。この「スモールスタート」こそが、自己資金なしで開業する際の最も賢明な戦略です。

大規模な投資ができないからこそ、SNSを駆使した集客や、地域との連携といった、お金をかけない知恵が生まれます。制約は、時としてイノベーションの母となるのです。

低予算で集客するには、ブログも大きな武器になります。その活用方法は『飲食店のブログ集客の方法を大公開!来店や売上に繋げる上手な活用方法!』の記事を参考にしてみてください。

この記事を読んで、「自分にもできるかもしれない」と少しでも感じていただけたなら、ぜひ今日から「次の一歩」を踏み出してください。

今日から始めるアクションプラン

STEP
コンセプトを書き出す

 まずは紙とペンを用意し、「誰に、何を、どうやって提供したいか」を自由に書き出してみましょう。(下のリンクから「コンセプト設計シート」をダウンロードできます)

STEP
地元の商工会議所に電話する 

「飲食店を創業したいのですが、どんな制度がありますか?」と相談するだけで、有益な情報が得られます。

STEP
理想のエリアを歩いてみる

開業したい街を実際に歩き、どんな人がいて、どんな店が繁盛しているかを自分の目で確かめてみましょう。

最初の一歩は、ほんの小さなアクションで構いません。しかし、その一歩が、あなたの夢を現実へと動かす原動力になります。この記事が、そのための確かな羅針盤となることを心から願っています。

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この記事を書いた人

鵜飼 あきひろのアバター 鵜飼 あきひろ 株式会社Grill 取締役/店舗経営・集客コンサルタント

2014年にオイシックス株式会社で海外事業を担当後、香港・中国現地法人の社長に就任。
2017年に起業した株式会社Emooveでは代表として事業を成長させ売却・EXIT。
現在は株式会社Grillの取締役COOとして複数の飲食店舗を経営する傍ら、現場目線で成果の出る集客支援に取り組んでいる。
豊富な実践経験と経営視点を活かし、小さなお店の“ファンづくり”をサポートするのが信条。

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