飲食店のポスティング成功完全ガイド!最も集客効果が高い方法を大公開!

飲食店のポスティング成功完全ガイド!最も集客効果が高い方法を大公開!
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目次

1章. ポスティングとは何か?飲食店が注目すべき理由

ポスティングとは何か?飲食店が注目すべき理由

1-1. ポスティングの基本と集客効果

ポスティングとは、チラシやパンフレットなどの広告物を特定のエリアや世帯に直接配布していく方法のことです。新聞折込やSNS広告と異なり、広告枠の争奪や他社の広告との混在が比較的少ないため、受け手の目に留まりやすいという特徴があります。飲食店にとっては、周辺地域の住民をターゲットにできるため、新規客の来店を促す上で大きな効果を発揮しやすいと言えるでしょう。

そもそも、“ポストに直接投函するだけで本当に反響があるのか?”という疑問を持つ方もいるかもしれません。確かに、万人に必ず見てもらえるわけではありませんが、新聞を取らない家庭やWeb広告に触れない世帯にアプローチできるのがポスティング最大のメリットです。特に地元周辺の店舗を探している潜在顧客にとっては、チラシが直接手元に届くことで「この店が近くにあるんだ」「クーポンが付いているなら行ってみよう」という興味を喚起できます。

また、ポスティングは単に“紙を撒くだけ”ではなく、チラシデザイン作成段階でどのように魅力を伝えるかによって、受け取った人への訴求力が大きく変わるのもポイントです。たとえば、料理写真を大きく使い、わかりやすいクーポンを付ければ、実際の来店率が上がる可能性があります。このように、ポスティングは低コストでターゲットに刺さりやすい手法として注目を集めています。

チラシ作成のポイントは、『飲食店がチラシで集客するには?本当に効果のあるデザインを作成するコツを大公開!』の記事でも詳しく解説しています。

1-2. 飲食店やカフェとポスティングの相性

飲食店やカフェとポスティングの相性

飲食店やカフェにとって大切なのは、やはり店舗周辺の住民との接点を増やすことです。外食産業では、半径500m〜1km程度のエリアからの集客が売上を大きく左右するケースが多々あります。そこで効果を発揮するのが、細かな地域にまで直接配布できるポスティングなのです。

たとえば、SNSでの広告配信は興味や属性を絞ったアプローチが可能ですが、実際に店舗から遠い人まで含まれることも少なくありません。一方、ポスティングならあえて徒歩圏内や車で数分圏内の世帯のみに配布範囲を限定できますから、“家の近くだから仕事帰りに立ち寄ろう”“テイクアウトならすぐ取りに行ける”といったリアルな動機づけを生みやすいわけです。

また、ポスティングのメリットとして、ターゲットの嗜好に合わせて広告を組める点が挙げられます。ファミリー層向けに子育て世帯の多いエリアを重点的に攻めたり、オフィス街の単身者や会社員をターゲットにする場合はランチ営業や宅配メニューのチラシを強化したりと、多様な戦略を取りやすいのです。さらに費用面でも、チラシのサイズや配布範囲を調整すれば、限られた予算で効果的な集客が見込めます。

近年はWeb上の情報過多により広告が埋もれがちですが、ポストに直接届いた物理的なチラシは手に取る確率が高いという点も見逃せません。カフェやレストランの季節限定メニューや、お得なドリンクサービスを含むクーポンを入れておけば、“目新しさ”と“お得感”を両立でき、クチコミにもつながりやすいでしょう。

1-3. 高級店・駅近でない店舗にも効果がある?

「ポスティングは大衆向けの宣伝手法」「高単価の店や地理的に不利な立地には向かないのでは?」と思う方もいるかもしれません。実は、このような店舗こそポスティングを上手に活用すれば、潜在顧客を獲得できる余地が大いにあります。

たとえば、高級志向のフレンチレストランや割烹などでは、地域の富裕層やグルメ層をターゲットにした訴求が効果的です。具体的には、チラシのデザインで店内の落ち着いた雰囲気や料理長のこだわりを伝え、特別な記念日向けのクーポンやコースメニューの案内を加えることで「一度は行ってみたい」「誕生日に予約してみよう」という反応を引き出します。

また、駅から離れている“陸の孤島”状態の飲食店も、周辺住民に“近いけれど行ったことがない”認知度不足を解消する手段としてポスティングを使えます。ポストに入ったチラシを見て初めて「こんな場所に店があったんだ」と知ってもらえれば、そこから来店につながる可能性は大いにあるのです。さらにリピーター促進を目的に期間限定メニューのお知らせを定期的に配布すれば、“しばらく足が遠のいていたお客さま”にも再度アプローチできます。

駅前のように人通りが多い立地と比べれば、確かに“発見”される機会は少なくなります。しかし、世帯数がそこそこ多い住宅街などでポスティングを実施すれば、そのメリットは非常に大きいでしょう。特に記念日需要やテイクアウト需要の高い店舗であれば、ポストに届くチラシはお客さまにとって貴重な“気付き”のきっかけとなり得ます。


2章. 飲食店がポスティングを行うメリット

飲食店がポスティングを行うメリット

2-1. 店舗周辺から新規見込み客を獲得しやすい

飲食店は、基本的に地元のお客さまの来店が大きなウエイトを占めるケースがほとんどです。たとえばラーメン店や居酒屋であれば、徒歩圏・自転車圏内の住民が主なターゲットになります。そこでポスティングを使うと、“お店の存在を知らなかった近隣住民”へ直接訴求できるのが大きな強みです。

さらに、ポスティングの配布エリアを細かく設定できることも利点です。新規開店時やメニュー刷新のタイミングでは、半径数百メートル〜1kmを中心に配布すると効率的です。一方、学生街やオフィス街など特定の客層が集中しているエリアを狙いたいときは、その地域だけを重点的に攻められるのもメリットでしょう。こうした緻密なエリアマーケティングにより、新規客の獲得率を高められます。

2-2. 低予算で費用対効果が高い

低予算で費用対効果が高い

広告媒体にはWeb広告、テレビCM、フリーペーパーへの掲載などさまざまな方法がありますが、いずれも一定のコストがかかります。特にテレビCMや大手情報サイトへの広告は、出稿費用が高額になるため、中小規模の飲食店が気軽に試すのは難しいかもしれません。

その点、ポスティングはチラシの印刷代と配布代行費を合わせても比較的安価で済むことが多く、広告のコストパフォーマンスを高めやすい手段です。1枚数円〜10円程度で印刷・配布できるケースも珍しくなく、自店のPRに大きな費用を割きにくい店舗でも取り入れやすいでしょう。

また、ポスティングでは“狙ったターゲットにだけ届ける”ことが可能なため、無駄な配布を減らせるのもポイントです。反応率(反響率)が高まれば、費用対効果がさらに向上します。クーポンを付けたチラシを配って回収率を測定することで“どれだけの人が広告を見て来店したか”を数値化できるのも、ポスティングならではの強みです。

2-3. 自店のみを効率よく宣伝できる

新聞折込やポータルサイトに広告を掲載すると、他社の広告に埋もれてしまうリスクは否めません。とくに大手チェーン店などが同じ紙面に載っていると、規模や宣伝力で劣る小規模店の広告はどうしても見落とされがちになります。

その点、単独のポスティングなら自店のチラシしかポストに投函されないため、読み手の目にしっかり留まりやすいメリットがあります。見込み客に対して“自分のお店だけ”をアピールできるのは非常に大きな強みです。マンションや一戸建てのポストに入っている広告物が1枚だけなら、それだけ注目度は高まります。

もちろん、複数の企業が合同でポスティングを実施する「セット配布」の形をとる場合もありますが、その場合でも新聞折込ほどの混在感は少ない傾向があります。特に、他の業種・業態と一緒にチラシを入れてもらうなら、競合が少なく済むケースが多いでしょう。いずれにしても、商圏内で“競合と並べられずにアピールできる場”が確保できるのがポスティングの魅力です。

2-4. 親近感やリピーター獲得につながる

飲食店は「近いし入りやすい」「ちょっと気になる」という心理的ハードルを下げておくことが大切です。ポスティングで直接自宅のポストに投函されたチラシを手にすると、受け手は「すぐ行ける距離なんだ」という実感を強く持ちます。これこそが集客における“心理的距離”を縮めるメリットです。

また、一度足を運んでくれたお客さまに対して“来店ありがとう”の気持ちを伝えるために、後日改めてクーポン付きのチラシを配布して「今度は●●がお得!」と訴求するのも効果的です。お店と顧客の接点を増やすことで親近感が育まれ、再び来店するきっかけを作りやすくなります。

さらに、地元密着型の店舗であれば、「毎回のようにチラシを配っているけど、実は地元の常連さんのためにこんな新メニューを作ったんだ」というストーリー性を伝えられます。こうした地道なアプローチが、“お店とお客さまの距離”を縮める大きな要因になるのです。

2-5. テイクアウトやデリバリーへの波及効果

コロナ禍以降、テイクアウトやデリバリーを導入する飲食店が増えました。ただ新サービスを始めても、既存客や地元住民にしっかり周知できなければ来店を増やすことは難しいでしょう。そんなときにもポスティングは活躍します。

たとえば、新たにデリバリーを開始したら「配達可能エリア」を記載したチラシを配り、すぐに注文・問い合わせにつなげます。また、テイクアウト専用メニューの写真を載せて、“待ち時間が短い”“特別割引がある”などの魅力をアピールすると、多忙な家庭や在宅勤務者からのニーズを獲得しやすくなるでしょう。特にマンションなど集合住宅が多いエリアでは、配布効率も高く、短時間で多数の潜在顧客へ情報を届けられます。

実際にテイクアウト・デリバリー注文が増えれば、店の売上アップに直結しますし、好評を博せば口コミとして広がる可能性もあります。結果的に“家で食べたらおいしかったから、今度はお店で食事してみよう”という流れを生み出すことも期待できるわけです。


3章. 飲食店がポスティングで得られる集客効果とは?

飲食店のポスティングで得られる具体的な効果

3-1. 来店促進と売上アップの仕組み

ポスティングで反響を得るためには、ただチラシを配るだけでなく“ターゲットが実際に行動したくなる仕掛け”を入れる必要があります。その代表例がクーポンの活用です。たとえば「このチラシを持参でドリンク1杯無料」「新メニューを注文するとデザートサービス」など、小さな特典でも十分にお客さまの興味を引くことができます。

また、少し高級な店舗なら「ディナーコースが10%OFF」や「誕生日・記念日にはグラスワインサービス」など、特別感のある訴求が有効です。実際にクーポンを使用して来店する人が増えれば、一時的な売上向上にとどまらず、評判が広まることでさらなる集客につながります。もちろん接客や料理の質が高ければリピーターが生まれる可能性も高まるため、後々の売上アップにも寄与するでしょう。

さらに、店内にポスティング用のチラシを置いておき、来店客に「お友達にも配ってもらえませんか?」と声をかける方法も効果的です。既存客がそのチラシを近隣の知人に渡せば、新たに“口コミ+チラシ”の二重効果が得られます。こうした小さな仕掛けの積み重ねが、長期的な売上アップに貢献していくのです。

そして、ポスティングから誘導した顧客をブログで補足する流れが相乗効果につながるため、『飲食店のブログ集客の方法を大公開!来店や売上に繋げる上手な活用方法!』も参考になります。

3-2. 駅近でなくても周知されるプロセス

駅から徒歩数分という好立地な飲食店は、自然と視認性が高く、人通りからの集客が期待できます。一方、駅近ではない“陸の孤島”状態のお店は、自力で認知度を高める仕掛けが欠かせません。ここでポスティングの出番です。

具体的には、周辺の住宅街にチラシ配布し、自店までの地図や営業時間、無料駐車場の有無などを記載しておきます。これにより、駅前に行かなくても車や自転車で行きやすいことをアピールできるわけです。特に、都市部でも少し外れたエリアに住む人にとっては「駅前まで出なくても近くにいいお店があった」という発見になり、来店意欲が高まります。

さらに、新メニュー導入や季節限定メニューのタイミングで定期的に配布を行うと、“あのお店、また面白そうなことしてるな”“そろそろ行ってみようかな”という気持ちを定期的に刺激できます。一度でも良い印象を持ってもらえれば、リピート客を増やすことも十分可能です。このように、地理的なハンディキャップを乗り越えるうえで、ポスティングは欠かせない方法の一つとなります。

3-3. 他の広告手法との比較

ポスティング以外にも、飲食店が活用できる集客策は多種多様です。たとえばWeb広告なら、SNSや検索エンジンを使って広域にリーチできます。口コミサイトへの登録やSEO対策を強化すれば、ネット経由での集客も見込めるでしょう。しかし、これらは必ずしも“地元の人”だけにアピールできるとは限らず、クリックや閲覧が多くても、実際の来店につながらなければ意味がありません。

一方、ポスティングは徒歩圏・自転車圏内など、エリアを細かく区切った上で直接宣伝できる特長があります。実際に手に取ってもらえる物理的な広告であるため、“チラシを見ながら家族で注文を検討する”“冷蔵庫や掲示板に貼っておく”といった行動を誘発しやすく、ターゲットの日常生活に溶け込みやすいのです。この点で、Web広告やSNS広告にはない強みがあると言えます。

もちろん、ネットの露出を強化して口コミを増やしつつ、地元住民にはポスティングで直接アピールする“ハイブリッド戦略”が最も効果的です。いきなり大きな予算を割くのが難しければ、まずは小ロットの配布実施して反応を見ながら徐々に範囲を広げるといった段階的アプローチも可能でしょう。自店の客層や立地、予算に合わせて、ポスティングを軸に他の広告手法を組み合わせることで、より安定した集客体制が築けるのです。


4章. ポスティングの費用と効果を高めるためのポイント

ポスティングの費用と費用対効果を高めるポイント

4-1. デザイン代・印刷代・配布代の目安

ポスティング実施する際に発生する主なコストは、①チラシデザイン費、②印刷費、そして③配布費の3つです。飲食店の規模やクーポンの有無、チラシのサイズによっても金額は変動しますが、大まかな目安としては以下のような範囲で考えられます。

  • デザイン代:プロのデザイナーに依頼する場合、片面A4で2万~5万円ほどが一般的です。テンプレートを利用した簡易作成なら1万円以下で収まるケースもあります。ただし、費用を抑えすぎるとターゲットの心をつかむような効果的なレイアウトができない可能性もあるので、投資として考えることが大切です。
  • 印刷代:1,000~5,000部程度であれば1部あたり数円~数十円が相場です。部数が多くなるほど1部あたりの単価は下がります。カラー印刷かモノクロか、紙質や用紙サイズによっても金額が変わるため、自店のエリア特性や集客目標に合わせて決めましょう。
  • 配布代:ポスティング業者に依頼する場合、1部あたり数円~10円前後が目安です。地域によって配布料金が違うケースもあるため、業者と事前に入念な打ち合わせをしておくと安心です。なお、自力で配布する方法もありますが、時間的・人的コストを考慮すると、一定の品質と効率を担保できる業者依頼が望ましいことも多いでしょう。

費用を安く抑えすぎると、チラシのクオリティが低くなったり、配布漏れ・誤配リスクが高まったりして十分な反響を得られない場合があります。逆に投資をかけすぎても来店数や売上に結び付かなければ本末転倒です。まずは自店に合った適正コストを見極めることが肝心と言えるでしょう。

4-2. ポスティングプランを立てる際の注意点

ポスティングのメリットを最大化するには、戦略的なエリア設定や配布スケジュールの検討が必要です。その際に意識したいのが以下のポイントです。

  1. エリアの細分化
    まず、商圏分析に基づいて自店の周辺地域を細分化し、重要度の高いエリアから優先的に配布します。ファミリー層が多い住宅街と学生が多い下宿エリアでは、同じ飲食店でも訴求メニューやクーポンの内容を変えると効果が上がるケースもあります。
  2. 配布タイミングの選定
    「いつ配布を行うか」は反響に大きく影響します。平日昼間に留守が多い世帯ではチラシを受け取ってもらえないかもしれませんし、週末は他の広告がまとめて投函されるリスクもあります。後述の「6章. ポスティングのタイミングと頻度」で詳しく解説しますが、曜日や時間帯の戦略は必須です。
  3. チラシ内容のカスタマイズ
    全エリアを一律のチラシでカバーするよりも、「単身者向け」「ファミリー向け」「高齢者世帯向け」など、エリアの属性に合わせたクリエイティブに差し替えるとより効果的です。たとえばテイクアウトやデリバリーをメインでPRする方法、宴会コースやランチサービスを打ち出す方法など、自店の強みやメニュー特性に合わせたバリエーションを用意しましょう。

このように、ポスティングプランを立てる際には“誰に何をどのように届けたいか”を明確にしながら、配布エリア・部数・タイミング・デザインなどを総合的に考える必要があります。なんとなく“たくさん配ればOK”ではなく、明確なターゲット設定と配布計画が効果を大きく左右しますので、事前の分析をしっかり行いましょう。

4-3. 費用対効果を最大化する工夫

ポスティングは大々的な広告に比べると費用が低めですが、それでも無計画に実施すれば思うような反響が得られないかもしれません。投資したコストに見合ったリターンを得るために、以下のような工夫が有効です。

  • ABテストの導入
    同じエリアであっても、異なるデザインやキャッチコピーのチラシを配って、どちらが多く来店やクーポン利用を促せるかを比較する手法です。反応率を定量的に測定することで、自店に最適なチラシの方向性が見えてきます。
  • クーポンの有効期間を短く設定
    「今行かないと損!」という心理を刺激するために、クーポンの利用期限をあえて短めにするのは定番テクニックです。限定性が高いほどターゲットが行動に移りやすくなるため、反応率アップに直結します。
  • 他媒体との連動
    ポスティングと同時にSNSや公式サイトでも同じキャンペーンを告知すると、“チラシで知って、詳細をネットで確認し、実際に来店”という流れを作りやすくなります。ネット広告だけ、ポスティングだけといった単独施策よりも、相乗効果を狙うほうが結果的に費用対効果を高めやすいでしょう。

費用対効果を上げるカギは、常に“配布した結果をどう測定し、次にどう改善するか”を回すことにあります。クーポンの回収率や新規来店数、リピーター化の状況などを確認しながら、継続的に施策をブラッシュアップしていきましょう。


5章. 配布エリアの選定とターゲット戦略の決め方

配布エリアの選定とターゲット戦略

5-1. 商圏分析(エリアマーケティング)の重要性

ポスティングの大きな強みは、広告を“届けたい地域”にピンポイントで配布できる点です。だからこそ、ターゲットを明確にしたエリア選定が極めて重要になります。飲食店の商圏は多くの場合、徒歩圏や自転車圏内、車で数分といった物理的な距離が基準になるでしょう。

たとえば都市部の小型店舗であれば徒歩5~10分圏内がメインターゲットかもしれませんし、郊外型のファミリー向けレストランなら車で10~15分圏内までを想定することもあります。さらに、居住者の年齢層や所得層、ライフスタイルなどを考慮することで、より精度の高い配布エリアを絞り込めます。

具体的には市区町村の公開データや国勢調査の統計情報、商工会やポスティング業者が持つエリアデータなどを活用する方法があります。自店の客層とマッチする地域を選ぶことで、ただ闇雲にチラシをばらまくよりも、はるかに効率の良い反響が期待できます。

5-2. 集合住宅へのアプローチと効率向上

より少ないコストで効率よく配布するには、集合住宅へのアプローチが欠かせません。マンションやアパートは1棟あたりの世帯数が多く、ポストの位置もまとまっているため、“短時間で多くのチラシを投函できる”というメリットがあります。

集合住宅には学生や単身社会人が多いタイプ、ファミリー層向けの大規模マンション、定年後のシニア層が多い団地など、さまざまな属性があります。たとえばファミリー層が多いところではお子様向けメニューや週末のランチ特典が有効ですし、単身者が中心のマンションなら遅い時間帯のディナーやテイクアウト情報などを前面に打ち出すと良いでしょう。

ただし、集合住宅には「チラシお断り」と明示している建物や、管理組合のルールでポスティング禁止の場合もあります。無理に投函するとクレームになりかねないので、事前に業者と相談して確認することが大切です。また、大きな集合住宅で特に狙いたい場所は、優先度を高めて定期的に配布し、効果測定の結果を踏まえて繰り返しアプローチを検討してみると良いでしょう。

5-3. ターゲットの絞り込み方とメリット

「とにかくたくさんの人に見てもらいたい」と考えてしまうと、どうしてもエリア選定が曖昧になり、結果的に費用対効果が下がります。そこで重要なのが、ターゲットの絞り込みです。

たとえば、ランチがメインの飲食店なら周辺オフィスワーカーやパートタイマーが多いエリア、ディナー中心ならファミリーが多い住宅街、深夜帯まで営業するバーなら駅近くや繁華街エリアに特化する、といった形でチラシの配布先を選びます。明確にターゲットを定めることで、キャッチコピーやチラシに載せる写真・クーポンの内容を最適化しやすくなるのです。

また、あえて高齢者が多いエリアに「シニア割引」や「落ち着いた雰囲気でゆっくり過ごせる」といった要素をアピールする方法もあります。あるいは、若者が集まる街に「学生限定クーポン」「SNSフォロワー割引」などを打ち出す戦略も考えられるでしょう。こうした具体的な絞り込みは、“誰に・どんな価値を提供したいのか”を明確にし、反響を大きく伸ばすきっかけとなります。

結果として、一度の配布で多くの反応を得られれば、広告費の回収も早くなり、さらに次のステップとしてリピーター施策や口コミ獲得施策へと展開しやすくなります。闇雲に大量配布するよりも、明確に狙ったターゲットを定めることで最終的な売上アップに直結しやすくなるのです。


6章. 飲食店はポスティングのタイミングと頻度をどう設定すべき?

ポスティングのタイミングと頻度をどう設定するか

6-1. 曜日や時間帯による反応の違い

ポスティングで重要なのは“いつ配布を行うか”というタイミングです。例えば平日の昼間は多くの人が外出しており、夜遅くにポストをチェックする頃にはチラシの存在をスルーしがちです。一方で週末や祝日は家にいる時間が長いため、投函されるチラシに目が向きやすいとも言われています。

ただし、週末は他社も広告を集中して配布することが多く、ポストにまとめて放り込まれて埋もれてしまう可能性もあります。逆に平日の朝に配布することで、“出勤前にサッと目を通してもらえる”メリットを狙う戦略も有効です。また、ファミリー層が多いエリアでは土日がお休みの家庭が多く、単身者が多いエリアでは平日夜のほうが反応が良いなど、地域や客層によって最適な曜日・時間帯が異なります。

オフィス街なら昼休み前後に配布することで“ランチ営業に来てもらえる”アピールをしたり、夜の営業時間が長いお店なら金曜の夜に合わせて“週末は飲みに来てください”とメッセージを伝える方法もあります。こうした“ターゲットの生活パターン”を意識することが、効果的ポスティングの第一歩になります。

6-2. 継続的なポスティングが生む効果

1回限りのポスティングでも一定の反響を得られるかもしれませんが、実は複数回にわたって定期的に配布するほうが長期的な集客効果を得やすいというデータがあります。これは、ポストにチラシが入った時点で興味を持たなかった人も、2回目・3回目で「あれ、これ前にも見たことあるな」「何度も目にするってことは人気なのか?」と認知が高まり、行動に移すケースがあるからです。

また、飲食店は季節やイベントごとにメニューやキャンペーン内容を変えられるのが強みです。その都度チラシを新しくして配布すれば、お店が常に新鮮な動きをしている印象を与え、リピーターの興味を引き続けることができます。もちろん、コストとの兼ね合いはありますが、“数カ月に1回”や“新メニュー導入時には必ずポスティングする”など、一定のルールを設けて継続するのがおすすめです。

特に大きな効果が見込めるのは、季節の変わり目やボーナス時期、祝日や連休前後などライフスタイルが変化しやすいタイミングです。そうしたシーズンに合わせてタイミングよくチラシを投函することで、“ちょうど新しい店を探していた”という潜在客を取りこぼすことなくキャッチできます。

6-3. オープン前・オープン直後の配布プラン

新規開店やリニューアルオープンする飲食店にとって、オープン前から周辺住民の目に留まるような仕掛けをすることが成功の鍵になります。たとえば、オープン1週間ほど前から「○月○日グランドオープン」「オープニングクーポン配布中!」と告知するチラシ配布し、当日〜1週間ぐらいに集中して来店を促す方法が一般的です。

オープン日に合わせて二段階でポスティングを行うパターンもあります。最初に“予告編”として新店オープンの情報だけを短期間で集中的に撒き、続いてオープン当日に改めてクーポン付きのチラシ実施することで、大きな話題性を演出できます。特に近隣住民に“新しいお店ができるよ”というワクワク感を伝えられると、初回の来客数が大幅に上がり、口コミも早い段階で広がる可能性が高まります。

また、オープン直後にピークを迎えた後、1~2か月後にもう一度ポスティングを行い“まだ行っていない人”や“前回の混雑で行きそびれた人”にアプローチするのも有効です。開店直後は一時的にお客さまが集中する一方で、その後落ち着いてしまうケースも多いので、追加配布を組み合わせて継続的な集客を狙うと良いでしょう。


7章. デザイン初心者でもポスティングチラシを簡単に作成する方法

飲食店のポスティングチラシを作成する方法

7-1. デザイン例と捨てられない工夫

ポスティングを実施するうえで重要なのは、受け取った人が「思わず手に取りたくなる」「しばらく保管しておきたい」と思えるチラシを作ることです。どんなに多く配っても、すぐに捨てられてしまっては意味がありません。そこで意識したいのが、デザインのわかりやすさとターゲットに対する訴求力です。

まず、飲食店チラシなら料理写真を大きく配置し、どんなメニューや雰囲気が楽しめる店舗なのかを一目で伝えると効果的です。余白を上手に使って魅力的なビジュアルを見せることで、受け手の興味を引き出せます。また、色使いにもこだわりましょう。たとえば、赤やオレンジなど温かみのある色合いは食欲を刺激しやすいと言われています。モノクロやシンプル路線で高級感を演出するのも一つの方法です。

さらに、捨てられないためのポイントとしては「マグネットタイプ」「カレンダー付き」「レシピ掲載」といった、“保存しておきたくなる要素”を取り入れることが挙げられます。例えば、表面にはメニュー写真と割引クーポン、裏面には簡単レシピや地域情報を載せるなど、実用性を持たせると手元に残されやすいでしょう。地域住民がよく使う生活情報を盛り込むのも、思い出したときにチラシを見返してもらえるメリットがあります。

このように、デザインやレイアウトを工夫して“綺麗で見やすい”だけでなく、“残しておきたい”と思わせる付加価値を付与できると、ポスティングの反響がぐっと高まります。ビジュアル重視のチラシ作成することで、最終的な来店率や集客効果を底上げできるでしょう。

7-2. 店内の雰囲気を伝える写真・キャッチコピー

多くの人が“どんな料理があるのか”“お店の雰囲気は?”といった情報を気にします。そのため、ポスティング用のチラシには、できるだけ店内の様子や看板料理の写真を掲載し、読者が「ここで食事をしてみたい!」と思うイメージを膨らませることが大切です。

例えば、落ち着いたインテリアが魅力のカフェなら、照明の色やインテリアを写した写真を大きく載せると「ゆったり過ごせそう」「居心地が良さそう」という印象を与えられます。居酒屋やレストランでは、実際にお客さまが楽しんでいる様子を切り取ったカットや、盛り付けの美しい一品料理のアップ写真が効果を発揮するでしょう。こうした“臨場感”を出すことで「次の食事会はここにしようかな」という行動意欲を引き出せます。

また、キャッチコピーも重要な役割を果たします。人は長い文章を読む前に、見出しや大きな文字にまず目が行くものです。そこで“〇〇町で話題の本格イタリアン”“SNSで話題沸騰!毎日焼き立てのパンが人気”といったフレーズを配置し、瞬時に“どんな店舗なのか”を理解してもらいます。もし特筆すべき特徴や他店にはない強みがあれば、できるだけ端的に打ち出しましょう。こうしたコピーの工夫が、ポスティングの成功率を大きく左右します。

加えて、写真を撮る際にはプロのカメラマンやデザイナーに相談するのも一つの方法です。アングルや照明、レイアウトの微妙な違いで、料理の見え方や店の雰囲気が大きく変わります。特に高級路線の飲食店やデート利用が多い店など、洗練されたイメージを打ち出したい場合は、投資した分の価値があるはずです。

プロカメラマンに依頼したいけどよくわからないと言う方は、『飲食店が写真撮影を依頼する際の業者の選び方のコツと注意点!料理撮影に強いおすすめな会社も厳選してご紹介!』の記事にまとめていますので参考にしてみてください。

7-3. クーポンや特典の付け方

ポスティングでチラシを受け取った際、最も分かりやすい“行く理由”になるのがクーポンや特典です。地域の人々は近場で使える割引やサービスにとても敏感ですから、上手に活用すれば“今度行ってみようか”と思うきっかけを作りやすくなります。

よく見られる例としては、「ドリンク1杯無料」「合計金額から10%OFF」「〇〇円以上のご注文でデザートサービス」といったシンプルなものです。こうした特典があると、“お得感”によって初めてのハードルが下がるため、新規来店が誘発されやすくなります。もし高級店であれば、「アニバーサリー特典」「記念日のサプライズ演出無料」など特別な日を意識したクーポンを作っておくと良いでしょう。

加えて、クーポンの有効期限や曜日限定など、適度な制約を設けると、急いで利用したいという心理を刺激できます。「今月末までの限定クーポン」や「週末限定サービス」のように明記することで、読者は「あ、この期間に行かなきゃ損だな」と感じ、行動に移りやすくなります。さらに、クーポンを回収する形にしておくと、どのエリアからの反応が多かったかを測りやすいメリットもあります。これは後述する効果測定において非常に重要です。

また、特典を2段階に分ける仕組みも面白い方法です。例えば、“1回目の来店でドリンク1杯無料、次回の来店でデザートサービス”といった形でリピーター化を促進できます。紙のチラシならではの“クーポンを切り取って持参”という行動が、消費者の中に具体的なイメージを植え付け、店舗との接点を強めてくれます。

7-4. デザイン・印刷をプロに任せるメリット

ポスティングの効果を最大化するには、やはりチラシそのものの完成度が大きく関わります。自作で作成できる場合もありますが、やはりプロのデザイナーや印刷会社に任せることで、下記のようなメリットが得られます。

  1. クオリティの高いビジュアル
    プロは色の使い方や文字レイアウトを熟知しているため、視覚的にインパクトのあるチラシを作りやすいです。特に料理写真の配置バランスやフォント選びなど、細部へのこだわりが最終的な反響を左右します。
  2. ターゲットに合ったデザイン提案
    高級志向、カジュアル志向、ファミリー向けなど、飲食店のコンセプトやエリアごとの客層に合わせて柔軟にデザインを調整してくれます。プロの視点を取り入れることで、「こんな風に打ち出せば魅力が伝わる」といった新たなアイデアが得られるはずです。
  3. 効率的な印刷・納期管理
    印刷会社とのやり取りは、紙質やサイズ、納期など考える要素が多いもの。プロが間に入れば、費用やスケジュールの調整をスムーズに進められます。印刷不備や納期トラブルを防ぎ、ポスティングに合わせた最適な納品スケジュールを実現しやすくなります。

こうした理由から、こだわりのデザインや印刷品質が必要な際は専門家に依頼する選択肢を検討してみてください。もちろん、コストが気になる場合は自作とのバランスを検討する必要がありますが、ターゲットや目的に合わせて投資すれば、その分の回収が期待できることも大いにあります。


8章. 飲食店のリピーター獲得・来店促進に向けたその他の施策

8-1. ポイントカードや会員制度の活用

一度来店したお客さまを継続的に呼び込むためには、ポイントカードや会員制度が大きく役立ちます。ポスティングしたチラシに「ポイントカード発行中!」「会員登録で割引特典」などの情報を盛り込み、興味を持った人が来店後にスムーズにリピーター化する仕掛けを作りましょう。

具体的には、1回の来店で1スタンプを押すタイプのスタンプカードや、会員登録で誕生月にクーポンが届く仕組みなどが一般的です。こうした特典があると、お客さまは「あと何回行けばサービスが受けられる」という明確なモチベーションを感じられ、再来店のハードルが下がります。

また、ポイントカードや会員制度にメールアドレスやSNSアカウントの登録を組み合わせることで、イベントや新メニュー登場の際にプッシュ通知を送ることができるのもメリットです。ポスティングで獲得した初回の来店客を確実にリピーターへ育てていくためには、こうした継続コミュニケーションの仕組みが欠かせません。

8-2. DMやメルマガを組み合わせる方法

ポスティングしたチラシをきっかけに地域のお客さま情報を蓄積できたら、次のステップとしてDM(ダイレクトメール)やメルマガ配信を検討しましょう。紙媒体だけに頼らず、オンラインツールとも連動させることで、さらなる集客反響拡大を狙えるからです。

たとえば、ポイントカード登録時に住所やメールアドレスを取得しておけば、季節限定メニューやイベント情報をタイムリーに送れます。DMの場合は、すでに来店実績のあるユーザーをターゲットに紙の案内を送るので、ポスティングのような不特定多数への配布とはまた違った精度の高いプロモーションが可能です。一方、メルマガはコスト面で優れ、特定のタイミングで大量送信がしやすいという特徴があります。

重要なのは、あくまで“ポスティングで得た新規客や既存客との接点を活かして継続アプローチする”という発想です。イベントやシーズナルメニューのリリースに合わせてメールを送るだけでも「そういえば、あのお店にチラシが入っていたな」「この前行ったお店に新メニューが出たのか」と思い出してもらい、再来店につなげる可能性が高まります。

メルマガ配信や活用法については『飲食店のメルマガって集客効果あるの?本当に成果が出る配信方法と運用術を大公開!』で詳しく紹介しています。

8-3. “しばらく来ていないお客さま”への呼び戻し

飲食店を利用する人には、何度も通う常連客と、“以前は行っていたが足が遠のいている”人がいます。後者に再度アプローチできれば、大きな効果が期待できるでしょう。実際、一度利用して好印象を持っていた場合は、きっかけさえあれば戻ってきてもらえる可能性が高いものです。

そこで役に立つのが、ポスティングと併用する形での“呼び戻しチラシ”です。ある程度顧客リストを持っているなら、そのエリアへ再度ピンポイントで配布し、チラシに「リピーター割引」や「ご無沙汰クーポン」を入れます。「また来てほしい」というメッセージを込めるだけでなく、「前回のご利用から半年以上経った方限定で特典あり」と明示するのも面白い方法です。

これは、更新の止まっていた会員カードやポイントカードの情報をチェックして特定エリアに投函するなど、少し手間がかかる方法ではありますが、効果的です。特に駅から離れた立地の店舗や、高級店などは、一度利用したきりになっているお客さまをうまく呼び戻せれば大きな売上につながります。ポスティングの再アプローチとクーポンの組み合わせで、再来店率のアップを狙いましょう。


9章. ポスティングの効果測定と反響を高める改善サイクル

効果測定と反響を高めるための改善サイクル

9-1. 反応率・反響率を測る方法

ポスティングの“投資に対するリターン”を把握するためには、反応率(反響率)の測定が欠かせません。具体的には、チラシに付けたクーポンがどれくらい使われたかをチェックしたり、「このチラシを見た」と言って来店した人を集計する方法があります。会計時にクーポンを回収する仕組みを作ると、どのエリアからの実施分がどれくらいの効果を上げたかが明確にわかります。

さらに、来店客に簡単なアンケート用紙を渡し、どこで店舗情報を知ったかを尋ねるのも有効です。“チラシを見て来ました”と回答した人数を集計すれば、紙媒体がどの程度寄与しているか把握できます。このデータは次回の配布計画やデザイン変更に活かせるため、地道でも定期的に行う価値が高いでしょう。

また、Web上の予約や注文を増やす場合には、“チラシに記載したクーポンコード”を入力してもらう形式にすると便利です。これならオンライン予約システムを通じて、自動的に反応率を集計できます。紙媒体とデジタルを組み合わせることで、より正確なターゲット分析と改善施策の立案が可能になります。

9-2. 改善点の洗い出しとABテスト

ポスティングの成果をさらに高めるためには、一度やって終わりではなく、“どこをどう変えればもっと良くなるか”を検証していく姿勢が大切です。その手法として代表的なのがABテスト。具体的には、同じエリアに異なるデザインやキャッチコピーの2種類のチラシを配り、反応率を比較します。どちらの方法がより多くの来店を促せたか、数字で明らかにするわけです。

例えば、A案は「料理写真を大きく、クーポンを小さめに」、B案は「クーポンを目立たせ、料理写真は控えめに」といった形で作り分け、数百~数千部ずつ配布してみます。その結果、反応率が高い方を次回以降のベースとして採用し、さらに細かな要素(文字サイズや背景色など)を変えて試すことを繰り返すのです。

また、エリアごとに属性が異なる場合は、客層に合わせてチラシを微調整するのも有効なアプローチです。ファミリー層が多い区域と単身者が中心の区域では、同じチラシでも受け取る印象が変わります。こうしたABテストの積み重ねによって、ポスティングの費用対効果を徐々に高めていくことが可能です。

KPIによる施策管理については『飲食店が設定すべきKPIとは?本当に効果的な目標や指標の設定方法と活用術を徹底解説!』で確認できます。

9-3. 継続実施と長期的なブランド強化

ポスティングを1回限りで終えてしまうと、どうしても反響は短期的なものに留まりがちです。せっかくチラシを配布して得た認知度や興味を、そのまま次につなげるには、継続的に実施することが肝要です。定期的に投入されるチラシは、「この飲食店はいつも新しい情報を出しているんだな」「安定した品質の料理やサービスを提供しているんだな」といったポジティブなイメージ形成にも寄与します。

実際、一度目のポスティングでは反応がなかった世帯も、二度目・三度目に“気になっていたけど行けてなかった”という後押しが働くことがあります。これを繰り返すうちに、地域の人たちが「あのお店、よくチラシを出しているし最近話題のメニューがあるらしい」という認識を持つようになり、長期的なブランド力へとつながるのです。

さらに、季節ごとに異なるメニューを告知する、イベントやフェアを定期開催するなど、チラシの内容に変化を持たせれば“いつも同じ広告が入っている”というマンネリ感を防げます。その結果、“また新しい情報が来たな”と興味を引くサイクルを作り出せるでしょう。ブランド強化のためには、ポスティングを“1回のスポット施策”ではなく“継続施策”として捉え、反応を見ながら改善し続ける姿勢が何より大切です。


10章. ポスティング業者の選び方と外注の際のポイント

10-1. 自社配布と業者依頼の違い

ポスティングを実施する際、まずは「自社スタッフで配布するのか、専門の業者に依頼するのか」という選択肢があります。自社配布は、人員が確保できればコストを抑えられるメリットがある一方、配布の手間や時間が膨大になる可能性が高いです。飲食店のスタッフは通常、接客や仕込みなど本業が忙しく、広告のためのポスティングに十分なリソースを割くのは難しいかもしれません。

一方、ポスティング業者に依頼すれば、担当エリアの地理情報や効果的なターゲット分析がすでに整っていることが多く、業者独自のノウハウを活用できるのが大きな強みです。例えば、集合住宅の“配布禁止”や高セキュリティのマンションなど、外部の人間が入りにくい場所でも、ポスティング業者なら管理人とのコミュニケーションがスムーズに行えるケースがあります。さらに、配布完了後の報告や配布エリアのマッピングなど、業者ごとのサービスが充実していることが少なくありません。

ただし、業者への依頼は当然それなりの費用が発生します。最適化されていないプランで大雑把に配布すると、思ったほど反響が得られず、費用対効果が下がるリスクもあります。そこで、自社配布と業者依頼の“良いところ取り”をする選択肢もあります。メインエリアは業者に任せつつ、周辺の細かな地域はスタッフやアルバイトが手分けして配布するなど、柔軟に組み合わせることで、コストと品質のバランスを追求できるでしょう。

10-2. ポスティング業者選定のチェックポイント

ポスティング業者を選ぶにあたっては、以下のようなチェックポイントを意識すると失敗が少なくなります。

  1. 配布実績とノウハウ
    長年の実施経験がある業者は、その地域固有の傾向やマンションの配布ルールに詳しく、トラブルを避けるためのノウハウを持っています。営業担当者から具体的な事例や成功パターンの解説を聞き、信頼できるかを判断しましょう。
  2. 配布精度と管理体制
    ポスティングは“配った数”よりも“どこに・いつ配ったか”の正確性が重要です。GPSで配布ルートを管理している業者や、エリアマップを使った報告システムが整備されている業者だと、誤配や配布漏れを最小限に抑えられます。
  3. レギュレーションの遵守
    マンションや団地など、ポスト投函が禁止されている建物は意外と多いものです。こうした建物を回避せずに無理に投函すると、クレームやトラブルの元になります。優良業者は事前に注意リストを共有し、クレーム防止のためのレギュレーションを徹底しているはずです。
  4. 費用とプランの柔軟性
    1部あたりの配布単価や印刷費、オプションサービスの内容を比較検討し、複数の業者から見積もりを取りましょう。また、期間限定のキャンペーンやリピーター向け割引がある業者も存在するので、必ず交渉や相談を忘れずに行います。

こうしたポイントを踏まえたうえで、自店のチラシをどのくらいの頻度・部数で配りたいのかを具体的に伝え、相手の提案をよく吟味します。業者選びは、ポスティング成功の大半を左右すると言っても過言ではありません。飲食店ターゲットエリアの特性に精通した業者を選べば、無駄なく効果的にチラシを活用できるでしょう。

10-3. 複数業者の比較と成功事例

業者選定の際には、一社に即決せず最低でも2~3社ほど比較検討するのがおすすめです。各社で得意とするエリア配布形態が異なり、料金体系もさまざまだからです。なかには、印刷からデザイン作成、ポスティングまでワンストップ対応してくれる“トータルサポート型”の業者もあります。このタイプはスケジュール管理がしやすく、複数社とやり取りする手間が省けるメリットがあります。

一方、印刷はリーズナブルなオンライン印刷サービスを利用し、配布だけを専門業者に任せる形のほうが合計コストを抑えられる場合もあります。具体的な成功事例としては、例えばテイクアウト専門のピザ店が“週末キャンペーン用チラシ”を毎月1回決まった週に大量配布して大きく売上を伸ばしたり、高級フレンチ店が大規模マンション限定で“記念日利用の特別クーポン”を投函して新規客を呼び込んだりと、さまざまなケースが報告されています。

このように、ポスティング業者の力を借りることで、単独では難しい配布網を作り上げ、より反響の高い戦略を打つことが可能です。比較の際は、実際に対応してくれる担当者やスタッフとのコミュニケーションも重視してください。メールや電話でのやり取りがスムーズか、納期や配布後のフォローがしっかりしているかなど、細かい点も含め総合的に判断するのが理想的です。


11章. 飲食店でのポスティングに関するよくある疑問

11-1. 「ポスティングは効果がない?」と言われる理由

ポスティングを検討する飲食店の中には、「チラシをポストに入れても大半は捨てられそうで、あまり効果がなさそう」と疑問を持つ方もいます。確かに、チラシが届いたタイミングや内容によっては、受け取った人にとって興味がないものである場合もあるでしょう。しかし、それはポスティングそのものが無駄というわけではなく、“ターゲット選定”や“デザイン・訴求内容”が適切でない可能性が高いのです。

効果が出にくい例として、配布先が店舗から遠すぎるエリアだったり、ファミリー向けのメニューなのに単身者の多い地域に大量投函しているケースなどが挙げられます。また、内容に魅力が乏しいチラシ—たとえばメニュー写真が小さく見にくい、クーポンが付いていない、価格帯が高すぎて利用意欲をそそらない—であれば、手に取った瞬間に捨てられてしまうでしょう。

逆に言えば、「誰に対して」「どんな魅力を」「どのように伝えるか」をしっかり考えたうえで、適切な方法とタイミングで実施すれば、十分に反響を得られるのがポスティングの利点です。狙った客層が多く住むマンションのみに配る、クーポンや特典を付けて“来店”のモチベーションを引き上げるなど、効果的な運用をすれば無駄にはなりません。

11-2. 「Web広告とどちらがいい?」という質問

「ポスティングよりWeb広告のほうが費用対効果が高いのでは?」と比較されることも少なくありません。確かにWeb広告やSNS運用は、拡散力と即時性に優れ、広範囲に情報を届けやすいメリットがあります。しかし、インターネット上のターゲティング精度が高まったとはいえ、依然としてオンライン広告には“実店舗の近隣住民に集中的にアプローチする”という点で課題が残る場合もあります。

ポスティングは、まさに“近隣の物理的なポスト”にチラシを投函する手法ですから、“徒歩圏・車圏”などリアルな地域密着型の集客に強みを持ちます。これはWeb広告が得意とするオンライン上の興味関心ターゲティングとは異なるアプローチです。たとえネットで情報を発信していても、そもそも「そのお店の存在を知らない人」や「検索をしない人」には届かない場合もあるのです。

理想的には、ポスティングをベースに“近隣住民へ直接的にアプローチ”を行いながら、SNSやGoogleマップ、口コミサイトへの掲載を通じて“ネットで調べたときにも発見してもらう”状態を作ることです。飲食店の規模や業態によっては、Web広告とポスティングを併用することで相乗効果を狙えるでしょう。どちらが優れているというより、それぞれの特性を踏まえて使い分けるのがポイントです。

11-3. 「どのくらいの反応率があれば成功?」

ポスティングの成功を測る際、“反応率”や“クーポン回収率”がひとつの指標になりますが、実際は店舗の立地やメニュー価格帯、配布する地域の属性などによって大きく変動します。一般的には数千枚から1万枚配布したとしても、回収されるクーポンは数十枚程度という事例も少なくありません。しかし、その少数の中からリピーターや大口利用客が生まれれば、大きな売上アップに寄与する可能性があります。

あるカフェでは、“ポスティング1万枚につきクーポン利用が100件程度”という結果が出て、そこから常連客が10名ほど定着し、定期的な売上増につながったケースがあります。また、高級レストランが“数百枚の厳選配布”で反応率5~10%という高い数字を得た事例もあるように、エリア・客単価・ターゲット層のマッチ度合いが重要になります。

目安としては、0.1%から0.5%の反応率でも十分に投資回収が見込めることがあります。あまり反応率ばかりに気をとられず、「その施策によってどれだけの売上増やブランド認知が得られたか」を総合的に判断するのが賢明でしょう。長期的に見れば、ポスティングで得た新規客が口コミを広げ、さらなる来店を呼ぶ流れを生むことも忘れてはなりません。

11-4. 「クレーム対策は必要?」

ポスティングはときに“迷惑広告”と捉えられる面があるため、クレーム対策も不可欠です。チラシを断るステッカーや表示がある家や建物へ投函すると、トラブルの原因になりやすいのは事実です。そこで以下の対処法を検討してみましょう。

  1. 禁止表示がある世帯やマンションを避ける
    ポスティング業者に依頼する場合は、事前に投函不可リストを共有し、管理組合の規定に従って進めてもらうよう指示が必要です。自社配布の場合でも、スタッフが現場で確認しながら投函を控えるよう徹底します。
  2. チラシへの問い合わせ先の明記
    万が一クレームがあった場合に速やかに対応できるよう、担当者の連絡先や電話番号、問い合わせフォームをチラシに明記しておくと安心です。誠意ある対応を取ることで、トラブルの長期化を防ぎます。
  3. 折り込みや差し込みを検討
    地域によっては、自治会報やフリーペーパーへの折り込み形態を利用する方法もあります。ポスティングと同様に家々に届く仕組みを活用しながら、戸別投函に伴うクレームリスクを避ける形です。

大切なのは「不要な家庭に無理やり押し付けてはいけない」という基本マナーを守ることです。あくまで“必要な人に届ける”意識を持ち、クレームが発生しないように配慮すれば、ポスティングは多くのメリットをもたらすプロモーション手段となり得ます。


12章. 飲食店にとってポスティングは有効な一手!

12-1. 次なる一手としての継続的なポスティング

ここまでポスティングの仕組みや具体的な方法効果を高めるためのポイントについて解説してきました。結局のところ、ポスティングは“1回やって終わり”ではなく“継続的に取り組む”ことで真価を発揮します。特に、地域に根付いた飲食店ほど、定期的なチラシ配布が店舗の名前やメニューを刷り込む効果的な手段となるでしょう。

たとえば、毎シーズンごとに新メニューを載せたチラシを作り、同じエリアのマンションや一戸建てに投函し続ける。あるいは、月1回のペースで期間限定クーポンを更新し、“いつ見ても新しい特典があるお店”という印象を醸成する。こうした積み重ねが、“地元で何か食べたいならあのお店”という定番の選択肢として認識される土台となります。

もちろん、ポスティングの結果や反応率を検証しながら、配布タイミングやエリアを柔軟に調整することも重要です。ゆくゆくは業者との長期契約でコストダウンを図りながら、継続的に実施できる仕組みを整えていくと、着実に来店数やリピーター数の向上が見込めるでしょう。

12-2. オンライン施策との相乗効果

現代の集客においては、紙の広告とオンライン施策のハイブリッド運用が主流になりつつあります。ポスティングで“リアルな地域の住民”にリーチしつつ、WebサイトやSNSで詳細な情報発信を行うことで“もっと詳しく知りたい”層を取りこぼさないようにするのが効果的です。

たとえば、チラシには「詳しいメニューや写真は公式サイトをご覧ください」「Instagramで最新情報をチェック!」といった誘導メッセージを加えます。そこで気になった人がSNSをフォローすれば、日々のストーリーズや投稿を目にする機会が増え、新商品の案内や限定割引情報をリアルタイムで届けられるようになります。

また、オンライン予約システムやデリバリーサービスと連動させ、“紙のクーポンコードを入力すると特典が受けられる”という形を作れば、ポスティングとデジタル双方で効果測定が可能です。結果的に「紙媒体で認知獲得→ネットで調べて予約→来店または注文」というスムーズな流れを構築できます。紙とデジタルの相互補完は、これからの飲食店経営において欠かせない視点と言えるでしょう。

12-3. 地域密着型のリピーター育成へ

最終的に、飲食店の安定経営を支えるのはリピーターの存在です。地元の顧客から「ここなら安心して行ける」「いつでも気軽に寄れる」と思ってもらえるようになることで、売上が季節や景気に左右されにくい基盤を作ることができます。ポスティングは、そのリピーター育成の第一歩として“来店のきっかけ”を与える非常に効果的な手段です。

具体的には、オープンからある程度時間が経ったら“サンクスチラシ”を作成し、以前のクーポンを利用した人が多いエリアに再度投函して「常連さまへの特別メニュー」をアピールするのも良いアイデアでしょう。あるいは、地域のイベントや商店会の取り組みに合わせた特別キャンペーンをチラシで告知すれば、“地域の活性化に貢献するお店”というイメージを育めます。こうした地道なステップを踏むことで、地元住民の間で“あそこのお店はいつも新しい試みをしてくれる”“クーポンも魅力的だし、行くと何か得した気分になる”といったブランド価値を高めることにつながるのです。ポスティングを単なる集客ツールとしてではなく、“コミュニケーションの入り口”として捉え、継続的な施策を積み重ねていくことこそが、地域密着型の飲食店にとって真の成功への近道と言えるでしょう。

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この記事を書いた人

鵜飼 あきひろのアバター 鵜飼 あきひろ 株式会社Grill 取締役/店舗経営・集客コンサルタント

2014年にオイシックス株式会社で海外事業を担当後、香港・中国現地法人の社長に就任。
2017年に起業した株式会社Emooveでは代表として事業を成長させ売却・EXIT。
現在は株式会社Grillの取締役COOとして複数の飲食店舗を経営する傍ら、現場目線で成果の出る集客支援に取り組んでいる。
豊富な実践経験と経営視点を活かし、小さなお店の“ファンづくり”をサポートするのが信条。

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