飲食店のWEB集客方法完全ガイド!効果的なマーケティング施策で店舗売上を増加させよう!

飲食店のWEB集客方法完全ガイド!効果的なマーケティング施策で店舗売上を増加させよう!
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目次

1. 飲食店のWEB集客が注目される背景

飲食店WEB集客が注目される背景

近年、多くのユーザーが「どのお店に行こうか」と考えたとき、まずはスマートフォンやパソコンで店舗情報を検索するようになりました。とりわけ飲食店を探す際、SNSやグルメサイト、検索エンジンを使って評判やメニューをチェックするのは当たり前の行動と言えます。こうした背景から、飲食店のWeb集客に力を入れることは、来店数を増やし顧客を獲得するうえで非常に重要になっています。

従来、飲食店はチラシや看板などのアナログ施策で集客してきました。しかしオンライン化が進む現在、Webを活用する方法こそが大きな成果につながるケースが多いのです。WebサイトやSNS経由で顧客にアプローチすることで、店舗の認知度や来店意欲を高めやすくなります。特にローカル検索(「地域名×料理名」など)でヒットしやすくなるローカルSEO対策や、Instagramを使った写真の拡散など、Webマーケティングの世界では多様な戦略が存在します。

また、飲食店のWeb集客では、単に「ネットで宣伝をする」だけでなく、ユーザーとのコミュニケーションを通じてリピーター化を図る点も重要です。SNSで日常的に配信する投稿やメルマガ、LINE公式アカウントを使ったお得情報の告知など、複数のチャネルを組み合わせながら顧客層の幅を広げられることが大きな魅力になります。これらのオンライン施策を上手に取り入れることは無料から始められるものも多く、コストパフォーマンスという面でもメリットがあります。

さらに、オフライン集客だけでは拾えなかった潜在顧客を、Webを通じて新たに取り込める可能性も高まります。自店の強みを発信し、予約やテイクアウトにつなげることで、ターゲットを明確に狙った集客が可能になるわけです。ここから先は、具体的にお店がどのように準備をし、どんな施策を打てば効果的なのかを解説していきます。


2. WEB集客成功のカギを握る4つのポイント

集客成功のカギを握る4つの準備ポイント

飲食店のWeb集客を円滑に進めるには、実際の運用に入る前の“準備段階”が重要です。やみくもにSNSや広告を活用しても、狙うべき顧客層や市場が明確でなければ、成果が得にくいでしょう。ここでは、飲食店で集客を成功させるための4つの準備ポイントを順に解説します。

2-1. 飲食店経営で基本となる3つの指標を理解する

まずは、お店の経営状況を客観的に把握するための指標を押さえましょう。代表的なものに「売上」「客単価」「原価率」があります。

  • 売上:単純な日々の売上高だけでなく、曜日・時間帯ごとの傾向を分析することで、どの時間帯に集客が弱いかを見極められます。
  • 客単価:1回の来店あたり、顧客が平均でいくら支払うかを示す数値です。客単価が低いなら、追加メニューを提案する、セットメニューを検討するなどの施策が考えられます。
  • 原価率:食材コストなど仕入れにかかるコストが売上に対してどの程度を占めているかを表す指標です。原価率が高すぎる場合はメニュー構成や仕入れ先を見直す必要があります。

これら3つの基本指標を押さえることで、どの集客方法に重点を置くべきかが見えてきます。たとえば、売上は十分あるが客単価が低いお店なら、リピーター育成向けにメニューのアップセルを狙う施策が効果的でしょう。自店舗を数字で理解するのは、Web集客施策の方向性を定めるための大切なステップなのです。

2-2. ターゲットを絞り込み、顧客層を分析する

ターゲットを絞り込み、顧客層を分析する

次に行いたいのは、ターゲット顧客を明確にする作業です。飲食店には様々な顧客層が訪れますが、全方位に向けたメッセージ発信は結果的にどこにも刺さらない恐れがあります。たとえば、学生が多い街であれば、ランチ需要やカジュアルな価格帯の訴求が優先されるかもしれません。一方、オフィス街ならビジネスパーソン向けの時短メニューが求められる場合もあります。

顧客層を明確にする際には、以下の4つの層をイメージすると整理しやすいです。

  1. お店をまったく知らない層
  2. お店は知らないが同ジャンルに興味がある層
  3. お店の利用を検討している層
  4. すでにお店を利用したことがある層

たとえば1の層には、グルメサイトやSNSでの露出強化が有効です。2の層なら、広告出稿などで「〇〇エリア イタリアン」「ランチ 人気」といった検索キーワードを狙う戦略が考えられます。3の層には公式Webサイトで店舗詳細や魅力を丁寧に伝える施策、4の層にはLINEやメール配信で新メニュー情報を提供し、再来店を促す手法が有効です。このように細かいターゲット設定をすることで、無駄のない集客が可能になります。

2-3. 消費者のニーズと市場動向を把握する

市場動向と消費者のニーズを把握することも、飲食店が成功を収めるうえで欠かせません。たとえば近年の傾向として、テイクアウトやデリバリーの需要が拡大しています。また「低糖質メニュー」や「ヴィーガン対応」など、健康志向を取り入れた飲食店も注目を集めています。顧客が求めるポイントがわかれば、店舗のコンセプトやメニューづくり、Web上での情報発信にも一貫性を持たせやすいです。

市場動向を知るためには、地域の統計データや他店舗の売れ筋商品などをリサーチする方法が考えられます。SNS検索で流行している食材やハッシュタグを追うのも有効です。また、Web分析ツールやGoogleトレンドなどを活用すれば、検索されているキーワードの増減を把握しやすくなります。こうした外部情報を活用してニーズを掴み、お店独自の強みと掛け合わせることが、新たな顧客を呼び込み、リピーター育成へとつながるのです。

2-4. オフラインとオンラインを組み合わせる重要性

飲食店の集客を考えるとき、Webでの戦略が注目されがちですが、伝統的なオフライン施策と組み合わせることで、より大きな相乗効果が期待できます。たとえば、SNSでクーポンを配信し、実際にチラシやポスターでも同様のクーポンコードを案内すれば、複数のチャンネルで来店促進が狙えます。

また、店舗前の看板やのぼりが強力なアイキャッチになっているようなラーメン店の例を見ると、「Googleマイビジネス」などのローカルSEOとの両方をしっかり活用することで、「いつも前を通って気になっていた」という潜在ユーザーも取り込みやすくなります。オフラインとオンラインの施策を並行して行うのが、お店の認知度を広範囲に押し上げる鍵となるわけです。

総じて、事前準備をしっかり行い、経営指標やターゲット、ニーズを把握したうえでオンライン・オフライン双方の施策を組み合わせれば、Web集客における成功率が一気に高まります。


3. オフライン施策で飲食店への来店を増やす方法

オフライン施策で来店を増やす方法

ここまで、お店がWeb集客を始める前の準備ポイントを見てきました。実際の戦略を進めるにあたっては、オンラインだけでなく、オフライン施策も見逃せません。アナログの手法には根強い効果があり、地域密着型の飲食店では特に力を発揮します。ここでは、来店数の増加を狙ううえで欠かせないオフラインの具体策を紹介していきます。

3-1. チラシ・ポスティング・ダイレクトメール

まずは、多くの飲食店が取り入れている代表的な方法として、チラシのポスティングやDM(ダイレクトメール)があります。チラシは比較的低コストで印刷でき、エリアを絞って手配りすることで特定地域の住民やオフィスに効率的にアプローチ可能です。たとえば、新メニューの告知や期間限定セール、イベント情報などをチラシに載せれば、興味を持った人が来店につなげやすくなります。

すでに紙のチラシを使った集客手法を行っている方はこの機会に見直すことをおすすめします。

ポスティングは広告を見てもらえる確率が高い反面、捨てられるリスクもあります。そのため、デザインやキャッチコピーを工夫して、お店の魅力を短時間で伝えることが大切です。また、顧客データを持っている場合は、DMを送って常連客の再来店を促すことも有効な戦略です。DMでクーポンや特典を用意すれば、顧客が「また行ってみよう」という気持ちになりやすくなります。

3-2. 看板・のぼり・駅広告・地域紙の活用

次に、視覚的にインパクトを与える看板やのぼり、駅構内の広告スペースなどを活用する方法です。特に徒歩圏内に居住する顧客層が多い場合、お店の前に目立つ看板やのぼりがあるだけで、来店への心理的ハードルを下げる効果があります。

また、地域紙やタウン誌への広告も、ローカルエリアの情報を求めるユーザーに対して一定の効果を期待できます。オンラインとは別のメディアを使うことで、シニア層や普段あまりネット検索をしない人々への訴求力が増すのです。とくに地域行事や商店街のイベントに合わせて広告を出すと、「週末はこのお店に行ってみよう」という動機づけをつくりやすくなります。

3-3. 紹介割引やポイントカードなどリピーター強化策

オフライン施策には、新規顧客を呼び込むだけでなく、リピーターを育成する方法も多く存在します。たとえば、お店を紹介してくれた人と、紹介で来店した人の両方に割引を適用する紹介制度を導入すれば、口コミを広げるきっかけをつくれます。

ポイントカードの実施も効果的で、一定のポイントが貯まるとドリンク1杯無料などの特典を受けられる仕組みは、再来店を促す大きなモチベーションになります。さらに、紙のポイントカードに加えて、スマホアプリを使ったデジタル会員証を作れば、オンラインとの相乗効果も期待できるでしょう。「来店ごとにスタンプを押す」ような簡単な仕組みが、地道に顧客を育てる土台になります。

3-4. イベントで話題をつくる

イベントで話題をつくる

オフライン施策でもうひとつ効果的なのが、店内イベントや地域の催し物への参加です。飲食店なら、新メニューの試食会や地元食材を使ったフェアなどを企画し、限定メニューや特別価格で顧客を呼び込みます。実際に足を運んで体験してもらうことで、SNS拡散や口コミ評価につながる可能性が高まります。

たとえば、地元の商店街と協力してスタンプラリー形式のイベントを行い、複数の店舗を回ると豪華特典がもらえる仕組みを作ることも有効です。こうしたイベントは、特に若いターゲット層が写真を撮ってSNSに投稿しやすいため、自然な形でお店の宣伝にもなります。オンラインと組み合わせることで、多方面からの集客を狙うことができるわけです。

オフライン施策は直接足を運んでもらうための接点づくりに優れているため、Webのみのアプローチに比べて温かみや信頼感を得やすいという特徴があります。次章以降では、こうしたアナログ手法と相性の良いオンライン施策をどう組み合わせていくか、より踏み込んだ具体例を紹介していきます。


4. オンラインでのウェブ施策で来店促進する方法

オフラインのアプローチだけでは、カバーしきれない顧客層を取り込むためにはオンラインの施策が欠かせません。現代の飲食店にとって、Webを活用した集客は店舗運営の生命線といえます。ここでは、公式サイトやSNSをはじめとするさまざまな方法を整理し、効率よく顧客を増やすためのポイントを解説していきます。

4-1. 公式Webサイト作成とSEO対策

公式Webサイト作成とSEO対策

お店の魅力をダイレクトに伝える

飲食店にとって、公式Webサイトは店舗の顔とも言える存在です。グルメサイトやSNSでは情報が断片的だったり、他店と並んで比較されがちですが、自社サイトならお店のコンセプトやメニュー、内装、スタッフの想いなどを余すところなく紹介できます。顧客が知りたい情報を網羅できるため、ブランドイメージをコントロールしやすいのがメリットです。

SEO対策の基本

公式サイトを立ち上げただけでは、検索エンジンからの流入を十分に得られません。対策なしに「地域名+業態」のキーワードで上位表示されるのは難しく、結果的に顧客を取りこぼす可能性があります。そこで重要となるのがSEO(検索エンジン最適化)です。以下は、飲食店が取り組むべき主な施策です。

  • キーワード選定:たとえば「渋谷 イタリアン」「和食 ランチ 安い」などの具体的な言葉を狙い、顧客層を絞り込む
  • 内部リンクの整備:メニュー詳細ページやブログ記事に関連リンクを設置し、ユーザーがほかの情報も閲覧しやすいようにする
  • コンテンツの充実:料理の写真やこだわりの食材紹介、シェフの経歴など、オリジナリティのある情報を掲載して滞在時間を伸ばす
  • ページ速度の向上:画像の圧縮やサーバーの見直しなどで表示速度を上げ、離脱率を下げる

こうした基本的な対策をコツコツ行うことで、無料で継続的に検索流入を得られるようになります。検索結果で上位表示されれば、店舗の認知向上と新規来店の両方に大きく貢献するはずです。

4-2. グルメサイトや口コミサイトへの登録・運用

登録の重要性と運用のポイント

食べログやぐるなび、ホットペッパーなどのグルメサイトに情報を載せるのは、飲食店のオンライン集客においては欠かせない方法です。ユーザーが「近くの居酒屋」「イタリアン 人気」などのキーワードで検索したとき、こうしたサイトが上位に表示されることが多いため、そこに自店が掲載されていれば新規顧客を獲得できる可能性が高まります。

  • 写真やメニュー情報を充実させる:写真と実際の料理の印象が乖離しないよう、魅力的かつ正確な写真を用意
  • 口コミやレビューへの積極的な返信:良い口コミには感謝の気持ちを表し、厳しい意見には真摯に対応することで信頼感を得る
  • 限定クーポンやイベント情報を掲載:オンライン上の来店誘導策として、ここだけの特典を打ち出すと差別化が図れる

口コミを味方につけて信頼を得ることで確実に集客アップに繋がります。悪い口コミなどの対策には『【完全版】口コミで悪い評価がついた時の対処方法!返信の仕方から削除依頼まで徹底解説!』を参考にしてください。

口コミを活かすコツ

利用者は、実際の体験者による口コミや評価を非常に重視します。よって、ポジティブな口コミを増やす取り組みがお店にとって大切になります。たとえば、会計時やLINE配信などで「よろしければクチコミへの投稿をお願いします」と一声かけるだけでも、投稿数増加につながるケースがあります。万が一ネガティブな内容が書かれた場合でも、誠実な対応や改善策を提示すれば、むしろ「この店舗は丁寧に顧客の声に向き合う」というプラス評価を得られる可能性もあるのです。

4-3. ローカルSEO(Googleビジネスプロフィール)最適化

Googleマップ上で存在感を高める

「ローカルSEO」「MEO対策」などと呼ばれる施策は、Googleマップ上で店舗情報を最適化する方法を指します。具体的には「Googleビジネスプロフィール」に正確な店舗情報を登録し、写真や営業日時、メニューを更新していく形です。地域名+業態などの検索を行った際に、地図とともに自店がピックアップされやすくなります。

登録・最適化のポイント

  • 基本情報の充実:住所、電話番号、営業時間、公式サイトURLなどを正しく入力
  • 写真・動画の積極的な活用:外観、内観、人気メニューの写真で雰囲気を伝え、来店意欲を喚起
  • 口コミへの返信:評価が上がるほど表示順位にも好影響があると考えられ、返信内容も評価の対象となり得る
  • 投稿機能の利用:期間限定メニューやイベント告知などの最新情報をこまめに発信

ローカルSEOを強化することで、近隣エリアに住む見込み客や、周辺を観光中のユーザーがふらりと来店しやすくなります。特に中小規模の飲食店こそ、この戦略は効果的です。

MEO対策の詳細をもっと知りたいと言う方は、『【2025年最新】飲食店のMEO対策完全ガイド!Googleマップからの集客・売上を最大化する方法を大公開!』をチェックしてください。

4-4. SNS活用と運用テクニック

SNS活用と運用テクニック

複数SNSの使い分け

今やSNSは、企業や店舗顧客と直接コミュニケーションを図る重要な戦略ツールです。主なプラットフォームの特徴は以下の通りです。

  • Instagram:ビジュアル重視。料理写真や店内の雰囲気を伝えやすい
  • Facebook:幅広い年齢層をカバー。地元コミュニティとのつながりが作りやすい
  • Twitter(X):リアルタイムな情報や短文更新が得意。拡散力が高い
  • TikTok:ショートムービーで調理シーンやイベント風景をダイナミックに紹介できる

運用のポイントとコラボ事例

  • 定期的な投稿:最低週1回は店舗情報や新メニューを載せ、ユーザーとの接点を絶やさない
  • ハッシュタグ活用:地域名や料理ジャンルなど、関連性の高いハッシュタグで検索流入を狙う
  • インフルエンサーとのコラボ:地域密着のグルメブロガーやInstagrammerを招待して宣伝効果を高める
  • コメント返信やいいね対応:ユーザーとの交流が好印象を与え、リピート訪問や口コミ拡散につながる

SNSは無料で活用できるうえ、拡散力が高い点が魅力です。しかし放置すると逆効果なので、運用の手間が取れるかを見極め、適切なプラットフォームを選定しましょう。

SNSを活用してさらに店舗のファンを増やしたい方は『【2025年最新版】飲食店のSNS運用完全攻略!店舗集客に効果のある活用術を徹底解説!』も併せてご覧ください。

4-5. オンラインでの予約やテイクアウトシステムの導入

オンライン予約・テイクアウトシステムの導入

利便性で選ばれる時代

飲食店のオンライン予約やテイクアウト注文の導入は、来店ハードルを下げるための有力な方法です。特に忙しいビジネスパーソンや、小さな子どもを連れた家族にとって、「電話で問い合わせをしなくても予約や注文が完結する」メリットは大きいでしょう。

  • 公式サイトへの予約フォーム設置:ユーザーが24時間いつでも席を確保できる
  • LINEやSNSから直接予約:チャットボット機能や予約リンクを埋め込む
  • テイクアウト専用システム:事前注文で待ち時間を減らし、スタッフのオペレーションも改善

テイクアウト需要の取り込み

コロナ禍以降、テイクアウトやデリバリーの需要が拡大した傾向は現在も続いています。実際、テイクアウトメニューを充実させることで新しい顧客層を獲得した店舗は数多く存在します。オンラインでスムーズに注文できる仕組みが整えば、お店としても効果的に売上アップを見込めるはずです。

4-6. Web広告・Google広告の活用

ピンポイントでターゲットを狙う

自然検索での集客だけでなく、広告出稿も有効な施策です。特にGoogle広告の検索連動型広告では、「地域名+料理名」のキーワードで広告を表示させることで、今まさに食事場所を探しているユーザーをダイレクトに来店へ誘導できます。

  • リスティング広告:特定キーワードでの検索結果に表示されるテキスト広告
  • ディスプレイ広告:Web上のバナー枠を使い、料理画像などで興味を持ってもらいやすい

予算管理と効果測定

広告費は無限にかけられるわけではありません。費用対効果(ROI)を意識しながら、設定した予算内で最大限のリーチを獲得する工夫が必要です。Google広告の管理画面では、クリック率やコンバージョン率(予約に至った割合)などを細かく測定できるため、定期的に数値を見直し、キーワードやエリアの調整を行うと効果的です。

4-7. メールマガジン・LINE公式アカウントでの情報配信

一斉配信とセグメント配信

一度でも来店してくれた顧客と継続的につながるうえで、メルマガやLINE公式アカウントを活用する方法があります。メルマガはメールアドレスベース、LINEは友だち登録ベースで配信リストを作成し、定期的にお得情報や新メニューのお知らせ、イベント案内などを送るのが一般的です。

  • 一斉配信:全登録者に同じ内容を送る
  • セグメント配信:ランチ利用が多い人にはランチクーポン、ディナー利用が多い人にはコースメニュー紹介など、ターゲットを細かく絞って配信

開封率を上げるポイント

  • 件名やタイトルで興味を引く:「本日限定クーポン」「週末限定イベント」など具体的な特典や日付を明記
  • 配信タイミングに注意:通勤時間帯や休憩時間帯など、忙しくない時間に配信する
  • 内容をシンプルに:写真や短い文章でわかりやすく伝え、行動へのハードルを下げる

うまく活用すればリピーター増加に直結しますが、過剰に送るとブロックされるリスクもあるため、配信頻度や文面のトーンに注意が必要です。

メルマガは顧客との継続的なつながりを作るために最適な戦略です。メルマガの活用のコツを知りたい方は『飲食店のメルマガって集客効果あるの?本当に成果が出る配信方法と運用術を大公開!』にまとめてあります。

4-8. アプリ・デジタルクーポン・キャッシュレス導入

顧客満足度と利便性の向上

最近では、飲食店専用アプリやデジタルクーポンの活用も注目を集めています。紙のクーポンよりも紛失しにくく、友人へシェアしやすい点が特徴です。また、アプリを使ったスタンプカード機能でリピート促進を図る例も増えています。

キャッシュレス決済と組み合わせれば、会計のスムーズさやポイント還元によってユーザー体験を高めることができます。特に若い顧客層はカードやスマホ決済を積極的に使う傾向があるため、導入が遅れていると「現金しか使えない不便なお店」という印象を与えかねません。

4-9. メディアへのアプローチで話題づくり

地域メディアや雑誌へのPR

店舗独自のストーリーや話題性をメディアに売り込むことで、思わぬ形でバズる可能性もあります。ローカルの情報サイトやフリーペーパー、テレビ番組などにアプローチし、実際に取材を受けることで口コミ効果が飛躍的に拡大することがあります。

  • プレスリリースの作成:新メニューや斬新な企画などをわかりやすくまとめて送る
  • 試食会やメディア向けレセプション:メディア関係者を招待し、直接お店の魅力を体験してもらう

こうした活動は、費用がほとんどかからない場合も多く、大きな広告費をかけずに話題を呼ぶチャンスです。オンラインと組み合わせることで、イベントの様子がSNSでシェアされ、さらに認知度が拡散していきます。


5. 新規顧客とリピート顧客に向けた情報発信の方法

新規顧客とリピーター向けの情報発信プラン

オンライン・オフライン双方の施策で重要なのは、新規顧客の獲得と既存顧客(リピーター)の確保をバランス良く行うことです。どちらかだけに注力しすぎると、長期的な店舗経営が成り立たなくなる恐れがあります。ここでは、新規とリピーターに対して有効な情報発信の仕組みを考えてみましょう。

5-1. 新規を狙うアプローチ

  • トレンドを取り入れたキャンペーン:季節限定メニューや行列ができる有名店とのコラボで「話題性」を重視
  • クーポン付き広告:SNS広告やリスティング広告、さらにはグルメサイトで限定クーポンを発行して、初回の来店をうながす
  • 地図検索やローカルSEOの強化:Googleビジネスプロフィールを充実させ、近隣エリア検索で上位表示を目指す

これらの施策は、まだお店を知らない層や興味はあるけれど足を運んでいない層に対して有効です。特に、既存顧客からの紹介や口コミで「一度行ってみようかな」と思わせる流れを生み出すのが理想といえます。

5-2. リピーターを増やすアプローチ

  • 配信リストへの登録誘導:初回来店時にLINEやメール登録を促し、次回特典を用意
  • ポイントカード・会員制度の導入:紙かデジタルか問わず、利用実績に応じて特典を付与する
  • 限定イベントや特典:常連客だけが参加できるメニュー試作会や先行販売など、特別感を演出

新規顧客獲得にコストをかけるよりも、すでに店舗と接点を持った人をリピーター化したほうが高い収益性を生みやすいことがわかっています。来店頻度が上がれば、自然と口コミも増える好循環につながります。

5-3. 情報発信プランの例

  • 週1回のSNS更新:シェフの一言コメントや季節の料理写真を投稿し続ける
  • 月1回のメルマガ配信:新メニュー紹介&クーポンをセットにして告知
  • 適時キャンペーン連動:店舗が落ち着く平日ディナータイムを狙って「SNSフォロワー限定割引」を実施

各プラットフォームの特徴や顧客属性を踏まえながら、タイミングをずらして情報を配信することで、「また行きたい」「まだ行ったことがないから行ってみたい」という思いを自然に醸成していけます。


6. 飲食店でのWEB集客の具体的な成功事例

成功事例から学ぶ具体的アプローチ

実際にオンラインとオフラインの施策を上手に組み合わせ、強力な集客力を手に入れた飲食店は少なくありません。ここでは、複数の成功事例を取り上げて、その具体的な方法と得られた成果を見てみましょう。

6-1. 大手チェーン店のSNSキャンペーン活用

たとえば「牛角」や「スシロー」は、SNSを利用して定期的にキャンペーンを打ち出していることで知られています。Twitter(X)やInstagramで特定のハッシュタグを使った投稿を募り、抽選でクーポンや無料メニューを提供するやり方は大成功を収めています。これにより「面白そう」「お得」と感じたユーザーが一気に拡散し、短期間で大きな認知度向上が図られました。すでに店舗を利用したことがある常連客だけでなく、新たな顧客層にも一気にリーチした好例です。

6-2. グルメサイトで口コミ評価を高めた個人店

一方、個人経営のレストランでも、口コミを軸に人気を高める方法があります。たとえば、駅前にある小さなイタリアン店舗が「食材へのこだわり」や「手作りデザート」などをグルメサイト上で丁寧にアピールし、さらに来店時に「口コミ投稿で次回ドリンクサービス」といったクーポンを設定しました。これにより良質なレビューが増え、平均評価が4点台までアップ。検索結果で上位に表示されるようになり、週末は予約が取りにくいほどの人気店へと成長しています。

6-3. テイクアウトとデリバリーで売上拡大

居酒屋業態の「居酒屋一休」などは、店内営業だけでなくテイクアウトメニューを充実させることでコロナ禍でも安定した売上を確保しました。SNSや公式Webサイトでテイクアウト情報を拡散し、さらにLINE登録者にだけ配布される割引チケットも導入。これにより「家で居酒屋気分を楽しみたい」と思うターゲット来店(実際はテイクアウトの受け取り)ニーズを見事に捉えたのです。

6-4. 個性的なイベントで話題作りに成功

中には新メニュー開発やテーマ性のあるイベントを前面に押し出して話題を集めるケースもあります。たとえば、和食チェーンが毎月替わりで「全国のご当地フェア」を開催し、限定メニューとSNSフォロー特典を組み合わせました。結果、期間限定感と地域色がユーザーの心を掴み、集客だけでなく売上面でも高い成果を得ています。


7. WEB集客を進める上での課題や注意点

飲食店が多様な集客施策を導入するとき、意外な落とし穴やリスクに直面することがあります。特に「オンライン施策に全面的に頼りすぎる」「価格戦略だけで勝負してしまう」など、バランスを欠いたやり方は長期的に見ると逆効果になる恐れも。ここでは、お店が押さえておきたい注意点や課題を整理し、安定した成果につなげるための考え方を紹介します。

7-1. 単一の方法に頼りすぎない

飲食店の集客を考えると、どうしても「SNSが流行っているから、まずはInstagramだけ活用すればOK」「リスティング広告に予算を集中させよう」といった極端な依存が起こりがちです。しかし、単一の方法だけでは得られる顧客層が限定されてしまい、不測の事態(プラットフォームの仕様変更など)が起きたときに大打撃を受ける可能性があります。

  • オンラインとオフラインの両輪:SNSや公式Webサイトでの情報配信に加え、チラシ配布・看板設置・地域イベント参加などのオフライン施策も併用
  • 複数チャネルの同時運用:Instagramで写真を重視したブランディングを行いながら、Twitter(X)でリアルタイムの情報を発信するなど、それぞれの特性を生かす
  • 施策の優先順位を適宜見直す:時期や季節、ターゲットの変化によって反応が悪くなった施策は見直し、別の手法との相乗効果を模索

こうしたマルチチャンネル戦略を視野に入れることで、継続的に安定した来店や売上を確保できるはずです。

7-2. 価格戦略だけに依存しない

「安売り」を前面に打ち出してしまうと、一時的には顧客を獲得できるものの、利益率が下がるだけでなく「安さしか取り柄がない」と思われるリスクがあります。価格が安いという理由だけで来店するユーザーは、より安いお店が登場するとそちらに流れてしまう可能性が高いのです。

  • 価値提案を明確にする:店のこだわりやストーリー、食材の質などをしっかり伝え、「安いから来る」ではなく「ここにしかない魅力で選ばれる」状態を目指す
  • 付加価値型サービス:無料トッピングや限定メニュー、特別なイベントの開催など、お得感と特別感を両立させる
  • 定期的な客単価アップ策:一部の商品にオプションを追加し、少し高めのセットメニューを打ち出すなど、リーズナブルさに加えて売上を伸ばす仕掛けを整える

もちろん、一時的な割引やキャンペーンは効果的なケースも多いですが、それをメインの戦略にしてしまうと、中長期のブランディングやリピーター獲得に支障をきたすことを意識しておくべきです。

7-3. 開業時からリピーター獲得まで継続的に見直す

飲食店が最初に開業した際に「オープニングセール」などで一気に顧客を集めることがありますが、その後のリピーター施策が不十分だと、継続的な売上にはつながりにくいです。また、開業から数年経ってメニューやサービスが固定化すると、マンネリ化でユーザーの興味を失うリスクもあります。

  • 開業時の強力な宣伝:WebやSNS、グルメサイト、近隣へのチラシ配りなど総力戦で認知度アップを図る
  • 顧客情報の蓄積と活用:来店した人の年齢層や利用目的、人気メニューなどをデータとして蓄積し、LINE配信やメールマガジンで再来店を促す
  • 定期的な試作や改善:新メニューの投入、サービス見直し、SNSやWeb上でのフィードバック収集を継続的に行う

店舗経営は常に変化と改善が求められます。「こうすればうまくいく」という定型があるわけではないので、市場動向や時代のニーズに合わせて柔軟に調整する姿勢が欠かせません。


8. 外部サービスやイベントの活用で集客効果を倍増させる方法

飲食店の集客は自前の施策だけでも可能ですが、限られたリソースやノウハウではカバーしきれない部分もあります。そこで、外部のプロフェッショナルや業界イベントを活用することで、効率的に店舗運営をスケールアップできるケースが増えています。

8-1. レストランマネジメントEXPOや専門イベントへの参加

外食産業や飲食店向けの総合展示会・イベントは多数存在します。その中でも「レストランマネジメントEXPO」などは、最新の飲食店向けサービスやテクノロジー、Webツールなどが一堂に会する場として知られています。

  • 業界の最新動向をキャッチ:SNSマーケティングの新しい手法や、オンライン予約システムの導入事例などを実践的に学べる
  • 出展企業との連携:POSレジシステムや集客アプリを開発している企業、広告代理店などとのマッチングの場としても活用できる
  • 他の店舗オーナーとの情報交換:似たジャンルの店舗同士で交流することで、新規コラボやイベント共同開催のアイデアが生まれる可能性もある

こうした場で得た知識やネットワークを生かして、自店の施策をブラッシュアップすれば、一気に差別化を図れるでしょう。

8-2. Web制作やコンサル企業への依頼

公式Webサイトの構築やSEO対策、グルメサイトへの効果的な掲載方法など、専門知識が求められる分野は外部のプロに任せるほうが結果的にコストを抑えられる場合があります。たとえば、Web制作会社や広告代理店、SNS運用のコンサルなどが該当します。

  • サイトデザインや機能の充実:使いやすさや読み込み速度、スマートフォン対応などをきちんと最適化すると、コンバージョン率(来店に結びつく率)も上がりやすい
  • 広告予算の最適化:プロの目線でGoogle広告のキーワード設定やターゲットエリアの絞り込みを行い、無駄なクリック費用を削減
  • データ分析と改善:アクセス解析やSNSのエンゲージメントデータを元に、定期的な報告・提案を受けてPDCAサイクルを回す

もちろん外部サービスを活用するには費用が発生しますが、その分専門ノウハウを吸収しながらスピード感を持って改善できるメリットがあります。

8-3. 他業種コラボや地域イベントへの積極参加

店舗単独だけで集客を頑張るよりも、他業種とのコラボや地域主催のイベントをうまく利用すれば、客層を拡大できる可能性は格段に上がります。

  • カフェ×雑貨屋コラボ:同じエリア内でターゲットが似ている店舗が連携し、共同キャンペーンを実施する
  • 地域のマルシェやフードフェスに出店:普段は来ないエリアからの来客を狙いながら、SNS投稿による拡散も期待できる
  • 商店街全体のスタンプラリー:参加店舗を回ってスタンプを集める形式で、飽きずに周遊してもらえるイベントを作る

これらの施策は必然的にSNSとの相性が良く、「#イベント名」「#地域名」での投稿が増えれば、多くのユーザーに見つけてもらえるチャンスが広がります。無料や少額の参加費で実現できるものも多いため、費用対効果の面でも魅力的です。


9. 飲食店におけるWEB集客に関するよくある疑問

ここまで数多くの施策を紹介してきましたが、実際に運用する段階で「どう取り組めばいいかわからない」「具体的な費用や効果がイメージしにくい」といった疑問が出てくるでしょう。以下では、読者が抱きがちな質問に対してポイントをまとめてみました。

9-1. 「SNSでどれくらいの頻度で投稿すればいいの?」

SNSの投稿頻度は、多すぎてもウザがられ、少なすぎても埋もれてしまう難しさがあります。一般的には「週1〜2回」が最低限のラインと言われていますが、お店の情報量やターゲット層により変動します。

  • 更新ネタがあるうちは積極的に:新メニューやイベント情報、仕込みの様子など、見せたい内容が多ければ週3回更新も問題なし
  • 定期更新の習慣化:曜日や時間を決めて投稿することで、ユーザーが「この時間に見れば何か情報がある」と期待するようになる
  • レスポンス管理が大切:投稿数に加えて、コメントやメッセージへの返信をこまめに行うと、ユーザーとの関係性が深まりやすい

9-2. 「Web広告にどのくらい予算をかければ効果が出る?」

広告費は店の規模や目標とする売上によってまちまちです。月の広告費が3万円でも、ターゲットが明確なら十分な集客が得られるケースもあります。

  • まずは少額でテスト:Google広告やSNS広告で、エリアを絞り込んだりキーワードを試しながら効果を測定
  • 費用対効果(ROI)を計測:広告クリック数や予約数などを追いかけ、1予約あたりのコストを把握しながら予算配分を最適化
  • 長期的な視点で運用:広告は始めたばかりだとデータが少なく、成果が安定しません。2〜3か月はテスト期間と考え、改善を繰り返していくのが基本です

9-3. 「公式サイトなしでもSNSだけで大丈夫?」

SNSの運用だけでも、ある程度の集客は望めます。ただし、SNSはあくまでも「ユーザー同士のコミュニケーションの場」であり、急な仕様変更やアルゴリズム変更のリスクも存在します。公式Webサイトを持っていると、検索エンジンからの流入も獲得しやすく、ブランディング面でも安定感が得られます。

  • SNSと公式サイトの役割分担:SNSで日常的な近況報告、公式サイトで店の魅力をしっかりと構築
  • 店舗情報の正確性:SNSプロフィールだけでは営業時間やメニューなどを網羅しきれない場合が多い
  • 予約や問い合わせ導線:公式サイト経由で予約フォームを設置できれば、SNSを見たユーザーをスムーズに来店につなげられる

9-4. 「既存客から口コミを増やすにはどうすればいい?」

口コミは強力な施策ですが、自発的に投稿する顧客ばかりではありません。そこで、以下のような仕掛けで口コミ促進を狙うと効果的です。

  • 口コミ投稿特典:口コミサイトやSNSに投稿してくれた人に、次回ドリンク無料などの特典を付与
  • 定期的なお願い:会計時に「ご感想をクチコミ投稿でお聞かせいただけると嬉しいです」と声がけする
  • ネガティブへの真摯な対応:万一悪い評価が書かれたら、丁寧に改善策を示す。その姿勢自体が良い印象を与える

9-5. 「何から手をつけていいか分からない場合の優先度は?」

最初にやるべきは、Googleビジネスプロフィールの登録・活用です。これは無料かつ効果が出やすい施策なので、必ず取り組む価値があります。そのうえで、SNSの1プラットフォームに絞り、定期的に発信を行う。また予算に余裕があれば公式サイトを整備し、ローカルSEO・MEO対策を充実させると良いでしょう。

  • ローカルSEO → SNS → 公式サイト or Web広告の優先度で進め、必要に応じてオフライン施策やイベント参加も併用していくのが理想的です。

10. 多角的アプローチで飲食店のウェブ集客を飛躍させよう

オンライン施策とオフライン施策のバランスをうまく取ることで、飲食店は着実に集客力を高められます。しかし、最終的な成功の鍵は「継続的な改善」と「データに基づく判断」です。どのような施策でも、一度導入して終わりではなく、定期的に結果を振り返り、改善するサイクルを回す必要があります。ここでは、長期的に成果を伸ばすための考え方を整理しましょう。

10-1. PDCAサイクルを回す

飲食店のWeb集客に限らず、ビジネスの基本となるのがPDCAサイクル(Plan, Do, Check, Act)です。

  1. Plan(計画):どのような方法でどれだけの顧客層にアプローチするのか、事前に目標と戦略を立案
  2. Do(実行):SNS運用、広告配信、チラシ配布など、実際に施策を実行
  3. Check(評価):来店数や売上、予約数、SNSのエンゲージメントなどを数値で計測し、結果を分析
  4. Act(改善):効果が出た部分は維持・拡大し、うまくいかなかったところは原因を探って修正

このサイクルを継続して回すことで、店舗運営を取り巻く変化に柔軟に対応しやすくなります。特にユーザーの嗜好や検索キーワードの動向は変わりやすいため、定期的な見直しが欠かせません。

10-2. データ分析で次のアクションを決める

PDCAサイクルを支えるのがデータ分析です。Googleアナリティクスやグルメサイトのアクセス解析機能、SNSのインサイトなどを活用すれば、どの経路から顧客来店しているのかが見えてきます。

  • アクセス数やCV(予約数):公式サイトにどれくらいのアクセスがあり、実際の来店につながっているのは何件かを把握
  • SNSエンゲージメント:いいねやコメント、シェアの数が多い投稿には、どんな共通点があるかを探る
  • 曜日・時間帯の傾向:平日ランチの顧客層が多いのか、週末のディナーが人気なのかによって、広告の配信時間やSNS投稿のタイミングを変える

数字を追うのは面倒に感じられますが、感覚だけで施策を続けると、いつの間にか不効率な運用をしているケースも少なくありません。データを活用してこそ、無駄を最小限に抑えた最適な戦略を実行できます。

10-3. オンライン×オフラインの相乗効果を最大化する

これまで繰り返し述べてきたとおり、オンライン施策(SNS、Web広告、グルメサイト、ローカルSEOなど)とオフライン施策(チラシ、看板、地域イベント参加など)を組み合わせることはとても重要です。具体的には、以下のような流れを意識すると良いでしょう。

  • オフラインで興味を持った人をオンラインへ誘導
    チラシや店頭のポスターで「Instagramをフォローすると割引クーポン」「グルメサイトでレビュー投稿するとサービス券」などを告知して、SNSやWebに人を呼び込む
  • オンラインで認知した人をオフラインへ誘導
    SNSでお得なランチ情報やイベントを発信し、実際の来店を後押しする。Googleビジネスプロフィールに魅力的な写真やメニュー情報を載せ、地図検索ユーザーの来店を促す

このように、オンラインとオフラインが相互に人を行き来させる仕組みを作り出すことで、「一度来店しておしまい」ではなく、継続的に顧客と関係を築いていけます。

10-4. 多角的な施策を継続し、ブランド力を高める

短期間に一気に集客数を増やすためのキャンペーンは効果的ですが、そのあとに何もしなければ興味を失ったユーザーは離れていきます。定期的に新企画や新メニューを打ち出し、SNSやメルマガ、LINE公式アカウントを活用して情報を発信し続けることで、顧客の心をつかみ続けられるのです。

  • 季節限定イベントや料理フェア:定期的にテーマを変えると「また行ってみたい」という新鮮さが保たれる
  • 地域貢献や社会的取り組み:フードロス削減、地元の生産者とのコラボなどの活動をSNSで公開すると、お店のブランドイメージが向上
  • スタッフの個性や想いを見せる:シェフやスタッフの声を発信し、ただの「物売り」ではない「人や想いが見えるお店」を打ち出す

これらを積み重ねるうちに、「あそこはいつも面白いことをやっている」「料理の質はもちろん、お店全体の雰囲気が良い」といった評判が自然と広まっていきます。その結果、長期的に見た店舗のブランド力向上と安定的な集客が実現しやすくなるのです。


飲食店のWeb集客は、さまざまな方法戦略を組み合わせることで大きな効果を生み出します。単一の手法ではなく、SNSやグルメサイト、ローカルSEO、広告などを総合的に扱い、さらにオフライン施策と組み合わせることが重要です。しっかりとPDCAサイクルを回してデータを分析し、トレンドや顧客ニーズに敏感に対応していけば、長期的に売上と来店数を安定させる土台を作れるでしょう。

そして何より、顧客層に寄り添い、お店の魅力を分かりやすく発信し続ける姿勢が、結果として口コミやリピーターを増やし、店舗繁盛への道を開いてくれるはずです。

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この記事を書いた人

鵜飼 あきひろのアバター 鵜飼 あきひろ 株式会社Grill 取締役/店舗経営・集客コンサルタント

2014年にオイシックス株式会社で海外事業を担当後、香港・中国現地法人の社長に就任。
2017年に起業した株式会社Emooveでは代表として事業を成長させ売却・EXIT。
現在は株式会社Grillの取締役COOとして複数の飲食店舗を経営する傍ら、現場目線で成果の出る集客支援に取り組んでいる。
豊富な実践経験と経営視点を活かし、小さなお店の“ファンづくり”をサポートするのが信条。

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