店舗内装の設計・工事完全ガイド!費用相場から業者選びまで失敗しないポイントを実例で解説

店舗内装の設計・工事完全ガイド!費用相場から業者選びまで失敗しないポイントを実例で解説
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目次

第1章 店舗の内装設計の重要性と基本的な考え方

第1章 店舗の内装設計の重要性と基本的な考え方

店舗内装は、あなたのビジネスの顔であり、ブランドの世界観を空間として表現するものです。単に見た目が良いだけでなく、お客様の行動や購買意欲、さらには従業員の働きやすさにも直結する重要な要素なのです。

私が15年間で見てきた数多くの店舗オープンの現場では、内装にこだわった店舗ほど集客力が高く、長く愛される傾向がありました。

洗練された店舗内装デザイン店舗内装設計の本質は「問題解決」と「理想の姿の実現」にあります。現状の課題を解決するだけでなく、お客様にとって「距離が遠くても行ってみたい」「何度も通いたくなる」と思われる空間づくりが求められるのです。

これから店舗をオープンする方、リニューアルを考えている方に向けて、失敗しない店舗内装設計のポイントを解説していきます。

第2章 店舗の内装設計における3つの構成要素

成功する店舗内装には、3つの重要な構成要素があります。これらをバランスよく取り入れることで、魅力的な店舗空間が生まれるのです。

2-1. 問題解決 – 理想と現実のギャップを埋める

「内装工事にいくらかかるのか」「予算と見た目のバランスが分からない」といった現実的な問題だけでなく、将来発生しうる問題も考慮する必要があります。

例えば、「遠くても行きたいと思われる店舗」という理想と現実のギャップを埋めるためには、何が必要でしょうか?

店舗設計の問題解決プロセス

私がある飲食店のオーナーとの打ち合わせに同席した際、「お客様が長居したくなる空間」という理想がありました。しかし現実は回転率を上げたいという矛盾した要望。この問題を解決するために、快適な座り心地だけど長時間座ると少し疲れる椅子を選ぶという妥協点を見つけたのです。

問題解決の本質は「今ある問題の解決」ではなく「理想の姿の実現」にあることを忘れないでください。

2-2. 設計 – 思考と概念の組み立て

内装の「設計」とは、単なる図面作成ではなく、思考と概念の組み立てプロセスです。得た知識を独自のアイデアに変換することで、他店との差別化が図れます。

情報や知識はすぐに一般化してしまいますが、あなた独自のアイデアは簡単には真似できません。思考のプロセスこそが、競争力の源泉になるのです。

2-3. 見た目 – 相手からの見え方を考える

2-3. 見た目 - 相手からの見え方を考える

内装の「見た目」を考える際に重要なのは、自分がどう見せたいかではなく、お客様からどう見えるかという視点です。

例えば、あるアパレルショップでは、店主が「シンプルでクールな空間」を目指していましたが、実際のお客様からは「入りづらい」「緊張する」という声が。これは自分視点と相手視点のズレが原因でした。

顧客視点からの店舗デザイン相手視点に立つことで、「見せ方」ではなく「見え方」を重視した空間づくりができるようになります。

第3章 店舗の内装でよくある失敗例と対処方法

第3章 店舗の内装でよくある失敗例と対処方法

店舗内装の設計では、見落としがちなポイントがたくさんあります。ここでは、実際によく起こる失敗例とその対処法を紹介します。

3-1. 空調・照明の偏りによる失敗

空調の偏りは、お客様の快適さと従業員の働きやすさに直結する重大な問題です。

意外な落とし穴

ある飲食店では、客席には空調を十分に配置したものの、厨房への設置を忘れてしまいました。結果、夏場は厨房が灼熱地獄と化し、スタッフの離職率が上がってしまったのです。店舗の空調設計と温度分布対処法としては、空調を効かせた状態で全席・全空間に5分程度滞在してみることです。これにより、感じにくい空調の偏りも発見できます。

照明の偏りも同様に注意が必要です。デザイン性を重視するあまり、暗すぎる場所や眩しすぎる場所ができてしまうことがあります。照明計画では、全体照明、作業照明、アクセント照明をバランスよく配置し、時間帯や用途に応じて調整できるようにしておくと良いでしょう。

3-2. 動線・レイアウトの失敗

店舗内の動線は、お客様の購買行動と従業員の作業効率に大きく影響します。

効率的な店舗動線設計動線設計では、お客様の自然な流れを想定し、スタッフの作業効率も考慮したレイアウトを心がけましょう。特に、入口からレジまでの流れ、トイレへの経路、緊急時の避難経路は重要です。

テーブル間の距離は、カジュアルな店舗でも最低60cm、高級店なら80cm以上確保するのが理想的です。

3-3. テーブル・椅子の高さミスマッチ

インテリアとして見栄えの良いテーブルと椅子を選んだものの、実際に座ってみると高さが合わないというケースは非常に多いです。椅子の座面からテーブルの天板までの理想的な差は28〜30cmです。これより短いと足を組みづらく、長すぎると食事がしにくくなります。

特に海外製の椅子は座面が高いことが多く、日本人の体格に合わないことがあるので注意が必要です。

第4章 業種別!店舗の内装を設計する際のポイント

第4章 業種別!店舗の内装を設計する際のポイント

業種によって店舗内装に求められる要素は大きく異なります。ここでは、主な業種別の内装設計ポイントを解説します。

4-1. 飲食店・カフェの内装ポイント

飲食店では、厨房設備と客席のバランスが特に重要です。厨房は機能性を優先しつつ、衛生面にも配慮する必要があります。

ある和食店での問題

オープンキッチンにこだわったものの、換気設備が不十分で煙や臭いが客席に流れてしまうという失敗がありました。事前に専門家に相談していれば防げたミスです。

機能的な飲食店内装デザイン客席では、テーブル配置と座席タイプのバランスが重要です。2人席、4人席、大人数用の席を適切な比率で配置し、繁忙時間帯の回転率も考慮しましょう。

また、照明は食材の色が自然に見える演色性の高いものを選び、BGMや空調も含めた五感に訴える空間設計を心がけると、お客様の満足度が高まります。

4-2. 物販店・アパレルショップの内装ポイント

物販店では、商品の見せ方と回遊性が売上に直結します。入口から奥へと自然に誘導するレイアウトや、商品を手に取りやすい什器の配置が重要です。

照明は商品の魅力を最大限に引き出すよう、全体照明とスポット照明を組み合わせましょう。特に試着室の照明は、お客様が自分に似合うと感じられる色温度と明るさを選ぶことが大切です。

商品の特性に合わせた什器選びも重要です。高級感を出したい場合は木製や金属製の重厚な什器カジュアル感を出したい場合は軽やかな素材の什器が適しています。

4-3. サロン・エステの内装ポイント

美容室やエステサロンでは、リラックス感と清潔感のバランスが重要です。施術スペースのプライバシーを確保しつつ、開放感も感じられるレイアウトを心がけましょう。リラックスできるサロン内装照明は直接光を避け、間接照明を多用することで落ち着いた雰囲気を演出できます。また、音響設備も重要で、BGMが適切な音量で全体に均等に聞こえるよう設計しましょう。

水回りは特に重要で、給排水設備の配置を事前に確認し、必要に応じて増設や移設の工事を計画する必要があります。

第5章 内装工事をする場合の予算と費用管理のポイント

第5章 内装工事をする場合の予算と費用管理のポイント

店舗内装の費用は、物件の状態や業種によって大きく異なります。ここでは、内装工事の費用相場と予算管理のポイントを解説します。

5-1. 内装工事の費用相場

内装工事の費用相場は、物件の状態によって大きく変わります。2024年時点での一般的な相場は以下の通りです。

居抜き物件(前テナントの設備を利用)の場合:坪単価15万円〜50万円

スケルトン物件(内装が一切ない状態)の場合:坪単価30万円〜80万円

店舗内装工事の費用内訳業種別に見ると、飲食店は厨房設備や給排水工事が必要なため、坪単価30万円〜90万円と比較的高額になります。一方、アパレルショップなどは坪単価10万円〜40万円と比較的抑えられることが多いです。

ただし、これはあくまで目安であり、デザインの複雑さや使用する素材、設備の質によって大きく変動します。

5-2. 予算オーバーを防ぐポイント

内装工事で予算オーバーを防ぐためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

まず、必須項目と希望項目を明確に区別することが重要です。営業に直結する要素は必須項目として優先し、装飾的な要素は予算に応じて調整できるようにしておきます。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することも大切です。ただし、単に安いだけの業者を選ぶのではなく、実績や対応の丁寧さも含めて総合的に判断しましょう。

総予算の5〜10%程度を予備費として確保しておくことをおすすめします。工事中に予想外の問題が見つかることは珍しくないため、余裕を持った予算計画が安心です。

プロのスケジュール管理術

店舗改装のスケジュールでは、オープン予定日から逆算し、最低でも2週間の「バッファ(予備期間)」を設けることを強く推奨します。資材納期の遅れや天候不順など、工事には不測の事態がつきものです。この予備期間のおかげで、私が担当した案件の9割以上は予定通りにオープンできています。施工業者任せにせず、事業者自身が進捗を管理する意識が、事業の成功を左右します。

第6章 信頼できる内装業者の選び方とポイント

店舗内装の成功は、信頼できる業者選びにかかっています。ここでは、失敗しない業者選びのポイントを解説します。

6-1. 内装業者のタイプと特徴

店舗内装工事を依頼できる業者は、大きく分けて3つのタイプがあります。

設計事務所

デザイン性に優れた提案が強みですが、施工を別の業者に依頼する必要があることが多く、デザイン費用も比較的高額です。

工務店

現場での対応力が高く、費用も比較的抑えられますが、デザイン面での提案力は設計事務所に比べると限定的なことがあります。

内装工事業者

デザインから施工までを一貫して依頼できる業者が多く、工期も比較的短いのが特徴です。ただし、高度なデザイン性を求める場合は、設計事務所との協業が必要になることもあります。

20万円の追加工事につながった見落とし 

10年前の最初の店舗改装では、工事中の現場確認を怠った結果、完成後にキッチンのコンセント位置が作業動線に全く合っていないことに気づきました。結局、約20万円の追加費用を払って再工事する羽目に。この失敗から、週に1〜2回は現場に足を運び、設計図と照らし合わせながら内装や設備の施工状況を自分の目でチェックする重要性を学びました。

6-2. 業者選びで確認すべきポイント

信頼できる業者を選ぶためには、以下のポイントを確認しましょう。

まず、施工実績数と類似業種の施工事例を確認することが重要です。特に自分の業種に近い事例があれば、業界特有の知識やノウハウを持っている可能性が高いです。

次に、コミュニケーション能力をチェックしましょう。質問への回答スピードや丁寧さ、こちらの要望をきちんと理解しようとする姿勢があるかどうかは、工事の進行をスムーズにする上で非常に重要です。

また、保証内容やアフターケアの有無も確認しておくべきポイントです。工事完了後に不具合が見つかった場合の対応方針が明確になっているかどうかで、業者の誠実さがわかります。

面談時には、「過去の類似案件での課題と対策は?」「工期が遅れた場合のペナルティは?」「安全教育はどう実施していますか?」といった具体的な質問をすることで、業者の対応力や誠実さを見極めることができます。

第7章 近年の店舗の内装設計におけるトレンドと差別化ポイント

第7章 近年の店舗の内装設計におけるトレンドと差別化ポイント

店舗内装のトレンドは常に変化していますが、一時的な流行に振り回されるのではなく、自店のコンセプトに合った要素を取り入れることが重要です。

7-1. 2025年の内装トレンド

現在の店舗内装トレンドとしては、サステナビリティを意識した素材選びや、デジタルとフィジカルを融合させた体験型空間が注目されています。例えば、リサイクル素材や地元産の木材を活用した内装は、環境への配慮をアピールするだけでなく、温かみのある空間づくりにも貢献します。

最新の店舗内装トレンドまた、スマートフォンと連動したインタラクティブな要素を取り入れることで、若い世代の興味を引きつけることができます。ただし、テクノロジーの導入は目的ではなく手段であることを忘れないようにしましょう。さらに、多機能性を持たせた空間設計も増えています。昼はカフェ、夜はバーとして営業するなど、時間帯によって異なる使い方ができる柔軟な設計が効率的な運営につながります。

7-2. 差別化のためのデザイン戦略

競合店との差別化を図るためには、明確なコンセプトに基づいたデザイン戦略が重要です。

  • ターゲット顧客を明確
    • その層が求める価値や体験を空間に反映させましょう。若者向けなら活気と刺激を、大人向けなら落ち着きと上質感を意識するなど、ターゲットに合わせた空間づくりが効果的です。
  • 地域性や立地条件を活かす
    • このようなデザインは店舗の差別化につながります。例えば、歴史ある建物では、その歴史的要素を残しながらモダンな要素を取り入れるなど、独自性のある空間を作り出すことができます。
  • 自店のブランドストーリーを表現
    • なぜこの店を始めたのか、どんな価値を提供したいのかというストーリーが空間を通して伝わることで、お客様の心に残る店舗になります。

第8章 実例から見る!店舗の内装工事の進め方と注意点

内装工事をスムーズに進めるためには、計画段階からの準備と適切な進行管理が欠かせません。

8-1. 工事のスケジュール管理

内装工事は、現状把握→プラン立案→実施準備→工事実施→竣工確認という流れで進みます。

全体のスケジュール

各工程に必要な日数を余裕を持って配分することが重要です。特に繁忙期(年度末や引っ越しシーズン)は業者が混みやすいので、早めに依頼することをおすすめします。

内装工事のスケジュール管理

進捗管理は、週次で定例会議を設けるなど、定期的なチェックポイントを設定しましょう。進捗報告のフォーマットを統一し、遅延要因があれば早期に把握して対策を講じることが重要です。

どんなに緻密に計画しても予期せぬ問題は発生するものです。そのため、工期には余裕を持たせ、オープン日も柔軟に調整できるようにしておくと安心です。

8-2. 工事中のトラブル対応

内装工事中に起こりがちなトラブルとその対応策を知っておくことで、冷静に対処できるようになります。

騒音・振動対策

騒音・振動については、事前に周辺住民や店舗に工事の内容と期間を知らせておくことで、トラブルを軽減できます。また、特に騒音の大きい作業は、周辺の営業時間外に行うなどの配慮も大切です。

資材調達の遅延対策

資材調達の遅延に備えて、代替品のリストを準備しておくことも有効です。特に輸入材料は納期が読みにくいので、国内で調達できる代替案も検討しておきましょう。

予算超過対策

予算超過を防ぐには、定期的に実績コストを確認し、必要に応じて設計や素材を見直すことが重要です。早い段階での軌道修正が、大幅な予算超過を防ぐ鍵となります。

失敗しないためにも店舗の内装設計のポイントをしっかり抑えよう!

店舗内装設計は、ビジネスの成功に直結する重要な要素です。最後に、失敗しないための重要ポイントをまとめます。

成功する店舗内装のポイントまず、「問題解決」「設計」「見た目」の3つの構成要素をバランスよく考慮することが大切です。お客様視点に立ち、理想の姿を実現するための空間づくりを心がけましょう。

業種ごとの特性を理解し、それに合った機能的な設計を行うことも重要です。飲食店なら厨房と客席のバランス、物販店なら商品の見せ方と回遊性など、業種特有のポイントを押さえましょう。予算管理と信頼できる業者選びは、内装工事の成功を左右する重要な要素です。複数の見積もりを比較し、実績や対応力を総合的に判断して業者を選ぶことをおすすめします。

最新のトレンドは参考にしつつも、自店のコンセプトやブランドストーリーを空間で表現することが、長く愛される店舗づくりの秘訣です。店舗内装は一度作ったら終わりではなく、時代やお客様のニーズに合わせて進化させていくものです。定期的に見直し、必要に応じてリニューアルすることで、常に新鮮な魅力を提供し続けることができるでしょう。

あなたの店舗が、お客様に選ばれ続ける素敵な空間になることを願っています。

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この記事を書いた人

鵜飼 あきひろのアバター 鵜飼 あきひろ 株式会社Grill 取締役/店舗経営・集客コンサルタント

2014年にオイシックス株式会社で海外事業を担当後、香港・中国現地法人の社長に就任。
2017年に起業した株式会社Emooveでは代表として事業を成長させ売却・EXIT。
現在は株式会社Grillの取締役COOとして複数の飲食店舗を経営する傍ら、現場目線で成果の出る集客支援に取り組んでいる。
豊富な実践経験と経営視点を活かし、小さなお店の“ファンづくり”をサポートするのが信条。

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