飲食店で毎月かかるランニングコストの内訳と目安!効果的なコスト削減方法まで大公開!

飲食店で毎月かかるランニングコストの内訳と目安!効果的なコスト削減方法まで大公開!
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目次

第1章. 飲食店におけるランニングコストとは何か?

飲食店におけるランニングコストとは何か?

飲食店を開業する際、多くの方が最初に悩むのは「設備投資や物件取得にかかる費用」です。これはイニシャルコストと呼ばれ、内装工事費や厨房機器購入費、保証金など“一度きり”の支払いがメインです。一方、ランニングコストは毎月あるいは年単位で継続的にかかり続ける経費で、飲食店経営の資金繰りを左右する重要な要素と言えます。

たとえば、居酒屋を始めたばかりのオーナーが、開業時に想定外の内装費を使ってしまい、オープン後1~2ヶ月は「そこそこ売上があるから大丈夫だろう」と思い込むケースをよく見かけます。ところが、材料費(食材・ドリンクの仕入れ)や家賃、人件費などのランニングコストが予想を上回ると、数ヶ月後にはあっという間に資金がショートしてしまうのです。

  • ポイント
    • イニシャルコスト:開業時のみの大きな出費(物件取得費、内装設備費など)
    • ランニングコスト:経営継続中ずっと払い続ける毎月・年単位の出費(材料費、家賃、人件費、光熱費など)

第2章. 飲食店のランニングコストの内訳と計算方法

飲食店のランニングコストの内訳と計算方法

2-1. 食材・ドリンク原価(F):仕入れ先と在庫管理が経営を左右する

ランニングコストの中で特に比率が大きいのが、Food(フード)とも呼ばれる材料費です。主に食材やドリンクの仕入れ費用が該当し、売上と直結するため、飲食店にとって最も重要な経費の一つと言えます。肉・魚・野菜・酒類などをどう調達し、どれだけロスなく使い切るかで、最終的な利益が大きく変わります

  • 食材費が膨らむ原因例
    • メニュー数が多すぎて在庫が増え、廃棄が多い
    • 仕入れ先をずっと固定し、相見積もりや交渉をしていない
    • ロス管理が甘く、食材を使い切る前に腐らせる・期限切れにしてしまう

筆者の実践談:材料費削減Tips

筆者がコンサルした地元のイタリアン店舗では、10社近くの仕入れ先を細かく使い分けていました。しかし、実際の発注数を見てみると、各仕入れ先への注文が少量すぎてバラバラ。在庫管理が複雑になり、「いつ・どこで・何がどれだけ余っているか」を把握できない状態でした。そこでまとめられるものは1~2社に集約し、他は相見積もりを取り直したところ、月の材料費が約15%削減できました。さらに在庫管理が簡単になり、フードロスも激減しています。

2-2. 人件費(L):固定費と変動費のハイブリッド要素

次に大きいのが人件費(Labor)です。社員の場合は給与・社会保険料など、どんなに売上が落ち込んでも毎月一定額を支払わなければならない“固定費”部分があります。一方で、アルバイトのシフト時間や人数は売上や客数に応じて調整しやすいため、変動費に近い側面も持っています。

人件費が高騰しやすい理由は、ピークタイムに合わせて過剰にスタッフを入れるといった運用ミスや、そもそも経営者が労務管理に苦手意識を持ち、ズルズルとシフトを入れっぱなしにしていることなどが挙げられます。極端に削りすぎるとサービス低下が起こりリピーターが減るので、バランス感覚が重要です。

2-3. 家賃(R):固定費の王様とも言える負担

「物件取得の費用はイニシャルコスト、契約後の賃料はランニングコスト」という形になります。家賃は毎月の支払いが確定しているため、売上が低い月でも同じ額が出ていきます。繁華街の好立地物件ほど家賃は高く、逆に郊外は安いものの広告宣伝費がかかる場合もありどこで営業するかは飲食店経営において非常に大きな決断ポイントです。

2-4. 広告宣伝費:新規集客の要だが無駄も潜みがち

飲食店の広告宣伝費には、グルメサイトの掲載料、SNS広告、紙チラシ、フリーペーパーなど多岐にわたる方法があります。これらは費用対効果を常に検証しないと、ただお金をかけただけで全く集客につながらない可能性もあります。一方、広告を全くしないと新規客が増えにくくなるため、費用対効果が高い媒体を見極めることが大切です。

2-5. 光熱費:電気・ガス・水道をまとめて見直す

飲食店は調理にガスや電気を大量に使い、水道も洗い物や清掃で頻繁に使います。さらに店内空調も必須なため、光熱費は業態や営業時間により大きく変わるのが特徴です。ラーメン店や居酒屋のように長時間営業する店舗は、電力会社やガス会社のプランをこまめに見直すだけでも数千~数万円の違いが出るケースがあります。

2-6. 年単位で見落としがちな保険・リース・保守点検・税金

火災保険やリース料、設備の保守点検費、店舗関連の税金などは、月々ではなく年単位・数年単位で発生することが多いため、開業当初に契約したまま“そのまま放置”されがちです。保険料の見直しやリース契約の切り替えでランニングコストが意外と下がる事例は少なくありません。

2-7. 5大コスト+年単位コストの合算で“損益分岐点”をシミュレーションする

飲食店ランニングコスト内訳と比率

最後に、上述の食材・ドリンク原価+人件費+家賃+広告宣伝費+光熱費に加え、年単位のコストを月割りして合算します。その合計が「1ヶ月あたりに確実に出ていくお金」です。そこに変動費率を加味し、

損益分岐点売上 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)

で導き出せます。変動費率とは材料費やアルバイト人件費など、売上に連動して増減しやすい経費の割合のことです。具体的な数字を入れて計算してみると、「最低でも月200万円売上ないと赤字になる」といった現実が明確になります。ここを超えた分が利益になるわけです。


第3章. 飲食店のランニングコスト削減①:食材・ドリンク原価の見直し

飲食店のランニングコスト削減①:食材・ドリンク原価の見直し

3-1. 相見積もりと共同購入で仕入れコストをグッと下げる

材料費(Food)は売上に直結するコストの大黒柱とも言えます。仕入れ単価が少し違うだけでも、月間ベースで見れば大きな差に繋がるのが飲食店の怖いところです。そこで有効なのが相見積もり共同購入。一社だけにずっと頼らず、複数の卸業者に見積もりをとり価格交渉をする、近隣店舗とまとまった量をまとめ買いしてディスカウントを受けるなどの工夫をぜひ実行してみましょう。

  • 共同購入の例
    • 隣りの居酒屋やカフェと協力して野菜を一括で注文
    • 仕入れ業者に「まとめて買うから単価を下げてほしい」と交渉
    • 結果的に両者の仕入れコストが10~15%ほど下がる可能性

3-2. メニュー数を絞り込み、廃棄ロスをゼロに近づける

メニューが豊富なことは一見メリットに思えますが、実際には仕入れる食材の種類が増えて在庫管理が複雑化し、食材ロスが多発するリスクも抱えています。注文の少ないメニューが多いと、結果として廃棄が発生し、材料費が無駄にかさんでしまうのです。

  • メニュー絞り込みのメリット
    • 廃棄ロスを減らして、食材を使い切れる
    • オペレーションがシンプルになり、提供スピードアップ → 回転率アップ
    • 看板メニューが際立ちやすくなり、ブランドイメージの強化につながる
仕入れコスト削減の3つの工夫

第4章. 飲食店のランニングコスト削減②:人件費の最適化

飲食店のランニングコスト削減②:人件費の最適化

4-1. 多能工化とシフト管理の徹底で“少人数でも回る店”を実現

飲食店経営のランニングコストの中でも人件費は大きな割合を占めます。ピーク時の混雑をさばくためについスタッフを多めに入れると、売上が不安定な日でも一定の給与を支払う必要があり、利益を圧迫しがち。そこで注目したいのが多能工化シフト管理の見直しです。

多能工化とは、ホール担当もキッチン補助やドリンク作成など複数のポジションを兼任できるようにする取り組みです。特定の人だけに依存しない体制を作ると、少人数でも回りやすい店舗運営が可能になり、人件費を削りすぎなくてもコストを抑えられます。また、シフト管理を徹底してピークタイムだけ厚く人員を配置し、アイドルタイムは最少人数にすることで、給与の無駄をカットできます。

筆者体験談:バカにならない人件費

従来はランチピークにアルバイトを4人入れていた居酒屋をサポートした際、AIシフト管理ツールを導入して一日の流れを分析しました。すると、ピーク以外の時間に3~4人も居残っていた状態だと判明。最適化後はスタッフ数を必要最低限に抑え、月の人件費を2~3万円ほど節約しつつも、サービス品質を落とさずに済みました。

研修コストと回収効果

  • 多能工化の教育には研修費や時間が必要ですが、一度仕組み化できればスタッフの離職率が下がりやすいメリットもあります。
  • 研修で各ポジションのノウハウを共有し合うと、仲間同士で教え合う文化が育ち、結果的にオーナーが現場を離れても回りやすくなるというアップサイドもあります。
少人数で回せる店づくりのポイント

4-2. 離職率を下げれば採用コストも減らせる

新スタッフの採用や育成には、求人広告費や面接・研修などさまざまな費用がかかります。短期間で辞める人が続出すると、そのたびに資金を投じて採用を繰り返す羽目に。逆に言えば、離職率を下げると長期的に人件費を効率化でき、飲食店経営が安定しやすくなります。

離職率を下げるポイントは、単に時給や給与を上げるだけではありません。スタッフ同士のコミュニケーションが活発でやりがいを感じられる環境づくりが大切です。週1回程度のミーティングや定期的な面談を実施して、不満や悩みがあれば早めに解消する仕組みを作りましょう。特に若いアルバイトは「評価されているか」「将来に役立つスキルが身につくか」を重視する傾向があり、こうしたケアが離職防止につながります。

専門家コメント:採用コスト

「一人辞めるたびに最低10〜20万円分の採用・研修コストが飛ぶと考えてください。小規模店ほどダメージが大きいので、“辞めさせない仕組みづくり”こそがランニングコスト削減の近道です。」


第5章. 飲食店のランニングコスト削減③:立地選びと更新交渉

飲食店のランニングコスト削減③:立地選びと更新交渉

5-1. 駅前物件がベストとは限らない:家賃×売上のバランス検証

家賃は飲食店経営における最大の固定費のひとつであり、売上が少ない月でも支払いが続きます。繁華街の駅前物件は確かに集客が見込めますが、月30万〜50万円といった高額家賃に見合うだけの売上を必ずしも確保できるとは限りません。開業時や移転を検討する段階で「この立地で本当に売上は回収できるのか」を冷静に計算する必要があります。

例えば都心では客単価を上げやすい一方、家賃負担が毎月重くのしかかり、売上が落ち込むと一気に赤字へ転落してしまうリスクが高まります。逆に郊外や駅から少し離れた場所でも、広告宣伝費を上手に使って集客できれば、家賃対売上比率を抑え、安定した利益を生み出せる可能性があります。

筆者体験談:バランスを考えた結果

元々駅前テナントを借りていたカフェで、月30万円以上の家賃が負担になり資金繰りに苦しんでいました。そこで徒歩5分ほど離れた物件へ移転し、家賃を月15万円に半減。SNSやGoogleマップで位置情報を積極的に発信して大きな売上減は起きず、むしろ実質コスト減で利益率がアップしました。

都心 vs 郊外の家賃相場

  • 都心:相場は15坪で月30万円〜。客数は取りやすいが競合店も多い
  • 郊外:月10万〜15万円台が一般的。集客方法や交通アクセスに工夫が必要

5-2. 更新時期や空室率を味方につけて家賃交渉に成功する

家賃を見直すタイミングは、契約更新時や近隣の空きテナント率が増えたときなどが狙い目です。オーナー側にとっては空きテナントを作るリスクがあるため、賃借人の長期入居メリットをアピールすることで、毎月数千円〜数万円の値下げに応じてくれるケースも決して珍しくありません。


第6章. 飲食店のランニングコスト削減④:広告宣伝費の再点検

6-1. 全停止は危険!SNS・グルメサイト・チラシをどう見極めるか

広告宣伝費は、ランニングコストの中でも削りやすい項目と思われがちです。しかし、一切広告を打たなくなると新規客が増えず、固定客だけでは売上が頭打ちになることも。そこで重要なのは、それぞれの媒体ごとの費用対効果(CPA: 1人集客あたりの広告費)をしっかり計測し、効果の薄いものだけ減らすことです。

  • 主な広告媒体
    • SNS広告(Instagram、Facebookなど)
    • グルメサイト(食べログ、ホットペッパーなど)
    • 紙チラシ、フリーペーパー
    • 地域情報誌、テレビ・ラジオCM

6-2. リピート率UPで広告費を抑える:口コミやSNS発信を促す仕掛け

新規集客だけでなく、常連客がリピートしながら口コミで他のお客様を呼んでくれる仕組みを作ると、継続的に広告費を押さえられます。たとえば、LINE公式アカウントやポイントカードを導入し、既存顧客にクーポンやイベント情報を定期配信すると再来店に繋がりやすくなります。


第7章. ランニングコスト削減⑤:光熱費の内訳確認

ランニングコスト削減⑤:光熱費の内訳確認

7-1. 古い厨房機器は“電気代爆食い”になっていないか?

飲食店の光熱費は、営業時間が長ければ長いほど増大しやすい経費です。とくに調理に使うガスやIH機器、店内空調(エアコン)、冷蔵・冷凍庫などの厨房機器は大量の電力を消費します。古い機器ほど省エネ性能が低く、必要以上に電気・ガスを使っているケースが少なくありません。

  • 買い替え検討のポイント
    • エアコンが10年超え:最新省エネモデルだと年間1~2万円程度光熱費を抑えられる可能性
    • 冷蔵庫・冷凍庫の劣化:パッキン部分が傷んでいると冷気ロスが多く、電気代が余計にかかる
    • ガスコンロの燃焼効率:古いタイプだと火力は強いがガス使用量も多く、ガス代が高止まり

筆者体験談:省エネモデルに変えただけで

「ある居酒屋のエアコンが20年前の旧式モデルで、夏場の電気代が月5万円を超えていました。省エネ型に替えたら冷房効率が上がり、月4万円程度にまで削減。2年で投資額を回収できた計算です。」


7-2. 電力・ガスプランの切り替えと日常の節電テクで差をつける

高額な光熱費に悩む飲食店でも、案外見直していないのが契約プランです。大手電力会社やガス会社が提供するプランを適切に選んでいないと、不要に割高な料金を払っている可能性があります。営業時間が夜型なら夜間割引プラン、仕込みが朝早いなら朝型プランを検討するなど、店の営業スタイルに合わせた契約がカギです。

  • 節電テクの例
    • 空調管理:店内の室温を1度高めに設定するだけでも消費電力が数%減
    • LED照明:初期投資はかかるが、長期的には電気代を大きくカット
    • お湯の温度調節:洗い物が少ない時間帯は給湯温度を少し下げる

第8章. その他に飲食店が見直しすべきランニングコスト

8-1. 火災保険料を安くするには?店舗規模や設備を見直せ

飲食店では油を使う調理が多く、火災リスクが高めとみなされるため、火災保険の保険料が高く設定されがちです。しかし、補償内容が過剰であれば見直しの余地があります。例えば内装の耐火性能が高い素材を使用すると、保険料を抑えられることもあります。

  • 保険料見直しのステップ
    1. 加入中の補償範囲を確認(地震・水害などを含めているか)
    2. 店舗の耐火性能や消防設備の有無を再チェック
    3. 複数の保険会社に見積もりを依頼し、比較検討

8-2. リース機器・保守費・税金を見直すチェックポイント

リース契約で導入した厨房機器やレジなどは、契約期間中にあまり使わなくなった機材があれば、解約・プラン変更ができないか見直しましょう。また、給排水設備の保守点検費をずっと同じ業者に任せている場合も、他社から相見積もりを取るだけで数千円〜数万円単位のコスト減が期待できるかもしれません。

税金の管理

  • 償却資産税:調理機器や什器などの固定資産は自治体へ申告が必要。適切に処理すれば過剰納税を防げる
  • 法人税・個人事業税など:税理士に相談して経費計上や減価償却を見直すと、結果的に負担を下げられるケースあり

第9章. 飲食店がランニングコスト削減するための5つのステップ

ランニングコスト削減するための5つのステップ

9-1. 月次データを集計&目標設定 → すぐに交渉・見直しに取りかかる

ランニングコストの削減は、一度に全部を完璧にやる必要はありません。まずは、次の5ステップを意識して行動に移してみましょう。

  1. 現状把握:食材費・人件費・家賃・広告費・光熱費・保険・リース・税金などをリストアップ
  2. 数値を集計:月次ベースで合計し、「どの項目が何%を占めているか」可視化
  3. 目標設定:FL比率(55〜60%以内)を目指す、家賃を売上の○%以下に抑えるなど明確なゴールを立てる
  4. 交渉・プラン切り替え:仕入れ先を見直す、家賃更新時に交渉、電力ガス会社変更など行動
  5. 検証・再調整:数値の変化をモニタリングし、必要に応じて新たな改善策を追加

専門家コメント:交渉や見直し

「最初の1〜2ヶ月は実行できる項目を減らしてもいいから、とにかく1つずつ交渉や見直しをやってみること。結果が出ればモチベーションも上がって、他の削減策にも積極的に取り組めます。」


9-2. 四半期ごとに再点検

ランニングコストの最適化は一度やって終わりではありません。仕入れ価格が変わったり、スタッフの入れ替わりがあったり、家賃相場や電力プランが改定されたりと、状況は常に動いています。そこで、四半期ごとに経費をチェックしましょう。

  • チェックのポイント
    • 食材費やロス率が上がっていないか
    • シフト管理が形骸化していないか
    • 契約更新が近い保険やリースはないか
    • 売上の変化に対して広告費は適切に使われているか

第10章. 飲食店のランニングコストに関するよくあるQ&A

10-1. Q1:イニシャルコストとランニングコストの違いは?

A:開業時だけに発生する内装工事費や厨房設備費などが「イニシャルコスト」です。一方で、材料費や家賃、スタッフ給与、光熱費といった「ランニングコスト」は営業を続ける限り毎月・年単位で支払うもので、経営の資金繰りを左右します。


10-2. Q2:家賃を交渉するタイミングは?

A:契約更新時や空きテナント率が上がった時期など、大家側がリスクを感じやすいタイミングが狙い目です。長期入居による安定収入をオーナーにアピールすると、月数千円〜数万円の家賃引き下げに応じてもらえる可能性が高まります。


10-3. Q3:スタッフ削減はどこまで可能?

A: 過度な人件費カットは接客レベルの低下や離職率上昇を招き逆効果です。多能工化で一人が複数のポジションをこなし、ピークとアイドルタイムのメリハリをつけたシフト管理を徹底すれば、無理なくスタッフ数を最適化してコストを抑えられます。


10-4. Q4:広告費は完全にゼロにしていい?

A:一切広告を打たないと新規客が増えず、売上が伸び悩むリスクが高まります。費用対効果の低い媒体だけ削り、SNSやクチコミを活かしてコストをコントロールしましょう。常連化施策と連動させれば、少ない予算でも集客を維持できます。


10-5. Q5:食材ロスを防ぐ方法は?

A: 売れ筋と不採算メニューを分析し、メニュー数を適切に絞ると廃棄食材の削減に効果的です。さらに仕入れ先を再検討し、ロス率をモニタリングしながら無駄を減らせば、食材費が下がると同時に仕込みや在庫管理の効率も上がります。


10-6. Q6:補助金や助成金の活用方法は?

A: POSレジや省エネ設備導入に使えるIT導入補助金、店舗改装や人材育成を支援する各種助成金などが活用候補です。申請には書類作成が必要ですが、導入コストを大きく抑えられるため、結果的にランニングコストの長期削減に繋がります。


第11章. 飲食店経営はランニングコストの最適化が鍵!

ランニングコストとは、飲食店経営を続けるうえで毎月・年単位で支払う費用の総称です。食材費、人件費、家賃、広告費、光熱費などが中心ですが、保険やリース、税金も含まれます。これらを一つずつ見直し、適正化を図ることで、利益率が大幅に向上し、経営の安定が見込めるでしょう。

ランニングコストを全体的に見直して利益率を高めたい方は、『飲食店の経費削減完全マニュアル!すぐに効果が出るコスト最適化のアイデアをすべて大公開!』の記事もおすすめです。

削減策の実行後は四半期ごとに効果を検証し、新たなプランや交渉を重ねることで、より持続的な成長を目指せます。攻めの投資と堅実な固定費削減のバランスを取りながら、長期的に愛されるお店を作っていきましょう。

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この記事を書いた人

鵜飼 あきひろのアバター 鵜飼 あきひろ 株式会社Grill 取締役/店舗経営・集客コンサルタント

2014年にオイシックス株式会社で海外事業を担当後、香港・中国現地法人の社長に就任。
2017年に起業した株式会社Emooveでは代表として事業を成長させ売却・EXIT。
現在は株式会社Grillの取締役COOとして複数の飲食店舗を経営する傍ら、現場目線で成果の出る集客支援に取り組んでいる。
豊富な実践経験と経営視点を活かし、小さなお店の“ファンづくり”をサポートするのが信条。

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