居酒屋で効果の高い集客方法を総まとめ!成功事例と失敗しないための注意点も!

居酒屋で効果の高い集客方法を総まとめ!成功事例と失敗しないための注意点も!
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目次

第1章. どうして集まらない?居酒屋の集客が低迷する典型パターン

どうして集まらない?居酒屋の集客が低迷する典型パターン

1-1. 駅近でも見過ごされる立地の罠

居酒屋は「駅から徒歩3分」の好立地でも、人通りの流れや看板の見え方次第で新規顧客に気付いてもらえないケースが少なくありません。表通りや改札口から少し外れただけで、想像以上に視線が届かないのです。通り沿いの看板を出していない、ビルの上層階で存在感が薄いなど、立地が活かしきれていない場合には、早急な改善が必要になります。

たとえば、飲み会の場所を探す際、多くの人がスマホで検索しながら周辺を歩くことも増えました。Googleビジネスプロフィールの登録や地図上の看板写真の掲載はもちろん、リアルな看板やポスターなどオフラインの集客ツールを複数配置することで、初めて「ここに居酒屋があるんだ」と気づいてもらえる流れができます。

駅近でもスルーされがちな店舗は、看板や外観で“目に留まる工夫”をしたいところ。具体策は『集客が増える店舗の入口とは?入りたくなる飲食店の外観の特徴や共通点を徹底解説!』の記事で紹介しています。


1-2. 照明・内装・接客の温度感がズレる居心地の悪さ

居酒屋は、会社の同僚や友人同士で気軽に集まる憩いの場です。しかし、照明が暗すぎたり、逆に明るすぎて落ち着かない、テーブル間隔が狭い、スタッフの接客が事務的すぎるなど、わずかなズレが「居心地の悪さ」を生んでしまいます。一度不快な印象を受けると、「もう一度行きたい」と思ってもらうのは難しくなるため、内装や接客の質を見直すことが大切です。

照明は演出と実用性のバランスが要。宴会利用が多い居酒屋の場合、明るめの照明で手元が見やすいほうが料理を楽しめます。個室でしっとり飲む雰囲気を売りにするなら間接照明多め、スタッフは声かけの頻度を控えめにするなど、ターゲットやコンセプトに合わせた空間設計が欠かせません。


1-3. 口コミ・ネットを軽視して「自然来店待ち」だけに頼る

「繁華街だから、いずれお客さんが入るだろう」と考えて、集客施策を何も打たずに放置していると、ネット社会の今では簡単に埋もれてしまいます。多くの人は、食べログやホットペッパーといったポータルサイトだけでなく、SNSやGoogleで事前情報をチェックしたうえでお店を選ぶようになりました。

口コミ評価に無関心だと、もし低評価コメントが放置されている場合、新規顧客は「ここ、あまり良くないのかな…」と避ける可能性があります。逆に言えば、適切なフォローや返信を行い、悪い評価がついても改善策をPRすれば「対応が丁寧なお店」として好印象につながるケースもあるのです。

SNSやグルメサイトの口コミ対応に不安がある方は、『口コミへの効果的な返信方法とは?印象の良い例文やテンプレートを大公開!』で“印象が良くなる返信例”をチェックしてみてください。


第2章. 居酒屋の集客でもっとも重要なブランディング戦略

居酒屋の集客でもっとも重要なブランディング戦略

2-1. お店のテーマと世界観を言語化してスタッフと共有

「海鮮居酒屋なら新鮮な魚介をリーズナブルに」「和モダン個室居酒屋なら落ち着いた雰囲気と上質なサービス」など、明確なコンセプトを掲げると、ターゲットの共感を得やすくなります。スタッフ全員が同じテーマを意識して動くことで、メニュー提案や接客トーンに一貫性が生まれ、結果として口コミにおける評価も安定しやすくなります。

居酒屋は幅広い客層に利用される場ですが、それだけに「なんでもアリ」になりがち。明確な世界観がないまま運営すると、「特徴のない居酒屋」という印象を与えてしまいかねません。テーマと世界観を言語化したら、スタッフ間で共有し、どんなお客様にも同じメッセージが伝わるよう心がけましょう。


2-2. ターゲット別メニュー設計と価格帯の再点検

ターゲットを定めると、メニューや価格設定が自ずと見えてきます。たとえば、仕事帰りのサラリーマンが主な客層なら「ちょい飲みセット」や「立ち飲みスペース」で気軽に立ち寄れる仕組みを。若年層や大学生が多い立地なら、SNS映えするビジュアル系メニューや学割プランが効果的です。

筆者の実践談:ターゲティングと施策

以前、私が立ち上げた居酒屋は30代女性グループを主要ターゲットに据え、彩り豊かなサラダやフルーツをふんだんに使ったサワー系ドリンクを強化しました。価格は1杯500円前後と控えめながら、写真映えする盛りつけにこだわることでSNSに自然と投稿されるようになり、初期の集客数を2倍に伸ばせた経験があります。

価格帯も重要な要素です。高すぎると敬遠され、安すぎると「質が低いのでは?」と疑念を持たれるリスクがあります。まずは近隣の競合状況をリサーチし、売りたい商品に見合った適正価格を設定しましょう。


2-3. 外観・内装にもストーリーを持たせる

居酒屋は食事とお酒を楽しむ場所であるだけでなく、リラックスしたいという“体験”を提供する場でもあります。入り口扉のデザインや店名ロゴ、内装装飾など、店舗全体の雰囲気づくりにストーリーを感じさせると、「ここは他と違う」と印象づけることが可能です。

例えば、和モダンをテーマにするなら、照明は木目調のランプや行灯を採用し、店内BGMも静かな和楽器サウンドを流すなど、世界観の統一が必要です。入店前の数メートルで視線を引きつける外観看板にも“和の要素”を盛り込み、お店のコンセプトを一目で伝えられるよう工夫しましょう。

お店の魅力を一言で伝えるための「ブランドのつくり方」は、『飲食店がやるべきブランディングとは?成功事例から学ぶ店舗の差別化戦略を徹底解説!』のガイドでも詳しく解説しています。


2-4. 「何を期待できるか」を明確化した看板・キャッチコピー

外観やネット検索でまず目にするのが、店頭看板やポータルサイトのタイトル、SNSのプロフィールページです。ここに「新鮮な地魚と日本酒の専門店」「個室完備の大人居酒屋」など、具体的な強みや世界観を謳ったキャッチコピーを入れておくと、潜在顧客が「自分が求めているお店かも」と感じやすくなります。

特に通りがかりの新規客を呼びたい場合、駅や繁華街からの導線上にある看板が勝負所になります。たとえ立地が良くても、店名と「営業中」の文字だけではなかなか興味を引けません。大きな文字で「鮮魚が半額になる日あり!」「全席掘りごたつ個室で宴会OK!」など、具体的なメリットを伝えましょう。

顧客の興味を一瞬でつかむキャッチコピーの作り方を、『飲食店の集客に効果的なキャッチコピーの作り方!具体的な考え方から成功事例まで徹底解説!』の記事で具体的にご紹介しています。


第3章. 地元に愛される!オフラインでの居酒屋の集客術5選!

3-1. 駅前の看板・ポスターと連動したクーポン施策

居酒屋集客のオフライン施策として、鉄板ともいえるのが駅前の看板やポスター広告です。特に帰宅客や飲み会を探している人に向けて、終電や乗り換えが多い駅近くにクーポン情報を添えた看板を設置しておくと、「じゃあここ行ってみようか」とダイレクトに誘導できます。

クーポンコードを付けると回収率を測定できるため、どのくらいの利用数があったかを定量的に把握しやすいのもメリット。「駅前ポスターを見た方限定」「QRコード読み取りでドリンク1杯無料」など、一目で得だと分かる内容にしましょう。


3-2. チラシポスティング×近隣企業への法人プラン提案

オフィス街やビジネス街に店舗を構える場合、会社員の宴会や打ち上げニーズを取り込むのが大きなポイントです。近隣の企業にチラシをポスティングし、「法人限定プラン」「〇〇名以上で幹事1名無料」といった特典を打ち出せば、宴会の企画担当者の目を引きやすくなります。

さらに、以前利用した会社の担当者に「また利用してみませんか?」とアプローチできるよう、名刺交換やメール登録を促す仕掛けをしておくと、次回以降のリピーターがスムーズに集まりやすいです。特に忘年会シーズンや新年会シーズンなどは大口予約が増えるため、早めに周知しておけば競合に先んじることができます。

オフィス街での集客には「配り方」にコツがあります。効果的なチラシ施策をまとめたは『飲食店がチラシで集客するには?効果の出るデザインの作成方法と配布のコツを大公開!』。


3-3. 地域イベント・祭りへの積極参加でローカル知名度UP

地域イベント・祭りへの積極参加でローカル知名度UP

地元の祭りや商店街のイベントに参加し、屋台を出店したり限定メニューを提供すると、「あ、あの居酒屋さんだ」と認知が深まります。通常、居酒屋を利用しない層や家族連れにも、お店の看板や味を知ってもらえるチャンスです。

地域密着型居酒屋としては、顔を出すだけでもコミュニティと繋がりができ、商店街関係者や他店舗オーナーとのネットワークが広がる利点があります。のちのち「イベントの打ち上げ会場をウチでやってもらう」など、追加の売上チャンスが生まれることも珍しくありません。


3-4. 顧客紹介キャンペーンと“お裾分け”文化の活用

来店したお客様が友人や同僚を誘ってくれるよう、紹介キャンペーンを実施するのも有効です。具体的には「紹介者がいる場合、1ドリンクサービス」「2人連れてきたら次回使える1,000円引きクーポン」といった仕組みを設定します。

さらに居酒屋らしい“お裾分け文化”を活かし、2〜3人で来店しているグループに対して「少し多めに盛りつけておきました」などの気配りを見せると、「また別の人を連れて来よう」という気持ちになりやすいです。好意的なサプライズでリピーターと新規客を同時に増やせる施策といえます。


3-5. フリーペーパーや雑誌特集の活用

SNSや検索だけでなく、フリーペーパーや地域雑誌、グルメ特集を通じて知名度を上げる方法も根強い効果があります。紙媒体は年齢層の高い読者やインターネットをあまり使わない人にもリーチできるため、顧客幅を広げるのに役立ちます。

掲載に費用がかかる場合も多いですが、雑誌の取材枠や地域情報誌の無料コーナーに載せてもらうために、地元とのコラボ企画や名物メニューをアピールしてみるのも良い手です。掲載後は、紙面を店頭やSNSで紹介し“掲載店”としての信頼感を高めることも意識しましょう。


第4章. 居酒屋でできるオンラインの効果的な集客施策5選!

居酒屋のオンライン集客施策

4-1. Instagramで映える料理写真とストーリーズ配信

居酒屋のオンライン集客において、写真や動画といった“ビジュアル”のインパクトは絶大です。特にInstagramは若年層から30代の利用者が多く、「どこでご飯を食べようかな?」と探す際にも参照されやすいプラットフォーム。写真や短い動画、ストーリーズ機能などを活用し、居酒屋の“美味しそう”と“楽しそう”を直感的に訴求できます。

写真・ストーリーズ活用のポイント

  • 料理の映え方を意識
    刺身の色合いや盛り付け、こだわりの一品料理を、明るく見やすい角度で撮影。照明の演出や器のデザインにも気を配ると「写真を撮りたくなる料理だな」と思ってもらいやすい。
  • 店内の雰囲気を切り取る
    カウンターの様子、個室の内装、スタッフが笑顔で接客している場面など、ユーザーが“行ってみたい”と感じるストーリーを入れる。
  • ストーリーズで臨場感UP
    24時間で消えるストーリーズは「今この瞬間」を伝えるのに最適。限定メニューの仕込み映像や当日の混雑状況など、リアルタイム性を演出するとフォロワーが飽きずに見続けてくれる。

筆者の経験談:居酒屋チェーンでの集客実践

都内の居酒屋チェーンを担当していた頃、Instagramのストーリーズで「本日限定の日本酒入荷!」と告知したところ、わずか数時間で15人以上の問い合わせがあったことがあります。そのまま来店につながるケースが多く、「今日行かなきゃ!」と感じさせる一言が効果的だと実感しました。


4-2. Googleビジネスプロフィールで「駅名+居酒屋」検索を制する

オンライン集客では「Googleビジネスプロフィール(以下GBP)」を活用したMEO(Map Engine Optimization)対策が欠かせません。検索エンジンで「○○駅 居酒屋」と入力するユーザーは、まさに今すぐ近隣で飲めるお店を探している見込み客の可能性が高いからです。

GBPを充実させるコツ

  • 基本情報を最新に更新
    店名、住所、電話番号、営業時間や定休日など、間違いや古い情報がないよう常にチェック。定休日変更や臨時休業があれば即座に反映する。
  • 写真の投稿と管理
    外観、内観、メニュー写真を複数枚登録することで、ユーザーがイメージしやすくなる。暗い写真や画質の悪い写真を掲載すると逆効果なので注意。
  • 口コミへの真摯な返信
    良い評価・悪い評価ともに早めに返信する。特に低評価を放置すると「対応が悪い店かも」と思われるリスク大。丁寧な謝罪や改善策の提示で印象を大きく挽回できる。

具体的な成功例:投稿内容と口コミ返信

私がコンサルを担当した店舗では、GBPへの写真投稿を週1回ペースで行い、投稿内容にも「今週限定の一品」「〇〇産の食材を使った特別メニュー」などを盛り込みました。併せて、口コミ返信を徹底した結果、マップ検索時に表示順位が上がり、月間新規来店が1.5倍ほど増えたのです。


4-3. X(旧Twitter)×Facebookで拡散とビジネス層アプローチ

Instagramほどビジュアル推しではなくとも、X(旧Twitter)とFacebookも居酒屋集客には有効なツール。特にFacebookはビジネス層、Xは速報性と拡散力に強みがあります。

SNSごとの集客ポイントを一気に把握したい方には、『【2025年最新版】飲食店のSNS運用完全攻略!店舗集客に効果のある活用術を徹底解説!』の総合ガイドがおすすめです。

  • Facebook
    30〜50代の社会人にリーチしやすく、企業ページやコミュニティが活発。イベント告知や宴会プランの紹介を行い、社員グループやコミュニティにシェアされれば、一気に知名度を伸ばせます。
  • X(旧Twitter)
    短文で最新情報をポンと出せるプラットフォーム。期間限定割引や当日の空席情報をこまめに発信すると、「今から行けるお店」を探している層に刺さります。リツイートされると認知度が一気に広がるチャンスも。

投稿タイミング:居酒屋の最適タイミング

平日の夕方〜夜にかけて「今夜はどこで飲もうかな」というタイミングで投稿すると、そのまま来店につながりやすい傾向があります。逆に早朝や深夜の投稿は見られにくいことが多いため、居酒屋という業態に合わせて曜日や時間帯を最適化しましょう。


4-4. リスティング広告とSNS広告でピンポイント集客

自然検索やSNS投稿だけでは見込み客に届きにくい場合、リスティング広告やSNS広告を検討するのも手。たとえばGoogle検索広告なら「駅名+宴会」「居酒屋+個室+飲み放題」など、明確なキーワードで上位表示を狙えるため、即効性が高まります。

メリット・デメリット

  • メリット
    • 短期間で集客効果を出しやすい
    • ターゲットの年齢・地域・興味関心など細かく絞れる(SNS広告の場合)
  • デメリット
    • 広告費がかかり続けるため、長期的にはコスト負担大
    • クリエイティブや文言を改善しないと集客効率が下がりやすい

一度広告を出稿して終わりではなく、どのキーワードで何件のクリックがあったか、クリックした人がどのくらい実際に予約を入れたかなど、効果測定を行いながら修正を加えていくことが重要です。


4-5. 予約サイト・ポータルサイトで口コミ&写真を強化

食べログ、ホットペッパー、ぐるなびなど、主要飲食ポータルサイトへの掲載は多くの居酒屋にとって“当たり前”ですが、写真や口コミ対応を放置している店舗も少なくありません。ここを丁寧に行うだけで「掲載しているのに集客できない…」という悩みから一歩抜け出せます

  • メニューや店内写真を随時アップデート
    季節メニューや新しい個室の写真など、目新しい情報があるとページを開く人が増え、予約率向上にも繋がります。
  • 口コミへの返信は誠実に
    悪い口コミには原因究明や改善策を記載し、良い口コミにはお礼を。どちらにしても、見ている他のユーザーに好印象を与えられます。

第5章. オンラインとオフラインを掛け合わせた居酒屋のおすすめ集客アイデア

5-1. LINE公式アカウント×スタンプカードで「また行きたくなる」動機づくり

新規顧客を呼ぶ施策ばかりに目を向けていると、せっかく来店してくれたお客様が一度きりで終わってしまうケースも多々あります。居酒屋における安定経営にはリピーターの存在が不可欠。そこで効果的なのが、LINE公式アカウントと紙orデジタルのスタンプカードを組み合わせた仕組みづくりです。

  • LINE公式アカウントの活用
    来店時に「お友達追加で次回ドリンク1杯無料」など特典を設けて登録を誘導。新メニューや期間限定イベントなどを送るとき、プッシュ通知で直接ユーザーに届きます。
  • スタンプカードの運用
    紙のスタンプカードでも、デジタルのアプリでも構いません。スタンプが貯まると1品サービス、もしくは宴会コース割引など、再来店の動機になる仕掛けを提示します。

効果が上がりやすい理由

お客様のスマホのLINE画面に直接お店の情報が入るため、「週末はここで飲もうかな」と思い出してもらいやすい。また、スタンプがあと1個で貯まるとなれば、意識的に「もう一度行って貯めよう」という動きが生まれるのです。


5-2. 週替わりイベントや季節限定企画で“飽きさせない”

週替わりイベントや季節限定企画で“飽きさせない”

居酒屋は常にお客様が新鮮な体験を求める場所です。毎回同じメニューと同じ雰囲気だけでは飽きられてしまう恐れがあります。そこで“何度来ても楽しめる仕掛け”として効果的なのが、週替わりイベントや季節限定企画。

  • 週替わりイベントの例
    • 金曜は焼酎テイスティングDAY
    • 水曜はレディースデーでデザート半額
    • 特定曜日はライブ演奏(アコースティックギターや和太鼓など)
  • 季節限定メニューの例
    • 春の旬食材フェア
    • 夏祭り風の屋台メニュー(かき氷や炙りスルメ)
    • 秋の新酒・ボジョレーヌーボー解禁イベント

このようにバリエーションを出すことで「今度はいつ行こうかな?」「次はどんな企画をやってるんだろう」とリピーターのモチベーションを維持できます。


5-3. DM・メール・SNSメッセージで“適切な頻度”の情報提供

リピーターやメルマガ登録してくれた顧客に対して、定期的に新情報を届けるのは有効ですが、「あまりに頻度が多すぎるとウザがられる」という落とし穴があります。特に居酒屋の場合、毎日のようにクーポンメールやSNSメッセージを送ると逆効果になりやすいです。

  • 月1〜2回が目安
    イベントや季節メニューが変わるタイミングで告知を行うぐらいがちょうど良い。誕生日など特別なタイミングがわかるなら、その際に限定クーポンを送る。
  • 文面は短く・要点を絞る
    せっかく送るなら、新メニューの写真やキャンペーンの一言など視覚的に伝わりやすい情報が好まれます。長文説明よりも、「こんな新メニューあります→詳しくはURL」の方が反応が良いことが多いです。

5-4. 店内接客で“また来たい”と思わせる一言を添える

オンラインやDMの施策も大事ですが、最も効果的なのはやはり店内でのスタッフによる直接的なコミュニケーションです。お会計時や帰り際に「次回はこんなイベントやりますので、もしよかったらまた寄ってくださいね」と笑顔で一声かけるだけでも、心理的な距離が縮まります。

短いやりとりの例

  • 「来週から秋限定メニューが始まるんですよ。〇〇さん好みの日本酒も入る予定です」
  • 「月末は予約が埋まりやすいので、もし日程決まってたらお席押さえましょうか?」

こうしたさりげない提案で、“また行くかも”から“やっぱり行こう”に変わりやすくなるのです。


第6章. 成功と失敗から学ぶ!居酒屋のリアルな集客事例をご紹介

成功と失敗から学ぶ!居酒屋のリアルな集客事例紹介

6-1. 地方居酒屋オーナーの成功体験:テーマ特化×丁寧な口コミ対応

地方の小さな街で「地元産の魚介料理」をウリにする居酒屋を営むオーナーの話です。最初は漠然とした居酒屋を運営していたため、集客が思うように伸びなかったそう。しかしテーマを「魚介」に絞り込み、内装も漁港のイメージに一新し、SNSやポータルサイトでも「新鮮な地元魚介を味わうならココ!」と大きく打ち出しました。

口コミがついたら即日返信を心がけ、もし低評価があっても「どのように感じられたのか、詳しく教えていただけると助かります」など誠実な対応を徹底。地元のイベントにも顔を出して無料試食を配るなど“見える活動”を増やした結果、1年で客数が約1.7倍に増加。現在は週末の予約が取りにくい人気店へと成長しています。


6-2. 都心の大型居酒屋での失敗談:ターゲットを欲張りすぎた結果

一方、都心の繁華街に大型居酒屋をオープンしたあるオーナーは、「とにかく何でもやろう」と和食・洋食・中華など幅広いメニューを扱い、店舗面積の大半を宴会席に割いていました。一見すると多彩なメニューで集客力がありそうですが、実際には「何の店かよくわからない」「居酒屋なのにパスタやラーメンがメイン?」「せっかく大人数で行っても、味が中途半端」といった評判が立ち、リピーター化が進まず赤字が拡大。

メニューの多さゆえに仕入れコストや在庫ロスも増え、人手不足でキッチンが回らない状態に陥ったため、大幅なリニューアルを余儀なくされました。欲張って全部取り込もうとすると、どっちつかずの店になるという典型例といえます。


6-3. リピーター50%超えの秘密:店主自ら呼びかける“次回予告”

地方都市で30年近く続く老舗居酒屋の店主は、リピーター率が50%を超えるといいます。秘訣は「お客様への一言声かけ」。常連・新規問わず、お会計の際に「来週は○○県の地酒フェアをやるから、よかったら顔出してよ」とか「誕生日が近い人いたら言ってね。ささやかだけどサービスがあるから」とサラリと言い添えるのです。

初めての人でも「また来ようかな」と思うきっかけになり、実際にその予定が決まると店主に「来週、予約したいんだけど」と電話が入ることもしばしば。店の雰囲気自体にどこか“アットホーム感”が根づき、常連客同士が顔見知りになって和気あいあいとした空気を作っています。


第7章. 居酒屋の集客に関してよくある質問

7-1. Q:「飲み放題プランを安く設定すれば集客できる?」

A:一時的に集客は見込めるが、利益率の低下や“安売り店”のイメージが定着してしまうリスクがあります。飲み放題プランは、料理単価とのバランスが重要です。あまりに安すぎると、原価が高騰して赤字になる可能性も。常に数字を試算し、適切な価格帯を設定しましょう。


7-2. Q:「口コミが荒れてしまったらどうする?」

A:ネガティブ口コミがついても、放置は厳禁。まずは低評価の内容を確認し、事実誤認がないかチェック。もしお客様が感じた不満が正当なものであれば、丁寧に謝罪し、改善策を伝えます。誠意のある対応を見せれば、「次は良くなっているかも」と思うユーザーも増え、逆に評価が好転する可能性があります。


7-3. Q:「スタッフを増やせばサービスの質が上がる?」

A:人数を増やしただけでは、必ずしもサービス品質は向上しません。むしろ、教育不足のスタッフが増えるとクレームが増加することも。接客マニュアルの整備やスタッフ同士の連携、研修プログラムなどを作り込むほうが、少人数でも高水準のサービスを維持できます。

サービス品質を上げるには、“誰が接客しても心地よい”状態が理想です。新人育成の方法は『飲食店の新人教育の完全マニュアル!店舗スタッフに必要な接客や仕事の研修方法を徹底解説!』。


7-4. Q:「高級感を演出すれば客単価は自動的にアップ?」

A:照明や内装を豪華にしても、料理や接客が伴わなければ「高いだけの店」と思われてしまいます。高級路線にするならトータルでレベルを上げる必要があり、調理技術や仕入れの質も妥協できません。値段以上の体験を提供できてこそ、高級居酒屋としての評価が定着します。


7-5. Q:「SNS映えだけ意識すれば若者は来る?」

A:確かにSNS映えは若年層を集める強力な要素。しかし「見た目だけで味がイマイチ」「雰囲気はいいが接客は雑」ではリピートが期待できません。SNSで話題化するためには、ビジュアルと同時に満足度・独自性が伴うことが欠かせません。


7-6. Q:「大手ポータルサイトに載せれば一安心?」

A:ポータルサイトに掲載するだけで終わらせるのはもったいないです。こまめな情報更新、口コミへの返信、期間限定メニューの投稿などを怠らないことが大切。掲載費をかけていても、更新が滞ると検索順位が下がり、「存在していても見つけられない店」になってしまいます。


第8章. まずは低コストから居酒屋の集客を始めてみよう!

居酒屋の集客は、まず無料または低コストで始められる施策(Googleビジネスプロフィールの充実化やSNS投稿など)を優先し、小さな成功体験を積みながら効果を検証していくことが重要です。その後、ポータルサイトの上位プランやリスティング広告への投資を検討し、集客チャネルを拡大していきましょう。最終的にはLINE公式アカウントやポイントカードを活用したリピーター施策を強化し、常連客との関係性を育むことで売上を安定化します。

あわせてスタッフのモチベーション管理と地域連携を意識すれば、激戦区の中でも独自の存在感を示す居酒屋へと成長可能です。実行と検証を繰り返しながら、自店舗に最適な集客モデルを構築することが、長期的な繁盛につながります。特に繁華街や競合店がひしめく地域では、地道な取り組みの積み重ねが最終的にブランド力の向上に直結し、常連客が支える強い経営基盤を築けるでしょう。

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この記事を書いた人

鵜飼 あきひろのアバター 鵜飼 あきひろ 株式会社Grill 取締役/店舗経営・集客コンサルタント

2014年にオイシックス株式会社で海外事業を担当後、香港・中国現地法人の社長に就任。
2017年に起業した株式会社Emooveでは代表として事業を成長させ売却・EXIT。
現在は株式会社Grillの取締役COOとして複数の飲食店舗を経営する傍ら、現場目線で成果の出る集客支援に取り組んでいる。
豊富な実践経験と経営視点を活かし、小さなお店の“ファンづくり”をサポートするのが信条。

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