飲食店が設定すべきKPIとは?本当に効果的な目標や指標の設定方法と活用術を徹底解説!

飲食店が設定すべきKPIとは?本当に効果的な目標や指標の設定方法と活用術を徹底解説!
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目次

第1章. KPIを知らずに飲食店は語れない!押さえるべき基本とは?

KPIとKGIを正しく理解する

1-1. KPIとは何か?

飲食店の運営やビジネスを改善するうえで「KPI(Key Performance Indicator)」は欠かせない指標です。たとえば「月間売上」だけを追っていると、一見順調でも実は利益が出ていないこともあります。KPIは売上や利益などのざっくりとした結果だけではなく、「顧客数」「客単価」「リピート率」など複数の細かい数値をモニタリングし、店舗運営の状況を多角的に把握するために設定します。

こうしたKPIを管理するメリットは、具体的な改善策を立案しやすくなる点です。売上が伸び悩んでいる原因を「来店数が不足しているのか?」「客単価が下がっているのか?」と分解して考えられるため、必要な施策や判断がスピーディにできるのです。SNSでの口コミや新メニューの開発、スタッフの接客レベル向上など、どこに手を打てばよいかを明確にしてくれるのがKPIと言えます。


1-2. KGIとKPIの関係性をわかりやすく

KPIとKGIの関係性と目標達成への流れ

KGI(Key Goal Indicator)は、いわゆる「最終目標値」を示す指標です。たとえば「月間利益◯◯万円を達成する」など、飲食店としてのゴール地点を設定するのがKGIに当たります。そして、このKGIを達成するための中間指標がKPIです。

もし「月間売上を300万円にしたい」というKGIを掲げた場合、KPIとして「1日あたりの来店顧客数」「平均顧客単価」「リピート顧客比率」などを設定します。そうすることで、KGIに対して何が足りないかを細かくチェックでき、「顧客単価が想定より低いからドリンクの追加提案に力を入れよう」「新規顧客が増えない原因は広告不足かもしれない」といった具体的な改善アイデアへ結び付けやすくなります。

KGIとKPIを切り分けて考えることで、「結果(KGI)」と「途中経過(KPI)」を混同せずに管理できます。これは飲食店に限らず、多くの企業やビジネスでも採用されている考え方ですが、特に飲食店は季節変動や立地条件、客層の影響を大きく受けるため、細かな指標で現状を把握することが重要です。


第2章. 飲食店がKPI管理を導入するメリット

飲食店でKPIを設定するメリット

2-1. 現場のムダを可視化し、利益率を高める

飲食店の目標は「売上を上げること」で終わりがちですが、KPIを取り入れると「費用」の面からも店舗を管理しやすくなります。たとえば原価率や人件費率といった指標もKPIに組み込めば、どこにムダがあるのかを客観的に把握できるでしょう。「特定の曜日だけ食材ロスが多い」「ピーク時とアイドルタイムでスタッフ配置にムラがある」など、数字を分解することで問題点を明確にし、対策しやすくなります。

筆者の実践談:ランチのKPI例

筆者自身、ある店舗で「日替わりランチ」の原価がかさみすぎていることに気づかず、売上は好調でも実は全然利益が残らない状態に陥った経験があります。そこで日替わりランチ1食あたりの原価をKPIとして管理し、無駄な食材ロスや仕込みのムラを調整したところ、ランチ原価率が約5%下がり、月間利益が一気に増加しました。こうした変化は、数字に着目しないと見逃しがちなので、やはりKPIの「可視化」効果は大きいと実感しています。


2-2. スタッフのモチベーション向上とチーム力強化

スタッフのモチベーション向上

KPIは経営者や管理者だけでなく、現場スタッフのモチベーションアップにも大きく貢献します。なぜなら、具体的な目標値を設定して共有することで、アルバイトやパートを含めた全員が「自分たちが店舗にどんな貢献をしているのか」を理解しやすくなるからです。

  • スタッフにもわかる数字目標
    たとえば「1日の客単価を◯◯円上げよう」という目標を設定し、接客トークや追加注文の提案力を磨くことを全員で意識すると、自分の働きが売上(あるいは利益)にどのように影響するのかが明確になります。
  • コミュニケーション活性化
    「今日は客数が少なかったので、明日はSNS告知を強化しよう」「平均客単価は良かったが、リピーター率が下がった理由は?」といった具体的な数字を題材に話し合うと、スタッフ間のコミュニケーションも自然に活発化します。結果的に店舗全体の雰囲気やチームワークが良くなりやすいのです。

第3章. 飲食店に特化したKPI設定方法の5ステップ

KPIツリーで目標を分解する方法

3-1. 【ステップ1】現状分析と店舗の強み・弱みを洗い出す

KPIを正しく設定するためには、まず今の店舗がどんな状況なのかを客観的に把握する必要があります。売上の推移、客単価、来店客数、口コミ評価など、過去数カ月~1年ほどのデータをできる範囲で収集し、自店の「強み・弱み」を洗い出しましょう。

  • 店舗の立地・客層の特徴
    駅チカでビジネスパーソンが多いのか、住宅街で主婦やファミリーが多いのか、客層によって重視すべき指標は変わります。
  • 競合店との比較
    近隣のライバル店舗の価格帯やメニュー構成をリサーチし、差別化できるポイントを明確にするのも大切です。

ポイント: 最初にやるべきこと

データがまだ揃っていない場合は、簡易的なアンケートを行ったり、Excelやクラウドシステムで数字をまとめたりするところから始めるとよいでしょう。


3-2. 【ステップ2】KGIを先に決め、そこからKPIをブレイクダウン

飲食店における具体例

KPIを設定するときによくある間違いは、細かい指標から先に決めてしまうことです。まずは「最終ゴール(KGI)」を設定し、それを下位に分解してKPIを導き出す形が望ましいです。

  • KGIの例
    • 月間売上◯◯万円
    • 月間利益率◯%
    • リピーター数を月◯人まで増やす

このKGIを、たとえば売上なら「顧客単価 × 購入顧客数=売上」のように分解し、さらに「顧客単価」を構成する要因(平均商品単価、商品点数など)へと細かく落とし込んでいきます。こうすることで、ゴールへ向かう道筋が明確になり、PDCAサイクルも回しやすくなるでしょう。


3-3. 【ステップ3】目標値を設定する際の注意点

KPIの設定で重要なのは「達成可能かつやや挑戦的」な数値にすることです。あまりにも高い目標値を設定すると、スタッフや現場が疲弊し、逆にモチベーションが下がってしまいます。一方、低すぎると成長を促す力になりません。

  • 数値の根拠を明確に
    過去の平均売上や季節の繁忙期・閑散期を参考にし、なぜその数字を選んだのかを説明できる状態にしておくと、スタッフも納得感を持ちやすいです。
  • コア目標とチャレンジ目標
    「最低限クリアしたい数値(コア)」と「少し背伸びしてみる(チャレンジ)」という形で二段構えの設定にすると、柔軟な運営ができます。

3-4. 【ステップ4】スタッフ全員への共有と運用ルールづくり

KPIは現場が動いてこそ活きる指標です。店長や経営者だけが数値を見ていても、スタッフの行動が変わらなければ目標達成は難しいでしょう。そこで大事なのが、全員が「自分事」と捉えられる仕組みづくりです。

店内オペレーションと併せてマニュアル作りをしたい方は、『飲食店のオペレーションを劇的に効率化!マニュアルの作成方法まで徹底解説!』の記事が参考になります。

  • 朝礼・終礼でのKPI確認
    短い時間でも毎日または週単位で数字を共有し、前日の実績と目標との差をコメントし合う習慣を作る。
  • 可視化ツールの導入
    店内に目標達成率を張り出したり、スマホアプリやチャットツールでデイリー報告する方法も有効です。

ポイント: まずはシンプルに

シンプルであるほどスタッフに伝わりやすいので、最初から指標を大量に並べるのは避けるとよいでしょう。


3-5. 【ステップ5】定期的な振り返りと再設定

KPIを設定して終わりではなく、一定期間ごと(毎月、四半期など)に結果を評価し、必要に応じて修正・再設定することが肝心です。飲食店の場合、天候やイベント、周辺施設のオープン状況などで数値が大きく変わるので、その変化を見逃さないようにしましょう。

  • PDCAサイクルの定着
    Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)を回し続けることで、何が効果的かを迅速に掴めるようになります。
  • 現場の声を反映
    スタッフから「こういう施策を試したい」「この時間帯はアルバイト配置を増やしたい」などの意見が出たときに、KPIの数値と照らし合わせながら検証すると、説得力のある改善策につながりやすいです。

第4章. 飲食店で重視すべき6つのKPI指標

飲食店で重視すべき主要KPI

4-1. 購入顧客数:まずは“どれだけの人が買ったか”を把握

飲食店において、最もベーシックな指標の1つが「購入顧客数(来店客数)」です。ここを正しく把握しないと、売上の伸び悩みが「集客不足」なのか「客単価の問題」なのか、原因を的確に分解できません。

  • 購入顧客数は売上の土台
    一定数の顧客をコンスタントに呼び込めるようになると、月間売上も安定しやすくなります。逆に、購入顧客数が乱高下する店舗だと、繁忙期と閑散期の差が激しく、人件費や仕入れも効率よく管理しにくいでしょう。
  • 来店促進施策の方向性を決めやすい
    「この曜日だけ来客が極端に少ない」「特定の季節に客数が落ちる」などのパターンを、数字で把握しておくと、クーポンやSNSキャンペーン、イベント企画などの施策をターゲットに合わせて打ちやすくなります。

平日集客を増やすヒントを『【完全版】飲食店で平日集客を伸ばす方法を総まとめ!無料でもできる効果的なお店への来店の増やし方!』で学びましょう。


4-2. 平均顧客単価:収益の直結ポイント

購入顧客数が増えても、1人あたりの単価が低いと売上達成が難しくなります。そこで重要なのが「平均顧客単価」です。

  • 客単価アップ=利益率アップに直結
    ドリンクの追加注文やサイドメニューの推奨などで客単価が数百円上がるだけでも、月間売上や利益が大幅に向上します。特に固定費・変動費をある程度カバーした状態なら、上乗せ分はダイレクトに利益になる可能性が高いです。
  • 適正価格の見直し
    商品の価格設定を変える場合は慎重さが必要ですが、「適正価格」に修正できれば原価率や利益率がバランス良く改善します。一方で、強気に値上げしすぎて顧客離れが起きれば逆効果。周辺相場や口コミ評価も踏まえ、慎重に検討しましょう。

4-3. 平均購入商品点数:商品点数アップで利益を底上げ

平均顧客単価と似ていますが、より細かい視点として「購入商品点数(1人あたりの注文数)」も見逃せません。

  • 単価よりも“品数”で稼ぐパターン
    ドリンクやサイドディッシュを複数購入してもらうことで、客単価は自然に上昇します。たとえばカフェでドリンク+スイーツを提案したり、居酒屋で追加の一品料理をオススメしたりするイメージです。
  • セットメニュー化の効果
    「1人が2品以上購入する」ようなセットメニューの構成を意識すると、平均購入商品点数は自然に増えます。単品注文に比べて、トータル支出が上がるリピーターも多いです。

専門家コメント:声掛けの効果

ファミレスチェーンを支援するコンサルタントは、「平均購入商品点数を0.1ポイント上げるだけで、月単位では相当な売上増につながる。スタッフの声掛け次第で顧客の満足度もキープしやすい」と述べています。


4-4. 平均商品単価:商品の価格帯そのものの見直し

平均購入商品点数とは別に、「1商品あたりの平均単価」を追うのも有効です。特に素材や調理コストを考慮したうえで、どの価格帯に主力を置くかは収益構造を左右します。

  • 高級路線 or カジュアル路線
    同じジャンルの飲食店でも、高価格帯に注力するのか、低価格帯をメインにするのかで戦略が変わります。高価格路線なら利益率は高まりやすいものの、集客にハードルがある場合も。逆に低価格路線は客数を取りやすい反面、原価管理を徹底しないと赤字リスクが大きいです。
  • 商品単価アップの注意点
    突然の値上げは顧客離れを起こす可能性があります。SNSや口コミでもすぐ話題になるため、周囲の競合店の動向や顧客満足度をチェックしながら慎重に設定しましょう。

4-5. 新規顧客数&リピート顧客数:飲食店の生命線

「購入顧客数」をさらに分解すると「新規顧客」と「リピート顧客」があります。両者をバランスよく獲得し続けることが、飲食店の安定経営には不可欠です。

  1. 新規顧客数
    • 広告やSNS、口コミサイトでの評判が決め手になるケースが多い
    • メディア掲載や近隣へのチラシ配布も古典的だが効果的
  2. リピート顧客数
    • 固定ファンを増やすと、安定収益に直結
    • 会員カード、LINE公式アカウント、ポイントアプリなどで囲い込み施策を

店長の声:新規顧客とリピーター

「新規顧客だけ増やしてもリピーターが付かなければ、集客費用がかさみ続ける。リピート顧客がしっかり確保できれば、繁忙期も安心感が違う」という意見があります。実際、新規集客ばかりに頼りすぎるとコストが高くなり、利益を削りがちです。

安定したリピーターの獲得方法を知りたい方は、『飲食店におすすめな最強集客ツール25選!新規やリピーターを来店に繋げる効果的な活用方法!』の記事に詳しく解説しています。


4-6. テーブル回転率(または客席稼働率)で回転を最大化

「テーブル回転率」は客数や客単価と並んで、特に席数が限られる飲食店には重要な指標です。1日あたり何回席が入れ替わるか、どのくらい席を有効活用できているかを測る指標となります。

  • 人気店ほど回転率がカギ
    ディナーのピークタイムにテーブルが回らないと売上に直結してしまう。回転率を上げる工夫(注文から提供までの時間短縮やテーブルレイアウトの最適化)が欠かせません。
  • 滞在時間の管理
    カフェや居酒屋など、滞在時間が長い業態では売上アップに限界がある場合もあります。オペレーション改善やメニュー提供スピード向上で回転率を上げられれば、収益の伸びしろが生まれます。

第5章. 国内飲食店でKPIを活用した成功事例!

5-1. 「人時生産性」をKPIに掲げたサイゼリヤの成功例

国内飲食業界でKPIを活用している代表的企業として、株式会社サイゼリヤが挙げられます。同社は「高コストパフォーマンスで各店舗の売上アップを狙う」方針を掲げ、KGIとして粗利益や収益拡大を目指しながら、日々の改善指標となるKPIに「人時生産性」を設定しました。

  • 人時生産性とは?
    従業員1人が1時間に生み出す粗利益を数値化したもの。これにより、スタッフがどれだけ効率的に作業できているかを客観的に把握できます。
  • 具体的成果
    • 開店前の仕込み作業を1時間かけていたところを30分に短縮
    • より短時間で多くの料理を提供できる体制が整い、業界平均の3,000円を超える4,000円という人時生産性を達成
    • 店舗の回転率向上やサービススピードの改善でリピーター獲得にも寄与

サイゼリヤが導入した「人時生産性」というKPIは、多店舗展開をする企業だけでなく、小規模店でも十分応用可能です。たとえば、仕込み時間やオペレーション効率を数値化することで、「どこを改善すればムダやスタッフの負担が減り、売上や利益が伸びるか」が明確になります。こうした取り組みを続けることで、スタッフの意識改革にもつながり、長期的な店舗成長を支える重要要素になっているのです。

5-2. 原価率&人件費率を徹底管理し、利益率UPした小規模店

大規模チェーンだけでなく、小規模の飲食店でもKPI導入により利益率を上げた事例があります。たとえばあるカフェでは、以下のKPIを設定して地道に改善を続けました。

  • KGI:月間利益率10%(売上500万円なら50万円の純利益)
  • KPI
    • 原価率30%以下の維持
    • 人件費率25%以下の確保
    • 廃棄率(食材ロス)を週1%未満に抑える

具体的アプローチ

  1. メニュー構成の見直し
    • 原価率が高すぎるメニューを削減。代わりに利益率の高いスイーツやドリンクを拡充。
  2. シフト最適化
    • 平日昼間は2人体制、週末は3~4人体制など、ピークとアイドルタイムでシフトを変動。
  3. 週次ミーティング
    • 週ごとに人件費率や原価率を振り返り、数字が悪化すればすぐに改善策を共有。

こうした仕組みを半年ほど継続した結果、利益率が10%を超える月が増え、経営が安定してきました。限られたリソースを効率よく使いながら、数字に基づく地道なPDCAを回した好事例と言えます。


第6章. 飲食店のKPI設定についてよくある疑問

6-1. Q1:数字を追うあまりサービス品質が下がるのでは?

A:KPIに偏り過ぎると、接客や調理の質を損なう危険があります。そこで「顧客満足度」もKPIに設定しバランスを保つのがポイント。たとえばアンケートや口コミ評価を週ごとに確認し、数値と共に接客面のフィードバックも取り入れれば、数字だけを追う弊害を防げます。

悪い口コミなどへの実際の対応を知りたい方は、『【完全版】口コミで悪い評価がついた時の対処方法!返信の仕方から削除依頼まで徹底解説!』の記事で詳しく解説してます。

6-2. Q2:スタッフが数字を嫌がり、モチベーションが上がらない…どうすれば?

A:漠然とした「売上目標」よりも、誰もが分かりやすい指標を伝えると反応が変わります。たとえば「平均客単価を+200円」「ランチの来客数を平日で+10人」など具体化し、達成したら小さなご褒美を用意すると、スタッフは自分事として取り組みやすくなります。

6-3. Q3:KPIツリーを作ったが複雑すぎて使いこなせない…

A:まずは主要KPIを3~5個に絞り込むことが大切です。すべてを一度に管理しようとすると混乱のもと。月単位で慣れてきたら段階的に指標を追加し、最終的にツリーを完成させるやり方でも十分成果が出ます。シンプルから始めるのが成功のカギです。

6-4. Q4:コスト管理をKPIに入れたいが、どう設定すれば良い?

A:原価率や人件費率、損益分岐点を明確に数値化するのがおすすめ。たとえば「原価率30%以内」「人件費率25%以内」と設定し、週ごとにデータを記録。超過したら原因をスタッフと一緒に分析し、仕入れやシフトを調整していけば、目標を維持しやすくなります。

6-5. Q5:小規模店でもKPI導入は本当に必要?

A:小規模ほど、経営者の勘と経験だけに頼るとリスクが高いです。KPIを導入すれば、限られたリソースで何を優先すべきか明確になります。たとえば1日来客数や客単価の改善を可視化すれば、少ない投資でも大きな効果を狙いやすく、早めの軌道修正が可能です。

6-6. Q6:多店舗経営の場合、統一のKPIで管理すべき?

A:全店共通のKPI(売上高や客単価など)と、店舗固有の指標を組み合わせるのがベスト。立地や客層が違うと優先すべき数値も変わるため、基礎となる共通指標に加えて、それぞれの特徴を反映したKPIを追加し、横比較で良い施策を全店に展開すると効率的です。


第7章. 飲食店経営の成功には”KPIの設定”が重要!

飲食店の成功は、やみくもな頑張りだけでは難しく、具体的な数字を元にした戦略と運用が欠かせません。そこでKPIを取り入れると、売上や費用、客単価、新規顧客数などを可視化し、問題点を素早く見つけて改善へつなげやすくなります。さらに、目標値(KGI)との連動を意識すれば、「何をどのくらい達成すれば目的を果たせるのか」が明確になり、スタッフ全員で同じ方向を目指しやすくなるでしょう。

小規模店でも効果は同じです。むしろ、限られたリソースを最大限活かすためにこそ、KPI管理は有効手段といえます。重要なのは、まずは少数の指標から始め、慣れてきたら徐々に拡張すること。SNS評価なども含め、店舗の実情に合ったKPIを丁寧に追えば、数字を“味方”にできるはずです。結果として、スタッフのモチベーションが高まり、リピート率や利益率が上がる好循環を生み出しやすくなるでしょう。

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この記事を書いた人

鵜飼 あきひろのアバター 鵜飼 あきひろ 株式会社Grill 取締役/店舗経営・集客コンサルタント

2014年にオイシックス株式会社で海外事業を担当後、香港・中国現地法人の社長に就任。
2017年に起業した株式会社Emooveでは代表として事業を成長させ売却・EXIT。
現在は株式会社Grillの取締役COOとして複数の飲食店舗を経営する傍ら、現場目線で成果の出る集客支援に取り組んでいる。
豊富な実践経験と経営視点を活かし、小さなお店の“ファンづくり”をサポートするのが信条。

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