【集客アップ】飲食店の面白いイベント企画の考え方!具体的なアイデア集と成功事例を大公開!

【集客アップ】飲食店の面白いイベント企画の考え方!具体的なアイデア集と成功事例を大公開!
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目次

第1章 なぜ「面白いイベント」が飲食店に重要なのか?

なぜ「面白いイベント」が飲食店に重要なのか?

昨今の飲食店業界は、コロナ禍からの回復と同時に、新規出店や業態変更が相次ぎ、競合が激化しています。そんな中、単なる“食事提供”だけでなく、「面白いイベント」を開催する店が注目を浴びるようになってきました。ここでは、面白いイベントがなぜ飲食店にとって重要なのか、3つの視点から解説します。

1-1. SNSやクチコミで話題を広げるエンジンになる

イベントの“拡散力”が広告費を抑える

SNSが普及している現代では、お客様が「このお店のイベント、すごく楽しかった!」と写真や動画を投稿してくれるだけで、大きな宣伝効果が得られます。広告費をかけずとも、内容が面白ければ自然発生的に話題が広がるのがイベントの強みです。

都市部のあるカフェでは、週末限定の「パンケーキアート教室」を実施。参加者が作ったカラフルなパンケーキをInstagramにアップし合い、その写真がSNSでバズりました。結果、週末の予約が3週間先まで埋まるほどの盛況に。広告を打たずともSNS上のクチコミだけで集客できた一例です。

クチコミは信頼度が高い

SNSや友人からの「実際に体験した感想」は、広告以上に信頼度が高いとされています。特にX(旧Twitter)やTikTokなど、リアルタイムで感じた面白さをシェアする媒体は、イメージをダイレクトに伝えやすいのが特徴です。

1-2. 「食べる以上の体験」でリピーターが増える

集客アップにつながるポイント

思い出に残る“特別感”が再来店を促す

料理が美味しいことは飲食店の前提ですが、そこに“イベント”というプラスアルファの楽しみを加えると、お客様の満足度は格段に上がります。人は「思い出に残る体験」をすると再び同じ場所を訪れたくなるものです。

求めているイベントは”体験重視型”

近年の消費傾向として、安さやボリュームよりも「体験の質」を重視する顧客層が増えています。飲食店のイベントは、こうした“体験重視型”のニーズにマッチしているといえます。

1-3. 競合店との差別化を図りやすい

同業態が多いほど“イベント力”が効く

同じ駅や商業エリアに類似の居酒屋やカフェが乱立しているケースは珍しくありません。そこで「オリジナルの面白いイベントを打ち出している店」は、たちまち注目されます。

ブランド力向上にも貢献

    イベントで生まれた熱狂やクチコミが、お店の“ブランド”をじわじわと高めてくれます。価格競争に巻き込まれず、ファンが自ら宣伝してくれる体制を作れるのもイベント施策の大きなメリットです。


    第2章 イベント企画で押さえる3つの方法

    イベント企画で押さえる3つの方法

    イベントを成功させるには、「面白そうな企画」を思いつくだけでは不十分です。しっかりとした軸や考え方がないと、せっかくのアイデアが活きずに終わってしまうことも。ここでは、イベント企画において必ず押さえてほしい3つの方法を紹介します。

    2-1. 店のコンセプトを明確にする

    なぜコンセプトが大事なのか

    飲食店のイベントとはいえ、何でもかんでも自由にやっていいわけではありません。お店の“世界観”や“強み”に合っていない企画は、お客様の混乱を招くだけ。面白さと併せてまずは自店が「どんな雰囲気・客層・売り」をもつかを再認識することが大切です。

    ポイント

    1. ターゲット層の確認:学生中心か、ビジネス層か、ファミリー向けか
    2. メニューの特長:和食、イタリアン、カフェ、バーなど
    3. 価格帯や客単価の目安:高級志向か、リーズナブル志向か

    合わないイベントが失敗を招く例

    例えば、高級フレンチレストランで「激辛大食い選手権」を開催しても、既存顧客からは「店らしくない」「雰囲気が崩れた」と嫌われるかもしれません。コンセプトと企画内容が噛み合わなければ、かえってマイナスイメージとなるのです。

    2-2. リピーターが増える企画で差別化する

    “一度きり”では終わらせない工夫

    面白いイベントは新規客を呼び込む大きなチャンスですが、その場限りで終わってしまうと収益に直結しにくいことも。リピーターを増やす仕組みを組み込むことで、イベントの効果が長続きします。

    リピーター施策例

    • 会員限定イベント:LINE登録者・メルマガ会員・スタンプカードを持っている人だけが参加できる日を設ける
    • 次回以降の割引クーポン配布:イベント参加者に「また来たい」と思わせる動機を与える
    • VIP特典:来店回数が多い常連へ特典メニューやシークレットメニューを案内

    差別化のキモは“お店ならでは”の体験

    ライバル店も同様にイベントを企画している場合、「他店にはない面白い体験」を入れることで差別化が可能です。たとえば和食店なら日本酒の新銘柄試飲会、イタリアンなら限定ワイン会などが考えられます。

    2-3. アナログとデジタルを組み合わせて集客する

    デジタル施策:SNSやMEOの活用

    • SNS投稿・広告:Instagramで映える写真、X(旧Twitter)でキャンペーン情報を拡散、TikTokで動画投稿など
    • MEO対策:Googleビジネスプロフィールを更新し「地域名+ジャンル」で検索されたときに上位表示を狙う

    アナログ施策:チラシ・ポスター・地域連携

    • チラシ配布:近隣マンションや商店街、大学構内にイベントチラシを貼る・置く
    • 地域情報誌・フリーペーパー:地元住民が意外とチェックしているメディアを活用
    • 商店街や観光協会との連携:地元の祭りやイベントとタイアップする

    二刀流で効果アップ

    SNSやネット告知だけではリーチできない層もいる一方、チラシだけでは若い世代への訴求力が弱いかもしれません。オンラインとオフラインを併用する“二刀流”こそが、幅広い年代や地域の人々を呼び込む鍵です。

    面白いイベントの集客にも活用できる販促手法を『【完全版】飲食店の販促方法をすべて大公開!売上や来店効果の高い手法を徹底解説!』でも紹介しています


    第3章 面白いイベントのアイデア集:概要と具体例

    面白いイベントのアイデア集:概要と具体例

    ここからは、実際に飲食店で取り入れやすいイベントアイデアを「概要」と「具体例」に分けて紹介します。先述した「コンセプト明確化」「リピーター施策」「アナログ&デジタル集客」を念頭に置きながら、ぜひ自店に合った面白い企画をピックアップしてみてください。

    3-1. 季節や天候を活かしたイベント

    【イベント概要】

    日本は四季折々の行事や食材が豊富。季節感を打ち出したイベントは、自然とお客様の興味を引きやすいです。また、天候に応じた割引やサービスを設定すると、SNS上で「今日は雨だからあのお店がお得!」と話題になる場合も。

    • メリット
      • 定期的に内容を変えられるため、マンネリ化しにくい
      • 季節限定メニューと組み合わせやすい

    【具体例】

    1. 春のお花見セット&店内お花見装飾
      • 店内に桜の造花や提灯を飾り、お花見気分を演出。
      • 桜をイメージしたドリンクやデザートを期間限定で提供。
      • 実施事例: 地域の和食店が“桜餅作り体験”を同時開催し、SNS投稿で一躍人気に。
    2. 雨の日ドリンク半額キャンペーン
      • 「雨が降ったらビール半額」「台風接近でスペシャル割引」など、天候と連動。
      • SNSで予報を見たお客様が「こんな日は行ってみよう」と来店してくれる。
      • 成功談: 小さなバーで実施したところ、「雨でも出かける理由になる」という声が多数。平日夜の売上が20%アップ。

    3-2. SNS映え&写真映えを狙った企画

    【イベント概要】

    特に若年層をターゲットとする場合、SNS映えは面白い企画の強力なフックになります。料理やドリンクの見た目を際立たせるだけでなく、店内に“撮影スポット”を設置するなど、シェアされやすい仕掛けを作りましょう。

    • メリット
      • 顧客自身が写真を拡散してくれるので低コスト
      • 店名やハッシュタグが広まりやすい

    【具体例】

    1. フォトジェニックドリンクコンテスト
      • 季節限定やカラフルなドリンクを用意し、「SNSに投稿してくれた方に次回割引」など特典を付与。
      • 事例: カフェXでは、渦巻きのクリームを乗せたレインボードリンクが「面白い!」とSNSで拡散され、週末売上1.5倍に。
    2. インテリア&小物で撮影スペースを演出
      • 花びらやライト、可愛い小物を使って店内の一角をフォトブースに。
      • 背景に店名やハッシュタグが入るように工夫するとブランド名が自然に広がる。

    3-3. リピーター限定・クローズドイベント

    【イベント概要】

    新規客獲得だけでなく、既存のお客様をより強いファンに育てるイベントも欠かせません。常連だけが参加できる「クローズドイベント」は特別感が高く、リピーター施策として絶大な効果を発揮します。

    • メリット
      • ロイヤルカスタマーを創出し、安定した売上につながる
      • 特別感が口コミで広がり、新規客の興味もかき立てる

    【具体例】

    1. 会員様限定ワイン会・日本酒会
      • LINE登録者やポイントカード所持者だけを招待。
      • 希少酒やレアな銘柄を少量ずつテイスティングできるようにしておく。
      • 成功談: イタリアンYでは月1回のワイン会を開催し、会員制が人気化。翌月の予約がすぐ埋まるようになった。
    2. 誕生日月・記念日限定イベント
      • 誕生月の顧客にバースデークーポンを送付し、当日にサプライズ演出。
      • 夫婦やカップルの記念日には特別メニューを提供し、写真をプレゼント。
      • 効果: イベント後にも「次の誕生日はまたここで」とリピートしてくれる傾向大。

    3-4. チャレンジ系&ゲーム要素を取り入れる

    【イベント概要】

    サイコロやルーレット、大食い・激辛チャレンジなど、ゲーム的要素を組み込むと一気に盛り上がりやすいです。動画映えもしやすく、XやTikTokで拡散されやすい特徴があります。

    • メリット
      • お客様同士が面白いと盛り上がりやすい
      • “やってみたい”と他店にない体験を求める新規客が集まる

    【具体例】

    1. サイコロ割引/ルーレット割引
      • 会計時にサイコロを振り、出た目が偶数ならドリンク無料など。
      • 実例: バーZで導入したところ、動画撮影率が高くTikTokで再生回数10万回を突破。
    2. 激辛チャレンジ・大食い企画
      • 制限時間内に完食すれば無料、それ以外は通常料金などルールを設定。
      • 健康面や安全性を考慮した適切なレベル設定が必要。

    第4章 イベント告知のコツ:オンラインとオフラインの二刀流

    面白いイベント・企画アイデア大全

    「どんな面白いイベントをやるか」を決めたら、その次は“告知”が勝負どころです。せっかく魅力的な内容でも、認知されなければ人は集まりません。本章では、オンライン(SNSやWEB)とオフライン(チラシやポスター、口頭宣伝など)を組み合わせるポイントを整理します。

    4-1. SNSを活用したオンライン告知

    SNSを活用したオンライン告知

    (1) 飲食店のイベント告知に活用したいSNSの特徴

    • Instagram:写真・動画がメイン。映える料理写真やイベント準備風景、ストーリーズでのリアルタイム告知が強い。
    • X(旧Twitter):即時性が高く、短い文章と写真で広く拡散しやすい。ハッシュタグを活用したキャンペーン向き。
    • TikTok:短い面白い動画でインパクトを与えやすい。若年層へのリーチに優れる。

    SNSを使った集客で必要な運用方法については『【2025年最新版】飲食店のSNS運用完全攻略!店舗集客に効果のある活用術を徹底解説!』の記事で詳しく解説しています。

    (2) 面白いイベントに効くハッシュタグの付け方

    「#店名 + イベント名」のように独自ハッシュタグを付けると、投稿を見た人が関連投稿を探しやすくなります。また、告知のビジュアルを統一すると、店舗イメージがブレずに広がる効果も。

    (3) 飲食店イベントを成功に導く告知タイミングと頻度

    • 1か月前:イベント告知をスタートし、興味を持ってもらう。
    • 2〜3週間前:予約受付や詳細の公開。
    • 1週間前〜前日:カウントダウン的に「残席わずか」「新メニュー準備中」といった追加情報を随時投稿。

    私が支援したある居酒屋では、Xで週2回ペースの投稿を継続。イベント1週間前からは毎日少しずつカウントダウンして、最終的には当日だけで40人の予約が入るほど盛況に。頻度を上げすぎず、タイミングを絞るのがコツです。


    4-2. チラシ・ポスターなどアナログ宣伝の活用

    (1) 面白いイベントを広めるためのチラシ活用術

    • 店頭配布:レジ横やテーブル上に設置し、会計時に手渡す。
    • 周辺店舗・施設への協力依頼:近隣の美容院やサロン、カラオケボックス、大学などにチラシを置いてもらう。
    • 郵便ポスティング:マンションや住宅街へ直接投函する方法も有効だが、費用やルールを事前確認する必要あり。

    (2) 飲食店イベントを地域に広めるポスターと媒体活用

    • ポスター掲示:商店街の掲示板、駅周辺の情報コーナーなどに申請して貼る。
    • 地域情報誌やフリーペーパー:シニア層やファミリーに刺さる媒体の場合はおすすめ。無料または低コストで掲載できることもある。

    (3) 面白いイベントは“紙×ネット”の二刀流で拡散

    チラシやポスターにQRコードを印刷し、SNSや予約フォームへ誘導すると相乗効果を得やすいです。アナログ世代にもデジタル世代にもアプローチできる二刀流が鍵となります。


    4-3. スタッフや常連客による“口伝え”の威力

    意外と侮れないのが、店員や常連客を通じたクチコミです。特に常連客はお店への愛着が強く、面白いと感じれば自発的に友人や同僚をイベントに誘ってくれることも多いです。

    • スタッフ向けの案内:まずは従業員全員がイベント内容をしっかり理解し、自分の言葉でお客様に勧められるようにする。
    • 常連への告知:リピーター限定の裏メニューや先行予約特典を用意すると、「友人を連れて行きたい」といった動機づけにつながる。

    4-4. 事前予約システム・チケット販売を考慮する

    イベントの規模が大きい場合や、人数を限定したいイベントでは、事前予約やチケット販売が有効です。オンライン決済ツールや予約管理システムを導入しておくと、当日スムーズに運営できます。

    • メリット
      • 人数把握がしやすく、食材・スタッフ手配を最適化できる
      • キャンセルが出てもキャンセル料ポリシーを明確に設定できる

    第5章 イベント当日の運営と盛り上げポイント

     イベント当日の運営と盛り上げポイント

    いよいよ迎えたイベント当日。事前の準備はできていても、その日の運営で不手際があるとお客様の満足度が下がり、次回のリピーター獲得につながりにくくなります。本章では、当日を円滑に進めるための具体的なポイントを紹介します。

    5-1. スタッフ配置と役割分担

    (1) イベント用リーダーの設定

    イベントの進行・演出に責任を持つリーダーを1人決めておくと、全体を俯瞰して判断しやすいです。リーダーが状況を把握しながら指示を出すことで混乱を防ぎます。

    イベントでも活きる接客力の基本は『飲食店での好印象な接客の極意を徹底解剖!リピーターを獲得する理想の対応方法!』をご覧ください。

    (2) セクションごとの担当者

    • 受付担当:来店者の予約確認・席案内など
    • 会計担当:通常営業時とは別に、イベント参加費や特典料金の管理
    • 案内・盛り上げ担当:司会進行やお客様のフォロー、SNS投稿の手助け(写真撮影など)を行う

    バーで「DJナイト」を開催したとき、通常オーダーを捌くスタッフと音響機材を管理するスタッフを分けたことで、どちらもスムーズに回せました。当日に慌てることが減り、お客様からも「スタッフが親切で聞きたいことをすぐ案内してくれた」と好評でした。


    5-2. 当日の演出や雰囲気づくり

    (1) 店内装飾&BGM

    イベントのテーマや季節感を反映した飾りつけや照明の調整を行い、特別な空間を演出します。小さな工夫で“非日常感”が高まり、写真映えもしやすくなります。

    (2) 面白いイベントを盛り上げるタイムテーブルの工夫

    ライブ演奏やワークショップなど“出し物”がある場合は、タイムテーブルを店内に掲示しておきましょう。お客様が「次は何時から何が始まるのか」を把握でき、行動しやすくなります。

    (3) 飲食店イベントで“映える”投稿を増やす仕掛け

    SNS映えや写真撮影を推奨するなら、背景や小物を用意した“フォトスポット”を設けるのが効果的。店名やハッシュタグを入れたボードを置いておくと自然な宣伝になることも。


    5-3. 突発トラブルへの備え

    (1) 飲食店イベントのトラブルを防ぐ仕込みと準備

    イベントで客数が増えると、食材・ドリンクの在庫が予想以上に消費されることがあります。人気メニューが早々に売り切れる事態を避けるため、仕込み量は普段より多めに設定し、代替メニューの用意も検討してください。

    (2) 体調不良や天候トラブル

    スタッフの急病や台風など、不測の事態に備えて応急的な対策を用意しておくと安心です。大規模イベントの場合は「開催中止や延期の判断基準」をあらかじめ決めて、SNSで告知できるようにしておきましょう。

    (3) クレーム対応

    大勢が集まると対応が追いつかず、サービスの質が下がる可能性も。万が一クレームが発生した際、即座にリーダーや上長が謝罪・問題解決にあたるプロセスを確立しておくことが大切です。


    5-4. お客様同士の交流をサポートする

    せっかく面白いイベントでも、お客様一人ひとりが孤立してしまうと盛り上がりきれません。スタッフが適度に声がけしたり、席替えやゲームを仕掛けたりすることで、参加者同士の交流を自然に促せます。

    居酒屋で「クイズ大会」を開催し、正解数が多いテーブルに割引クーポンをプレゼント。初対面のお客様同士がチームを組み、一気に打ち解けたという成功例があります。


    5-5. 面白い飲食店イベントの“次”に繋げる仕掛け

    イベントが終わった後、ただ「ありがとうございました」で終わらせるのはもったいないです。次の施策やリピーター獲得に繋げるためにも、以下のアクションを検討しましょう。

    • アンケート用紙やQRコードでフィードバックを回収
    • 次回イベントの予告フライヤーやSNS告知を手渡し
    • 会計時に「また来てくださいね」と一声かけるだけでも印象が変わります

    第6章 イベント後のフォローアップとリピーター育成

    イベント後のフォローアップとリピーター育成

    面白いイベントが無事終了しても、そこで終わりにしてしまっては「一度きりの集客」で終わる可能性があります。せっかく新規客や興味を持ってくれた人を、“常連客”へとステップアップさせる施策を忘れずに行いましょう。

    6-1. イベント参加者へのアフターメッセージ

    (1) LINE公式アカウントやSNSからのお礼連絡

    イベント当日に取得した連絡先(LINE登録やSNSフォロー)を活用し、「ご参加ありがとうございました!」と感謝の気持ちを伝えるメッセージを送ると、再来店の可能性が高まります。

    「昨日のイベントは楽しんでいただけましたか?次回○月○日に新メニューの試食会を開催予定です。ご興味あればぜひお越しください!」

    (2) アンケート結果の共有

    アンケートを取った場合は、得られた意見や改善点を簡単にSNSや店内POPで発信しておくと、「お店が私たちの意見を聞いてくれているんだ」と好印象に繋がります。


    6-2. 次回イベントの予約・先行案内

    成功したイベントは、同じテーマ・コンセプトでシリーズ化するのも1つの手。参加者に「次回は○○な内容でやります。先行予約を受け付けています」と案内すれば、リピート率アップが期待できます。

    ワイン会を毎月テーマ別に開催するイタリアンレストランでは、第1回に来たゲストが「次回はフランスワイン特集なんだ、面白そう!」と2回、3回と連続参加。回を重ねるごとに固定ファンが増え、週末の客数が安定して右肩上がりに。


    6-3. 通常営業にもイベント要素を一部残す

    イベント直後だけ盛り上がって終わるのではなく、通常時の営業でも「面白い!」と好評だったメニューや雰囲気をある程度維持しておくと、リピーターが来店しやすいです。

    「イベントで話題になったカクテルが通常メニューに追加されていて嬉しかった」という口コミが広まり、日常利用でも注文が増えたケースがある。


    6-4. 面白いイベントの余韻を伝えるレポート&動画活用術

    当日撮影した写真や動画をまとめて「イベントレポート」としてSNSや公式サイト、店内モニターなどで公開する方法も効果的です。イベントの楽しそうな様子を後から見た人が「次は参加してみたい!」と感じる仕掛けになります。

    筆者が関わったバーでは、イベント後に面白い箇所をピックアップして簡易的な動画編集(スマホアプリ活用)でダイジェストをSNS投稿。多くのフォロワーに拡散され、次回イベントの問い合わせが2倍に増えました。


    第7章 こんなときどうする?飲食店イベントに関するQ&A

    飲食店の成功事例・具体的な取り組み

    飲食店でイベントを開く際に、多くの方が抱く疑問をまとめました。ぜひ参考にしてください。

    予算が限られていてもイベントできますか?

    もちろん可能です。SNS割引や店内の装飾を少し工夫する程度でも、十分“面白い”演出はできます。例えば「雨の日ドリンク半額」や、フォトジェニックな小物をテーブルに置くだけでも話題になることがあります。大掛かりな機材や高級景品がなくても「参加して楽しい」「SNSに載せたい」と思わせられればOKです。

    スタッフが少ない店でも大丈夫?

    スタッフ数が少ない小規模店は、イベントの種類や規模を調整するのがポイント。オーダーが殺到するようなゲーム要素を避け、予約制ワークショップなど“ゆるやか”な企画で回すのも手です。また、忙しい日にアルバイトを増やすか、友人や家族に臨時手伝いをお願いするケースも見られます。

    以前、小さなカフェでシフト2人しかいない状態で「スイーツワークショップ」を実施。あらかじめ材料を個包装して準備し、お客様同士が作れるようにレイアウトを工夫したら何とか回せました。慣れないうちは小規模から始めるのが安全です。

    告知しても反応が薄い…改善策は?

    反応が薄いときは「告知期間」「媒体の使い方」「告知内容」の3点を見直します。たとえばイベントまで1週間しかないと認知が広がりにくいですし、ターゲット層が使わないSNSを中心に発信しても効果は低いです。また、「どんな面白さがあるのか」「どんな特典があるのか」を端的に伝えるコピーが重要です。

    イベント当日に欠席やキャンセルが多い場合は?

    天候や急な体調不良などでキャンセルが出るのはある程度仕方ありません。事前予約を取る場合はキャンセルポリシーを明確にしておき、直前キャンセルには一定のキャンセル料を設定しておくことも検討しましょう。また、飛び入り参加を許容する“ゆるめ”の形式にしておくと、当日追加で来てくれる人がいるかもしれません。

    クレームやトラブル対応が心配です。

    まずはスタッフ同士で「どんなトラブルが起き得るか」を想定し、対処方法を共有しておくと安心です。料理が遅れる場合はすぐに謝罪し、特典ドリンクをサービスするなど誠意を見せる方法もあります。大声や喧嘩など他のお客様に迷惑が及ぶ行為が起きたら、店長やリーダーが冷静に対処する姿勢を明確にしましょう。


    第8章 飲食店でのイベントは集客以外にもさまざまな効果が期待できる

    飲食店における「面白いイベント」は、単なる余興や賑やかしではなく、長期的に売上と店舗ブランドを強化する戦略といえます。

    8-1. 面白いイベントが生み出す“コミュニティ”の力

    面白いイベントをきっかけに顧客同士の交流やスタッフとの繋がりが生まれ、“コミュニティ”へと発展していくことがあります。コミュニティ化が進むと、以下のメリットが期待できます:

    • 自然なクチコミの連鎖:常連客同士が次のイベントで再会を約束するなど、自発的に集まりやすい。
    • ブランドロイヤルティの強化:参加者同士が店を“自分たちの場所”と感じ、SNSなどでも積極的に宣伝。
    • 安定した売上:景気や流行に左右されにくい固定客が増える。

    8-3. 飲食店でのイベントに関する筆者からのアドバイス

    1回イベントを開催しただけで、いきなり大成功…というケースは稀かもしれません。しかし、PDCAを回しながら試行錯誤を続けていくうちに、自店にぴったりの“面白いイベントスタイル”が見えてくるはずです。

    • 最終アドバイス
      • 小さく始める:小規模企画でオペレーションや集客ノウハウを学ぶ
      • テスト&改善:反応や数字を分析し、魅力を高める方法を探る
      • リピーター重視:参加者に次も来店したいと思わせる特別感を忘れない

    飲食店は、ただ“料理を提供する場”だけでなく、特別な体験や交流の場を提供する“コミュニティ拠点”としての可能性が広がっています。本記事が、イベント企画に挑戦する皆さんの一助となり、店舗経営に新たな風をもたらすきっかけになれば幸いです。


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    この記事を書いた人

    鵜飼 あきひろのアバター 鵜飼 あきひろ 株式会社Grill 取締役/店舗経営・集客コンサルタント

    2014年にオイシックス株式会社で海外事業を担当後、香港・中国現地法人の社長に就任。
    2017年に起業した株式会社Emooveでは代表として事業を成長させ売却・EXIT。
    現在は株式会社Grillの取締役COOとして複数の飲食店舗を経営する傍ら、現場目線で成果の出る集客支援に取り組んでいる。
    豊富な実践経験と経営視点を活かし、小さなお店の“ファンづくり”をサポートするのが信条。

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